★3 | 各国語が入り乱れる船上での会話の内容が魅力的。それだけにあの幕の引き方には疑問が残る。[シャンテ・シネ1/SRD] (Yasu) | [投票] |
★4 | 確かに物語の刺激は結末部に集中している。しかし画面の刺激は全篇にわたって横溢しており、「字幕を追う」ことではなくもっぱら「画面を視る」ことに視覚を費やす観客にとっては退屈を覚えている暇など一瞬もありはしない。一言で云えばショットの強度が高いということだが。 [review] (3819695) | [投票(4)] |
★5 | モノトーンな母娘の地中海クルーズ遺跡巡りの合間に順次登場する欧州3大年増が、いきなり主旋律に転換する作劇に面食らうも、その圧倒的迫力とマルコヴィッチの腹芸に参る。しかも、急転直下な終盤のいい加減さに確かに喰えん爺いだと納得。 (けにろん) | [投票(4)] |
★4 | わけが分からんけどおもろい作品でした。いや、分かるんだけれども、ヨーロッパ文明や9.11といった言葉を出した途端に、オリヴェイラがにやりと笑って「お前の負けだ」と言ってきそうな何かが本作にはある。斜光撮影の美しさ(正面からの光は1カットも無い)を堪能し、船室から出て人形取りに戻ってもう一度甲板へ出るまでの簡潔な反復が全き映画。 (赤い戦車) | [投票] |
★4 | 地中海をめぐりつつ女達が紡ぐ文化史がどこまでも西欧至上主義的でいささか鼻につくことなど、当然マノエル・デ・オリヴェイラ監督は折込済みで、その複眼的に見えて実は単眼でしかない世界観に自戒の念を込めたかのように引かれる幕は圧巻であった。 (ぽんしゅう) | [投票(6)] |
★4 | 「すっげえ前フリの長いブニュエル」という印象。私的にはかなりのトンデモ映画です。 [review] (太陽と戦慄) | [投票(2)] |
★4 | 子供の時分、夏休みに田舎の親の実家で遠くから響いてくる蝉しぐれにでも耳を傾けているかの如き、そんな時間が流れる。陰り、霞がかった空と海と街。画面に歴史が映っている。波間にしっかり揺れている客船。幕切れには、現実としての惨劇というより、映画としての痛快さを見てしまった。 (鷂) | [投票(1)] |
★4 | 観光案内的な形でいながら映画であり続ける離れ業。それは、舳がかき分ける白波や、この世に唯一とり残されたような海上の船など、個々のショットの力にも拠るが、延々と続く歴史解説が、常に誰かの口から語られる事も重要。これは「聴く」事に寄り添う映画。 [review] (煽尼采) | [投票(3)] |