★4 | 主旨主義的観客による過大評価と、作品が叩きつける露骨な主旨の強さに目を曇らされまいとするあまり、却って映画の豊かさを享け損ねた視聴覚主義的観客による過小評価に引き裂かれ続けてきたケン・ローチのフィルモグラフィにあって、これは(少なくとも私にとって)『ケス』に次いで重要重大な映画だ。 [review] (3819695) | [投票(5)] |
★3 | 行政の対応、その描写は、アイロニカルな視点で貫かれていて、そういった内容に意味を感じる、共感する観客が多いのはよく分かる。悲惨な話なのに全体に優しい眼差しに感じられる、ブレイクの人柄がにじみ出る、といった演出基調も好ましく思える。 [review] (ゑぎ) | [投票(1)] |
★4 | 19世紀に始まった資本家と労働者という左右の対立軸は、イデオロギー闘争の終焉とともに希薄化され、21世紀の今、合理性というとりあえずの正論のもと、国家と市民という上下の合意軸を模索して、波間の喫水線のように揺れ動く。血のかよった政策や制度って・・ [review] (ぽんしゅう) | [投票(4)] |
★5 | 迷走するシステムの狭間で窒息しかける当たり前の尊厳。声を上げない慣らされた我々にローチは声を上げようと言う。食糧配給所のシーン。彼女がいきなり缶詰を開けて貪り食う。奇矯な行為だが、それを奇矯と感じさせない真実と共感を映画は内包している。 (けにろん) | [投票(8)] |
★4 | ケン・ローチの不条理(マヌケ)行政もの。まだ撮らんならんのかいと静かに怒っている。 [review] (寒山拾得) | [投票(5)] |