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[コメント] 北京原人 Who are you?(1997/日)

いとうせいこうみうらじゅんに言った。「あんたがウパーウパー言ってるから観たけどね、20分で消したよ!」
荒馬大介

 この映画に関しては、本作に「ペキフー」という愛称を付けたみうらじゅんの偏愛ぶりを見るのも楽しい。

 イベント「ザ・スライドショー3」では、相方の作家・いとうせいこう及び観客に対し、ペキフーのことを話そうと思って物凄くウズウズしているみうらさんの言動が見て取れる。何せ初っ端から「地球温暖化どうよ?」(※注)と聴かれて「ウパー!」と叫んでいるのだ(笑)。ペキフーをこの前日に観に行き、何度も何度も「凄い」を連発していたみうらさんだが、同時に本作の行方も案じている。新宿東映に行ったら観客が8人しかおらず、帰る時にはさらに3人減っていたことを紹介した上でこう言っている。

「ああいうのは劇場のスクリーンで大写しにしたのを観ないとダメなんだよ。(中略)早く劇場に行ったほうがいいよ、終わるから。あれと『スペース・トラッカー』ってなヤツ(『スペーストラベラーズ』のことか?)はすぐ終わる」

 バカなものは大きく写せばもっとバカになる、とはみうらさんの持論である。その一年後、「ザ・スライドショー4」ではトークの最中に突如いとうさんがペキフーの話題を振った。

「……よりによってさ、バレンタインデーの日にさ、北京原人放送するのはどういうことよ?」

 それを観たいとう氏が発した言葉が、コメント欄に書いたことである(ちなみにブラウン管の前で物凄く我慢しながら観ていたそうだが)。劇場でグッズを買いあさり、4万円もする北京原人&マンモスのフィギュアをも購入、表紙に描いてあった影絵を皆に見せたいが為に映画の台本まで手に入れたみうらさんに対し、呆れ果てたいとうさんは言う。

「そんなことまでして苦労する意味があるの?」

 いとうさんの呆れは、そのまま映画の評価とも繋がってくる。当初20分で消した氏はツッコミを入れるどころではなく、本気で腹が立っていたことだろう。そんな思いで劇場を後にしたり、TVを観た人も日本中にいることかと思う。ある意味、映画界にとてつもない衝撃を与えた作品として語り継がれることだろう。

 ちなみに、上記のことを問われたみうらさんはこう答えている。

「ないよ」

(※注) スライドショーではお約束のネタ。みうらさんの馬鹿スライド披露の前に、まずみうら&いとうのトークが繰り広げられるのだが、いとうさんはみうらさんを困らせようとあえて変な話題を振るのである。「ものつくり大学っていうネーミングどうよ?」「ニューヨークカルチャーってどうなの?」等など。それに対するみうらさんの素っ頓狂な返答に、すかさずいとうさんがツッコミを入れるのがお約束。「3」では「日本語じゃないけど答えていい?」と念を押したみうらさんが「ウパー!」と叫び、いきなりいとうさんを呆れさせていた。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)死ぬまでシネマ[*] Santa Monica 甘崎庵[*] ユキポン 空イグアナ[*] tkcrows[*] ペンクロフ[*]

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