★4 | 汚名(1946/米) | 話は古臭いが演出は見事なもの。ヒッチコック映画はカッコいい。 | [投票] |
★3 | 断崖(1941/米) | これはジョーン・フォンテインをもっともっとサディスティックに追い詰める濃厚なサスペンスか、逆に彼女の勘違いを徹底的に馬鹿馬鹿しく描くコメディのどちらか一方に振り切れるべきだったのではないか。どうにも中途半端で、大きな盛り上がりを欠く。むしろ序盤のロマンスの方が面白いとさえ思えてしまう。 | [投票] |
★4 | 逃走迷路(1942/米) | 3.5。あまりヒッチ好みとはいえない女優だが、むしろ女優を取り巻く人物描写が曖昧でその点の方が弱い。主人公も愛国か恋愛かで位置づけが明確でないし、悪役も最後に翻意をしてしまう。一方で冒頭のどす黒い煙が右から流れてくるショットの不穏さや橋からの飛び降りショットの驚き、パーティ会場での包囲、映画館のスクリーンの利用法、そして勿論クライマックスなど、冴えたカットが多数あるのも事実で嫌いな作品ではない。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 見知らぬ乗客(1951/米) | 明と暗の強烈なコントラストが全編に横溢する。これはヒッチコック流フィルム・ノワールか。オープニングの「靴」。遊園地の「影」。踊り場に佇む「犬」。シャープな映像表現は現在でも全く古びていない。 [review] | [投票] |
★4 | 知りすぎていた男(1956/米) | ハリウッド時代のヒッチコックでも好きな作品の一つ。アルバート・ホールでのサスペンス醸成は驚異的でまさに天才のなせる業。 | [投票] |
★4 | 裏窓(1954/米) | 見事な職人技。それにしてもグレース・ケリーは美しすぎる。 | [投票] |
★3 | ダイヤルMを廻せ!(1954/米) | 手堅く撮られた佳作。 | [投票] |
★2 | ハリーの災難(1956/米) | ヒッチコックってこんな美しい映像を撮る人だったのか。 | [投票] |
★5 | 間違えられた男(1956/米) | 客観とヘンリー・フォンダの主観視点との切り替え編集が秀逸。画面に正対する人物から突き刺さってくる威圧的な視線の数々は、彼の恐怖を体感させるのに十分。ミステリーとサスペンスの違いは本作を観れば一発で分かるだろう。 | [投票(2)] |
★5 | めまい(1958/米) | 心を震わす喪失と妄執のラブストーリー。恐ろしくぎくしゃくした物語(犯罪は途中でうっちゃられる!)の中、悲劇の一大メロドラマが展開される。形を変えて繰り返される「渦」。極端な位置からの俯瞰と仰角ショットによって遠近法を歪ませるロバート・バークスの神業。ヒッチコックのダークサイドが生み出した到達点。 | [投票(2)] |
★4 | 鳥(1963/米) | 改めて鑑賞すると「視る」ことの危険性を訴えかけているようにも思えて興味深い。最初の攻撃は「双眼鏡」の視点が出てきてから。攻撃直前/最中にlookもしくはseeという台詞もある。鳥は眼をつついてくるし、小学校の場面では割れた眼鏡のカットが挿入されている。籠城戦においてドアを補強するのは「鏡」だ。 | [投票] |
★4 | 北北西に進路を取れ(1959/米) | 待ち合わせにきて飛行機に襲われるまでの一連の流れなどを筆頭にヒッチコックの撮り方は素晴らしい。しかしエヴァ・マリー・セイントがあまり好みでない。 | [投票] |
★3 | サイコ(1960/米) | 3度見直したが、やはりこれはヒッチコックの中では弱い。中盤証拠隠滅を図る下りまでは、行動が理屈を先行しているため良い。が、後半部は逆にまず理由があってそこから行動が起こる。そのため乗れない。また、本作は単純な切り返しが多く視点の豊かさに乏しい。本来なら画面上に「母親」が現れた瞬間『めまい』の一人二役のように目眩を引き起こさねばならんのだが、ここでは只のショックに留まっている。 | [投票(1)] |
★3 | レベッカ(1940/米) | 3.5点。白眉は見えないレベッカの動きを捉えた、ローレンス・オリヴィエが告白する際の浮遊するカメラワークであろう。また、ジュディス・アンダーソンを動かさない(動いているところを極力見せない)こともさすが。ただし終盤はサスペンス・メロドラマからミステリーに変貌してしまい退屈。「ヒッチコック×トリュフォー 映画術」の記述によるとセルズニックに相当口出しされ、ヒッチ本人もあまり気に入ってない様子。 | [投票(1)] |
★4 | バルカン超特急(1938/英) | 英国紳士2人組の扱いや貨物室での闘いに、ヒッチ先生の傑出したユーモア感覚が窺える。脚フェチ的にも◎だ。 [review] | [投票] |
★4 | 海外特派員(1940/英) | プロパガンダも混じっているとはいえ、きちんと映画になっている。「宙吊り状態」のサスペンスを本作でも存分に味わえる。特に黒い雨傘から風車小屋に至るまでが圧巻。 | [投票] |
★3 | ロープ(1948/米) | さして面白くない映画であるが、技法の研究用として一見の価値はある。長回しで有名な作品だが、むしろカットを割ることがどのような効果を生むのか、それを学術的に考察する上で非常に勉強になるのだ。私が観たバージョンは、クローズアップによる繋ぎ(つまり、「カットを割った」と観客に思わせたくない繋ぎ方)を除くと、5回はっきりとカットを割っていた。 [review] | [投票] |