佐藤慶の映画ファンのコメント
剣鬼(1965/日) |
草花に注がれる愛情や、ずば抜けた健脚よりも、どこまでも主君に対して忠実であるということにおいて斑平(市川雷蔵)は犬なのだ。飼いならされた犬にも、一瞬にして相手を倒そうとする闘争心は潜んでいる。忠実なる者の本能的闘争心とは悲しさでもある。 (ぽんしゅう) | [投票(2)] | |
「花」を愛しながら平気で「人殺し」を行う班平。相反する二つのキーワードを、花一面の川原で繰り広げられるラストの死闘によって、映像的に見事に消化させている。呪われた妖刀「あざ丸」を手にした雷蔵が、今宵も屍の山を築く! (AONI) | [投票] | |
「抜いて、斬って、収めるだけ」の居合抜きを最期まで律儀に貫徹する班平。内実の欠落したキャラクターが、花と韋駄天と居合抜きだけで映画を支えきる。十分人間的なはずなのに、奇妙に動機と過程が抜け落ちたその肖像。 (鷂) | [投票] |