澤井信一郎の映画ファンのコメント
故郷(1972/日) |
時代を記録しようという山田監督の姿勢が最高度に達した傑作。ある時代の変遷を描写して簡潔かつ雄弁。 [review] (寒山拾得) | [投票(3)] | |
苛立ちの矛先を向ける相手が見えない夫。不安を日常に封じ込め忍従する嫁。操舵席に並び、前方を見据え船長と機関長は内海を行く。その目は、ときに慣れ親しんだ島なみに安堵し、ときに茫漠たる行く末に慄いているように見える。“時代”のテコは、いつも容赦ない。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] | |
山田渾身の作。彼の感受性がよく出た、緻密な作品作りを評価したい。佐藤勝の音楽も負けていない。お登紀さんのテーマ曲が絶品。民子3部作の2作目だが、‘男が仕事を変える時’として見た。時代の流れは常にあり、精一には決して負けてはいないぞと言ってやりたい。 (KEI) | [投票] | |
高度成長を経て日本の社会が大きく変貌しようとしていた時代。その変貌とはどういうことだったのか、庶民の目線で描いた映画。最後の井川比佐志の「なんでかいのう…」というセリフのシーンは心にしみる秀逸さがあった。 (シーチキン) | [投票(3)] |