★4 | レッド・スパロー(2018/米) | アクションへの傾倒を封じ地味&鈍重な駆け引きに終始して重厚なジャンル新機軸を打ち出せた感がある。単線で突きすすむ展開も卓袱台返しに近い大技で反転させた。ジェニファー得意のケバメイク&スッピン往還も良だが2大名優の使い切った感も半端ない。 | [投票(2)] |
★4 | マリア(2006/米) | 今更の題材だが、相互信頼を醸成する道行きとして、又運命に導かれる三賢人との従容たる邂逅として構成し、ロケ選定の的確な効果を含め確信に充ち物語に正対している。その強度を買う。役者も皆慎ましやかで良い。 | [投票(1)] |
★4 | ミュンヘン(2005/米) | 『シンドラー』の時代とは違い明快な答を出せない題材を選択したスピルバーグの立ち位置が物語的には苦しい。テロルの連鎖を断ち切る答は無く詠嘆的に鎮魂するしかない…というのは在り来たりと思う。随所の唸らされる表現とクールさには瞠目した。 | [投票(5)] |
★5 | コックと泥棒、その妻と愛人(1989/英=仏) | 吐瀉物もよく見りゃあいろんな色が混ざって綺麗だろ的グリーナウェイのゲス性根が欧州の衣食住文化の先鋭と幸福な融合を成した稀代の傑作。装置と化する衣装とはったりナイマンの音楽もツボだがエロティシズムもかなり来る。映画的扇動力が凄まじい。 | [投票(1)] |
★3 | 裏切りのサーカス(2011/英=仏=独) | 緩やかに移動し続けるカメラが全篇を一貫した情感で覆う。美術や衣裳も交えて殆ど完璧に制御されたスタイルの達成だが、完璧すぎて嫌らしい感じも。再三注入される過去パーティシーンが強要する懐旧感は青春グラフィティ親爺版の趣。非情を情が上塗りする。 | [投票(3)] |
★3 | ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007/米) | そういう風に物語が収斂するように仕組まれているとも見えなかったし、そうだとしても在り来たりな顛末にしか見えない。ディテールへの拘りは強固と浅薄を歪に往還しデイ・ルイスの演技も同様。なんかしっくり来ないのだな。 | [投票(6)] |
★3 | トータル・フィアーズ(2002/米) | 現実はそんなものだとしても、世界の終末の到来を余りお手軽には描いて欲しくない。米も露も簡単にゴーサイン出しすぎ。それがジャック・ライアンの色恋に割かれた為ならバランス感覚の欠如と思う。その瞬間を爆風のみで処理したのも簡潔とは言え物足りない。 | [投票(5)] |