★3 | 白い恐怖(1945/米) | この痩せぎすのグレゴリー・ペックは全然良くない。以降ヒッチコックが使わなかったのも頷ける。しかしバーグマンの美しさ!息を呑むほど美しい!ダリのイメージは面白い。 | [投票(3)] |
★5 | 汚名(1946/米) | 全くもって凄い。ヒッチコックが演出の神様であることを改めて痛感する。確かにストーリとして弱いかも知れないが、しかし個々のカットの出来具合は凄い。 [review] | [投票(7)] |
★3 | 断崖(1941/米) | 当初のヒッチの構想通りにケーリー・グラントが描かれていれば...と思ってしまう。そしてこの点に関するヒッチの戸惑いがこの映画の一貫性を欠かせることになり完成度を低くしている。観客をも戸惑わせてしまっている。この戸惑いがスリリングだとも云えるのだが。 | [投票(1)] |
★3 | 逃走迷路(1942/米) | ロバート・カミングスのキャラクターに納得性がないのが致命的でどうしてもアメリカ時代のヒッチの中では低いランク付けになってしまう。しかし完成度が低いことは否定できないけれど、それでもその偉大な才能を見せつけられることも事実なのだ。自由の女神のシーンの素晴らしさ。ヒッチは最高に頭がいい。 | [投票(2)] |
★4 | 知りすぎていた男(1956/米) | こんなつまらない弛緩し切ったシナリオ(多分)でも、これだけ巧く見せてしまう。映画の画(撮影)の何たるかもアクターズ・ディレクションも編集も音楽も知り尽くしていたのだ。グリフィスもウェルズも、エイゼンシュタインやゴダールでさえ、ヒッチの前では子供だ。 | [投票(1)] |
★4 | 間違えられた男(1956/米) | 例えば護送されるシーンのカットつなぎ−手錠と足。刑務所の小窓への寄り引きのカット。裁判中に集中しないさま。歩いてくる男のオーバーラップ。もうシビレっぱなし。ヒッチのユーモアを愛する者としては、本作は厳しすぎて「最高」だとは云い難いが、それでもヒッチの黄金期は本作から『鳥』迄と云ってもいい素晴らしい出来栄え。 | [投票(3)] |
★4 | めまい(1958/米) | 実はこの映画はイマイチ好きになれない。その一つの要因は「とてつもなく悔しい」ということにある。『めまい』が為にどんな犯罪映画も陳腐に見えてしまう。最近とみによく使われる技法「Vertigo」(ドリーしながらのズーミング)を生んだことも銘記すべきだが、女と男と自動車による映画的犯罪性の醸成が圧倒的魅力。 | [投票(1)] |
★5 | 鳥(1963/米) | 最も映画らしい映画は何か?と問われたならば、私は迷わずヒッチコックの『鳥』と答えるだろう。映画には物語などこれっぽっちも必要じゃない。映画のエッセンスは画面だ。ガソリンスタンド炎上シーンに挿入される大俯瞰ショット(カモメが一羽また一羽とフレームインする)は映画史上最高の視点移動。これこそ映画だ。 | [投票(16)] |
★4 | レベッカ(1940/米) | 「『嵐ヶ丘』を作ったのは私です。ワイラーは監督しただけですよ」と云ったのはサミュエル・ゴールドウィンだが、『レベッカ』もやっぱりセルズニックの映画だろう。 [review] | [投票(2)] |
★5 | バルカン超特急(1938/英) | イギリス時代のヒッチの最高作は矢張りこれだろう。話の運びは少々牧歌的過ぎるきらいはあるが画面は今見てもすこぶる刺激的だ。ヒロイン−マーガレット・ロックウッドに対するフェティッシュな演出も見ものだが、何と云っても列車という映画的な道具立ての扱いが傑出している。これを超える列車の映画はいまだに生まれていない。 | [投票(4)] |
★5 | 海外特派員(1940/英) | ヒッチコックのこのハリウッド第二作は、第一作なんかとは桁違いの傑作だ。アムステルダムの会議場前階段での黒い蝙蝠傘のシーンがつとに有名だが、風車内のシーン等も何ときめ細かなカット割り。柱や階段で視線が塞がれる空間の描写は、歪(いびつ)さも感じるが、全くヒッチらしい『レベッカ』にはなかった画面造型だ。 [review] | [投票(1)] |