★4 | なんと狂おしい情念に満ちた映画か。トリアーは自らの思い描く世界を完膚なきまでに具現化してみせた。描かれていることへの好悪は別として、この完成度は認めざるをえない。ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』前奏曲の執拗な反復は次第にトリアー版『ヴェニスに死す』とも呼べる圧倒的陶酔、ロマンティシズムへと至る。 [review] (赤い戦車) | [投票(2)] |
★5 | マックス・エルンストの画集を見るような、耽美的に静かな崩壊の物語。当然ながら万人受するわけもなく、試写会でどんな反応だったのか想像するとなんだか怖い。この映画に関してはキルティン・ダンストの虚ろな表情がすごく活きていると思う。 (サイモン64) | [投票] |
★5 | 相変わらず視聴者を精神的に追い詰めるトリアー。しかし、オープニングからタイトルまでの流れや、映画的なロマンがギリギリのラインで精神を安定させる。神業。92/100 (たろ) | [投票(1)] |
★4 | 前作『アンチクライスト』の過激な遠吠えに閉口した僕ですが、やはり気になるトリアーの新作を恐々見てしまいました。いやあ、さすが大人。持ち直してる。特に前半の「ジャスティン」は一編のドラマとしても秀逸。 [review] (セント) | [投票(5)] |
★4 | 1部は悪意と諧謔が混在するブニュエル由来アルトマン経由のパーティ映画として圧倒的な密度だが、その多様な悲喜交々が放棄され鬱病人間こそが終末に対峙し得るという2部のテーゼは余りに単線で唐突。トリアーの断定癖が今回は空疎に見える。 (けにろん) | [投票(4)] |