★3 | 悪童というより、愚童だね。殴り合ったり、絶食したり。子どもらしい愚かしさであるとは言えるが。 [review] (G31) | [投票(1)] |
★3 | 原作がほとんど文体の戦略でもって成り立ったような小説だけに、小説はいかに映画化されるべきかという昔ながらの問題が一入に顕在的だ。要するに、人物や風景が実在感を伴って表象されるのは映画の主要な武器だが、創意工夫もなしに小説『悪童日記』にそれを適用するのは果たして賢明の策だったろうか。 [review] (3819695) | [投票(4)] |
★4 | ナチ支配下の東欧で状況を見つめる双子の冷視線は否応なく『ブリキの太鼓』のトリックスター少年オスカルを連想させるが、言うほど弾ける訳でもない。真摯な作風は原作への遠慮の裏返しとも言え、それは映画としてどうなのかとも思う。毒のブローアップ不足。 (けにろん) | [投票(2)] |
★3 | 現実の浸食を拒む自衛心が、非情な意志に育つまでの話。これを歪んだ成長とは呼べまい。双子は置かれた環境のなか、忠実に母の「強くなれ」という教えを守っただけで、歪んでいるのは世界の方なのだ。少年の面構えと、乾いた陰影を映すC・ベルガーの撮影に戦慄。 (ぽんしゅう) | [投票(2)] |