「ジャン・リュック・ゴダール」(システム既定POV)の映画ファンのコメント
甘い夜の果て(1961/日) |
「堂々巡りしてるだけ」という台詞通り、津川雅彦の鬱屈したエネルギーは女たちの間で空回りをしていく。そうした力の流れは屋上の観覧車、競輪場を周回するオートバイ、或いは湖上で故障するモーターボート(この場面も実にサスペンスフル!)によって視覚化されるだろう。また、画面外から耳を劈く工事の音や街頭ロケの数々もヌーヴェルヴァーグ的で面白い。吉田喜重の冷たく突き放す感覚もとてもいい。 (赤い戦車) | [投票(1)] | |
津川雅彦の人物造型のアホ具合−例えば岡鋳物の経営状態を全く認識していないといった−はちょっと気になるのだが、この際置いておこう。ヒロインといっていい新人の山上輝世がもう少しマシな女優だったらなあ、という点も目をつぶろう。吉田喜重と成島東一郎の現場での仕事ぶりは矢張り見応えがある。 [review] (ゑぎ) | [投票] |