★5 | 迷走するシステムの狭間で窒息しかける当たり前の尊厳。声を上げない慣らされた我々にローチは声を上げようと言う。食糧配給所のシーン。彼女がいきなり缶詰を開けて貪り食う。奇矯な行為だが、それを奇矯と感じさせない真実と共感を映画は内包している。 (けにろん) | [投票(8)] |
★3 | 行政の対応、その描写は、アイロニカルな視点で貫かれていて、そういった内容に意味を感じる、共感する観客が多いのはよく分かる。悲惨な話なのに全体に優しい眼差しに感じられる、ブレイクの人柄がにじみ出る、といった演出基調も好ましく思える。 [review] (ゑぎ) | [投票(1)] |
★5 | 国という奴が作る規則ってのはどこの国もクソッタレだなと思う。しかし新型コロナ禍を経て気づいたことはシステムの向こう側にいてロボットみたいに見える人にも家族はいて血は流れているということだ。怒っているだけでは憤っているだけではダメだ。私たちは少しでも何かしたのだろうか... (サイモン64) | [投票] |
★4 | 19世紀に始まった資本家と労働者という左右の対立軸は、イデオロギー闘争の終焉とともに希薄化され、21世紀の今、合理性というとりあえずの正論のもと、国家と市民という上下の合意軸を模索して、波間の喫水線のように揺れ動く。血のかよった政策や制度って・・ [review] (ぽんしゅう) | [投票(4)] |
★3 | 心臓に爆弾を抱えた老人を酷使して醸成するスリラーにあって技術的な課題となるのは老体を稼働に追い込む状況の構築であり、官僚制の不条理が今回は利用されている。 [review] (disjunctive) | [投票(5)] |