★4 | 影を追う男(1945/米) | 謎が解決されないうちに次から次に新たな謎や正体不明の人物が登場してくる展開は、ハードボイルド映画の典型で文句のつけようがない。瀕死の主人公を助けたのが縁で結ばれた、たった20日間の妻だった女のために主人公が戦う物語展開には心底痺れる。 [review] | [投票] |
★3 | 七月のクリスマス(1940/米) | 円朝の人情もの落語のようにおかしくて切ない。お金の使い道というモチーフの物語への根源的な喚起力を使い、上質の都会喜劇を作り上げた。主人公男女の陰影のあるやりとりがよいうえに、背景や道具の造形が抜群にしゃれている。夜の都会のビル街の灯りが映画の哀調を決定づけた。
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★4 | 眼下の敵(1955/独=米) | 戦争映画は空間表現が大事という鉄則は潜水艦映画でこそいきる。クルト・ユルゲンス格好良かったなあ。ロバート・ミッチャムもよい。 | [投票] |
★3 | おとし穴(1948/米) | 主人公のキャスティング大失敗だが、ヒロインと脇役達のうまさで魅せる。冒頭の5分、普通の家庭の朝の会話とも思えない強引な引っ張り方にハラが立ったが、マックという探偵の登場あたりから持ち直し、大都会で一人懸命に生きるヒロインの健気さと哀切さでラスト近くまで楽しませる。ラストは実に曖昧である。ムラの多さが難点。 [review] | [投票] |
★3 | ブロンドの殺人者(1943/米) | ディック・パウエルが作中気絶はするが眠らないという指摘は陳腐過ぎるだろう。ならば、本作のノワールらしさは、人物の背後から人物が現れるということと、人物が屋内で照明を点けたり消したりすることから醸されるという指摘はどうか。少しは私の本作の執着ぶりをわかってくれるだろうか。
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★4 | 真夏の夜の夢(1935/米) | 本作の美術と特殊撮影の魅力に抗することができない。また、神秘的な照明と水際立ったキャメラがモノクロなのに美しい色彩を感じさせ、森の蠱惑的な生命感が完璧に表現される。とどめはバレエ演出を大胆に取り込んだ俳優演技と音楽だ。作劇の戦略が的確に我々を刺し貫く。 [review] | [投票(1)] |