★1 | 飢える魂(1956/日) | 旅の解放感と上流生活の贅沢感を糖衣にして、主題である男女間のむずむずを観客が堂々と鑑賞できるよう作られている。じれったい進行が性描写以上に恥ずかしい。三橋達也の目つき・行動は今ではストーカーだろう。続編を見る気失せる。 | [投票] |
★5 | 元禄忠臣蔵・前編(1941/日) | 冒頭の松の廊下のシーンを除き刃傷が一切存在しない時代劇という離れ業が、圧倒的な重量感と安定感の中で実現している。クレーン撮影を駆使した長回しのもたらす様式性と、真山青果原作らしい、荘重にして膨大な量の台詞の理詰めの面白さがアクションの抑制を補って余りある。 | [投票] |
★2 | 獄門島(1949/日) | 市川崑がこの原作イメージを決定づける前の作品なので、自由度がある。セットの立派さがミステリーを支えている。三宅邦子、進藤英太郎が役柄に合う一方、片岡千恵蔵、大友柳太郎が浮いている。それも面白さだが。 | [投票] |
★3 | 俺は待ってるぜ(1957/日) | シチュエーション一点に全精力を集中してそれで90分間押し切ろうという太い了見の作品だが、このシチュエーション、臭いけれど魅力的。小顔で日本人離れしたスタイルの北原三枝がこのような設定によく似合う。浅丘ルリ子ではこうはいかない。 | [投票] |
★3 | 新しき土(1937/日=独) | 伊丹版とファンク版あるようだが、ファンク版で見た。ファンクは山岳撮影の権威らしく、山のシーンが実に面白くストーリー展開には邪魔なくらい執拗に続く。しかし実は、 [review] | [投票(1)] |
★3 | 天狗飛脚(1949/日) | この監督私的注目株で、新鮮な風を浴びた。主人公と飛脚屋の娘の恋愛が爽やかな底流を作る人情劇。各シーケンスが短めで軽快なリズムを刻む。大胆な全力疾走のショットが映画最大のヤマ場を盛り上げる。映像の省略が山中貞雄ばりに思い切りよいがやや粗い。 | [投票] |
★2 | 赤穂浪士 天の巻・地の巻(1956/日) | 大友柳太郎扮する堀田隼人の登場する意味はなんじゃあ! 原作の弱みがそのままでた愚作。新藤兼人の脚本の理屈っぽさが最悪の効果をもたらしてしまっている。片岡源五衛門役の原健策と内蔵介役の市川右太衛門以外、誰も光らせることができていない。 | [投票] |
★4 | 王将(1948/日) | 阪東妻三郎、この人は映画鑑賞という我々観客の主観的な時間のなかに易々とわけいって心臓を鷲掴みにして至福の世界に持ち去っていく。遠くから引いて離れて鑑賞する余地を与えない。これが本当のスターというものだろう。 | [投票(2)] |