★3 | 街から街へつむじ風(1961/日) | こぢんまりと纏まった本編では、作品世界を潤わせるべきヒロインたち(芦川いづみ / 中原早苗)もまたおとなしく腰かけた状態でおさまり、話をぶん回す余力すら見せない。このおとなしさが作品世界に波及してか、弾まない中編はひたすらエンドマークに向かう以外に気力を見せない出来栄えとなった。裕次郎もまだ新人で暴れるわけにもいかないだろうが、淡泊な一編。 | [投票] |
★3 | 天と地を駈ける男(1959/日) | 時代を感じさせるカメラアングル。それを悪いとは言わないけれど、どうにも緊迫感や迫力を欠く航空機描写は残酷に「時代遅れ」の烙印を押されるシロモノだ。裕次郎と二谷の相克も哀しいほどありきたりに堕してしまった。プロペラや会話内容のせいではない。'59年の時点で見つけ出されていない描写の普遍性のせいなのだ。 | [投票] |
★2 | 霧笛が俺を呼んでいる(1960/日) | 子役時代の演技を顧みれば、この映画の小百合の下手さは信じられないものだ。アクションものを嫌悪していたのだろうか。終始傍観者に徹している赤木圭一郎も見せ場がなく、彼の代表作としてこの作品を挙げるのは一種残酷かもしれない。 | [投票] |