原節子の映画ファンのコメント
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河内山宗俊(1936/日) | 誰もが息を呑み、胸を鷲掴みにされるだろう原節子の「打擲」と「雪」。いつでもアクションと風景こそが「映画」の両輪だ。クライマックスの死闘の壮絶さには歯を食いしばって耐えるしかない。しかし水路を行く河原崎長十郎と市川扇升を捉えた横ドリーカットの悲壮にはもう耐えられない。嗚咽にまみれる。 | [投票(2)] | |
娘・妻・母(1960/日) | 豪華俳優陣の総花的並置のため各俳優のポテンシャルが十全には発揮されず、またそれゆえ笠智衆の破壊力が際立つといういびつな事態が惹起されてもいるが、日本屈指の母女優三益愛子の母ぶりが映画を支える。原節子の色気が頂点に達したのは一九六〇年であることを『秋日和』とともに証言する映画でもある。 [review] | [投票(6)] | |
驟雨(1956/日) | 面白い。ここで「面白い」というのは単純に楽しい、笑える、という意味。「きゅうりの日本地図」のくだりなんてもうサイコー。近所の集会での話し合いが脱線していくさまも面白すぎる。 [review] | [投票(3)] | |
東京暮色(1957/日) | 小津のフィルモグラフィでは最も「愛すべき」という語による形容が相応しくない作品にも思えるが、「小津による真冬」が描かれているというだけで、しかし私はこの映画を愛さざるをえない。 [review] | [投票] | |
麦秋(1951/日) | 感動的だ。何もかもがまったく感動的だ。この感動は「映画は映画である」という命題がこの上なく力強く肯定されたことへの感動でもある。 [review] | [投票(2)] | |
東京物語(1953/日) | どうしようもなく胸を引き裂かれる。小津における「物語」の最高到達点。 [review] | [投票(5)] | |
わが青春に悔なし(1946/日) | 眼力女王原節子映画。杉村春子と高堂国典の夫婦も大概だが、大河内傳次郎と三好栄子から原節子が産まれてしまうのだから映画とはかくも自由だ。原中心の支離滅裂なカッティングで無声映画のような画面が次々と繰り出される。そして後半が凄まじい。説教臭さの次元など遥かに突き抜けた最強の農作業映画。 | [投票(3)] | |
小早川家の秋(1961/日) | これも中村鴈治郎の映画だ。独壇場というほどではないにしても、中村がこの作品において果たしている役割は単なる主演というものを超えている。 [review] | [投票(4)] | |
秋日和(1960/日) | 小津のカラー作品全てに云えることだが、この映画も批判するべき点が見つからない。恐るべき完成度だ。ほとんどSFの域に達したオフィス空間、目に鮮やかなハイキングシーンの緑。端正かつ異様な画面が続く中、岡田茉莉子の魅力が炸裂する。 [review] | [投票(2)] | |
山の音(1954/日) | 実は成瀬こそが原節子と最も相性のよかった監督なのかもしれない。もはやオーバーアクトの域にまで達している原の演技が成功以外の何ものでもなく、映画にすこぶる貢献しているということがその証拠だ。 [review] | [投票(1)] | |
晩春(1949/日) | 原節子=紀子という突出したキャラクタの分裂性、あるいは怪物性。 [review] | [投票(10)] | |
めし(1951/日) | 屋内シーンでは演技の的確さが、屋外シーンでは撮影の美しさが秀でている。ねこ好きとしても見ておきたい一作。 [review] | [投票(1)] |