★5 | 展開の起伏が、一般的な起承転結とはおよそ異なる。視点は高く凝視は深い。夫婦を襲った辛い現実とその克服、サスペンス映画の緊張感を漂わせる母親を名乗る人物の登場、そして、前日譚へ。人間が抱える重い課題が鮮やかに展開されていき、希望の可能性が最後に示される。涙なしに鑑賞できないコーダ。浅田美代子の神がかったような演技に目を見張る。 (ジェリー) | [投票(2)] |
★3 | 逆光を取入れた画面が多い。だが、本作の逆光は、かなり明確に、幸福を象徴している。例えば、最初に強く意識させられるのが、永作博美と井浦新が、「ベビーバトン」のセミナーに参加するシーン。 [review] (ゑぎ) | [投票(1)] |
★4 | 河瀬作品はメジャーでは安定した映像が見られる。恐らくいつもより抑えているのであろうと思う。だから登場人物の心理に比重がかかるように持って行く。 [review] (セント) | [投票(2)] |
★4 | 諦めていた“もの”を手に入れた者と、手に入れた“もの”を失う者。互いの「幸福」という道理の末に生じた心情の移ろいが“風と光と海”の揺らぎをモチーフに綴られる。引き継がれた“もの”とは「幸福」ではなく、境遇を超えた共通の「思い」だという気づき。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★5 | 子を受け入れることに向かい理解と慈しみを深める夫婦と子を手放すことで瓦解していく少女。各々の物語は分断され関係性に捉われない。だが両者は交わり破綻へ向かう。未来への希望など見出せる訳がない。なのに河瀬は隘路をぬって光明を呈示してみせた。 (けにろん) | [投票(2)] |