★4 | 緩徐楽章が第1楽章に置かれた交響曲のような作りで、前半の淡々としたテンポがしだいに急速調子になる加減が上手い。すずが被弾したシーンなどはアニメならではできない表現なので深く感心した。声高に「反戦」を連呼せず、気の利いたユーモアの挿入がそれをもっと効果的に伝えている。 (ジェリー) | [投票(2)] |
★4 | やっぱり、本作において最も重要な色彩は白色なんだろうな、と、つらつら思いました。思いつくまま、白い色をあげてみます。白いタンポポ。タンポポの綿毛。白鷺。白鷺の羽。波間の白うさぎ。白粉、白粉をふった、すずの顔。雲。アイスクリーム。包帯。砂糖。白米。 [review] (ゑぎ) | [投票(14)] |
★4 | 評判のアニメを満席の劇場で見る。淡々とした女性の半世紀。平和な日常が描かれる。そこに忍び寄る戦争という影が静かに彼女を怯えさせてゆく。そして実家の原子爆弾による壊滅。それでも彼女は静かにその運命をかみしめ生きてゆくのだった。
[review] (セント) | [投票(4)] |
★4 | オープニング。舟の場面でののんの語り、街の賑わいとクリスマスソングで完全にもってかれる。完全に。 [review] (pinkblue) | [投票(2)] |
★4 | 突然は毎日の普通の中で現れ、突然が普通になる普通の繰り返し。
号泣にならなくって本当にほっとした。バリアフリーを求める映画館で観てよかった。 [review] (動物園のクマ) | [投票(5)] |
★4 | いつもボォーとした夢想少女すずの、半径数メートルで起きる「世界の片隅」の細部を描き連ねることで、戦時下という特殊な状況に過剰に感情移入することなく私たち鑑賞者も、いつしか彼女とともに日常という「あたりまえ」が生み出す幸福へと導かれ同化していく。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(9)] |
★5 | 自分の心を映し出す「鏡」のような作品。この領域に踏み込めたアニメはほとんど存在しない。 [review] (甘崎庵) | [投票] |
★5 | 世界の片隅に咲いたタンポポの物語。私たちは地続きの場所に居る。 [review] (ペペロンチーノ) | [投票(6)] |
★4 | 地方における「銃後」の生活に通底する緊張感と鬱積を描いている点で、個人的には『美しい夏キリシマ』に通じるものを感じたのだが、本作では悲劇が現実のものとなる様が痛切に描かれる。空襲、不発弾、そしてキノコ雲。 [review] (緑雨) | [投票(5)] |
★4 | 難事を彼女は従容と受け入れるがその確執は時代の細緻な描写が担保する。郊外都市の戦時下を描いたリアリズムが新しい。真昼間の畑での日常はあっけないほど瞬時に非日常に蹂躙される。一旦スイッチが入った途端熾烈な内面を剥きだす片渕のマグマの発露。 (けにろん) | [投票(4)] |
★4 | アウシュビッツの後で詩が書けなくなるすず、聖女チェチリアの境地に至る。 [review] (寒山拾得) | [投票(11)] |