千葉早智子の映画ファンのコメント
寒山拾得のコメント |
妻よ薔薇のやうに(1935/日) | 世の中女の配慮で回っているのだ、という世界観が端々に滲んでおり、この滲み具合の濃淡の色合いが抜群だ。タイトルは刺すような皮肉。 [review] | [投票(2)] | |
音楽喜劇 ほろよひ人生(1933/日) | PCL第1作。なんだかまだ調子が出ていないコメディだが豪華メンツが愉しめる。藤原釜足・丸山定夫VS横尾泥海男・吉谷久雄のドタバタに、まだ娘役の千葉早智子。全員がPCL出演第1作。 [review] | [投票] | |
女優と詩人(1935/日) | 収束はホノボノしていると同時に明らかに狂っており、同意があれば何でも成り立つという関係の狂気が漂うブラックな喜劇。ノリの悪さは時代の所為と差っ引きたい。 [review] | [投票] | |
桃中軒雲右衛門(1936/日) | ナルセの珍しい極右的題材だが生煮えで、芸のためなら女房も泣かす春団治系噺に過ぎない。月形の悲憤慷慨な造形は鮮やかだが、なぜ彼はそうするのか肝心の処が語れていない。 [review] | [投票] | |
私の鶯(1944/日=中国) | ハルピンに大量避難した白系ロシア人という題材は興味深いのだが、難民受容の精神を本邦の昨今の有様と比較してみよう、といった知的好奇心をまるで喚起させてくれない凡作。満州プロパガンダと産みの親育ての親の物語類型しか残らず、島津らしい繊細さの欠片もない。製作岩崎昶という冗談が笑える。 | [投票] | |
エノケンの青春酔虎伝(1934/日) | ♪ボクラは嬉しいサラリーマン、いつもいつも上機嫌、机の前で居眠りしてりゃ、サラリーは天から降ってくる。エノケンはチークボーイ(とは何だ)、社長の倅、昼から退社してデート。戦前ですでに植木等である。 [review] | [投票] | |
噂の娘(1935/日) | そこまでやるんですかという、叩き付けるような収束に驚く。『桜の園』から余韻を丁寧に取り除いたような乾き具合。時間制限のためやむを得ぬのか、それにしても異様だ。 | [投票] | |
吾輩は猫である(1936/日) | 丸山定夫と英百合子のオタンチン・パレオロガスの掛け合いや清川玉枝のおバカな扮装、寄宿生のドタバタなどに映画ならではの面白さがあり、猫の扱いも洒落ていて補足された収束もいい。これで徳川夢声がもっと面白ければ云うことないのだけど。 | [投票] |