★5 | 徹底したシンメトリーな構図と縦横無尽なトラベリング。特に横移動カットの多用。アクション場面の漫画のような簡潔なカット割り。超ロングとアップカットの対比。このようなウェス・アンダーソンの画面の特質が、少年と少女の逃避行という題材とマッチし、もう全てが奏功したと云いたいぐらいの、とてつもなく可愛い映画だ。 [review] (ゑぎ) | [投票(3)] |
★5 | 抑制のきいた色彩。シンプルな話をまばゆく展開させる噴出力。全体に物悲しいタッチ。これぞまさに人生を凝縮させたかのようなとても大切にしたい僕だけの絵本です。一枚ずつめくりアンダーソンの世界を旅しよう。 [review] (セント) | [投票] |
★4 | 島やキャンプという閉鎖空間で、まして関係性が破綻した大人たちを前にすれば、サムとスージーの意志の純度はより増すのだ。その純度が接着剤となって関係性を再構築する。W・アンダーソンの定規で測ったような形式主義が「虚」を「実」に「魅せる」映画マジック。 (ぽんしゅう) | [投票(3)] |
★5 | 初期作にみられた毒やスノッブ臭さは薄まりつつも構図・色彩・カメラワーク・スロー等作家性は維持し、演出力自体も更に向上がなされていて、乗りに乗った無敵感さえ漂う。ウェス・アンダーソンは名実共に現代アメリカ映画を代表する監督に成熟した。一様なアップの撮り方に疑問を持つ部分もあるが、子供たちの顔つきが皆良いのでよしとしよう。 [review] (赤い戦車) | [投票(5)] |
★2 | 期待したほどの毒気も無ければ、作劇に型破りな要素も見当たらず。そうなると画作りの様式美もスケール感を削いでいるだけのように感じられてくる。豪華キャストを惜しむことなくムダ使いする心意気は買いたいが…やっぱりちょっと勿体ない。双眼鏡娘のただならぬ色気だけが収穫。 (緑雨) | [投票(1)] |
★5 | 潔癖すぎるまでの構図や美術を始めとした世界観、笑わない低温な人物群などがタチを思わせるが、境界超え寸前の猥雑なエロティシズムや狂気手前の偏執も混在してる。ミクロな世界で閉じてるかに見せつつ、実はマクロな世界の変容を暗示する。したたかだ。 (けにろん) | [投票(4)] |