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[コメント] ウルトラマン 怪獣大決戦(1979/日)

安上がりだよな、この手法は。まあいろいろ事情はあったのかもしれないが。
荒馬大介

 ……というのも、実は円谷プロは当時5億円もの負債を抱えていたのである。一応チョコマカと作品は手掛けていたが、経営としては非常に厳しい状態が続いていた。ところがこれが実相寺昭雄作品を編集した『ウルトラマン』がヒットし、これが起死回生の一本になったとか。もともとあった作品の再編集なので製作費は安い。という訳で、78〜79年にかけてウルトラマンの再評価が高まった頃、円谷プロは『ウルトラマン』と同じ手法で映画をこしらえていたのである。

 本作では『ウルトラマン』に無かった特撮の新撮シーンがあるので、多少は製作費が上がったようだが、バルタン星人の出す光線がちょっと変わっただけで特筆すべきところはない。一応、アニメ作品だったウルトラマンジョーニアスが実写で活躍するシーンはあるが(これで一本作ろうとか、そういう案は無かったのか?)。

 紆余曲折を経て、実写のウルトラシリーズの「完全な」新作が見られるようになったのは、翌年の「ウルトラマン80」になってからだった。この頃には再評価や再放送等で版権モノの収入が伸び、円谷プロもかつての体力を取り戻してきたのである。もっとも、経営難だった頃にスタッフを各所に放出してしまい、一本作るのにも外注に頼るという状況の違いはあるが……。

 まあ、会社としてはピンチだけどどうにかして子供達を喜ばせようとする姿勢は買おう。今観ると、凄く不満が残るけどね。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ババロアミルク[*]

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