★4 | 白い恐怖(1945/米) | よけいな会話が多くてヒッチコック・ミステリはどうも好きになれないのだが、比較的台詞が少なく画面に集中できるという点で、私にとっては数少ない好感の持てる作品。緊張感を保った状況シーンに挟み込まれる大胆な心象ショットが驚きと躍動を生んで心地よい。 | [投票(3)] |
★3 | 断崖(1941/米) | 婚期期限ギリギリお嬢様の焦りと世間知らずが物事の発端では、主人公の苦悩に何の共感もわかない。ジェーン・フォンテーヌのこれ見よがしのブリッ子芝居とヒッチコックの取ってつけたような不安感の煽り演出が時代の遺物として寒々しい。 | [投票] |
★3 | 見知らぬ乗客(1951/米) | ヒッチコックに向かって「あまりにも突飛だ!」という難癖は無効なのでやめますが、回転木馬の大パニックでは館内のそこかしこから(私も含めて)失笑が湧く2020年。で、“計算高い優柔不断男”と“にやけた粘着野郎”のサイコ・コメディにお色直しでリメイク希望。 | [投票(1)] |
★3 | 知りすぎていた男(1956/米) | モロッコからロンドンへ移動してサスペンスの重点がいつの間にか拡散し、本来はさほど重要ではないはずの要人暗殺がクロースアップされ、もったいぶった音楽会シーンの緻密な組み立てにはぐらかされる。すべてを「ちゃら」に帰すラストショットのキレは完璧。
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★3 | 裏窓(1954/米) | ヒッチコック作品が退屈な理由。1、饒舌すぎる会話シーン。2、感情移入を拒む主人公たちの特異な職業や身分。3、美しすぎて状況から浮きまくる女優。・・・クライマックスまでに、必ず3回は睡魔に襲われてしまう。名作の誉れ高いこの映画も私には同じ。 | [投票(5)] |
★2 | ダイヤルMを廻せ!(1954/米) | 字幕(セリフ)でしか物語を追えない視覚的刺激の欠如した饒舌さに、前夜の夜更かしだけが原因とは思えない睡魔が襲来する。トリック崩しの面白さはあっても、映画としてのカタルシスはない。 | [投票(1)] |
★3 | めまい(1958/米) | サスペンスと言うより、やたらと手の込んだ恋愛スペクタクル。その一筋縄ではいかない愛憎は抜き差しならず切ないが、心理のアヤが錯綜しすぎて、作為的なやりすぎ感がいささか白ける。話しの時制も定まらず、折り返し点の「入院」が映画時間の起点にも見える。 | [投票(1)] |
★3 | 鳥(1963/米) | 冒頭の惚れた晴れたの痴話ごとなど、あれよあれよと言う間に鳥の存在感に侵食され、気づいてみるといつの間にやらパニックの渦中に、という有無を言わさぬ展開の力技に唖然。分ったようでいて、よく解らないまま、「でも怖いよね」と納得させらてしまう変な話。 | [投票(2)] |
★3 | 北北西に進路を取れ(1959/米) | 導入部の誘拐と状況設定あたりまではそれなりに緊張感があるのだが、主人公が北北西へ向かい始めてからの個々のエピソードが間延びして終わってみれば2時間20分の長尺に。頭が良いのか悪いのか分からない犯人グループが間抜けさに輪をかける。 | [投票(3)] |
★4 | サイコ(1960/米) | 何をどう見せれば客は怖がるかを知っていたヒッチ・コックという人は、結局観客に絶対の信頼を置いていたのだろう。大音響やSFXに頼り切ったテーマパークのアトラクション的サスペンスやホラー映画に今何が欠けているかがよく分る。 | [投票] |
★4 | レベッカ(1940/米) | 「起」は無粋な主人(フローレンス・ベイツ)、「承」は不気味な世話人(ジュディス・アンダーソン)の両オバハンに翻弄される波乱で、良く言えば巧み、悪く言えば順調に沸点のドン詰まりへ。にやけたオッサン(ジョージ・サンダース)登場で物語は「転」調。 [review] | [投票(2)] |
★4 | バルカン超特急(1938/英) | 制作された1938年という時代を考えるとシビアできわどい筋立てなのだが、全編に溢れるユーモアで暗い世相を娯楽に仕立てしまうしたたかさ。風刺や笑いの対象が敵対する相手国ではなく自国イギリスという点に、品の良さと現代では希薄になった「ゆとり」を感じる。 | [投票(1)] |
★2 | 海外特派員(1940/英) | どうしてもリズムが合わないのがヒッチコック作品。過剰な会話(セリフ)で話を進め物語りが弛緩しそうになると、思わせぶりなサスペンスシーン(それなりに美しいのだが)でつなぐのだが、時は遅し私の意識は上の空。 | [投票] |