「チャップリン」(システム既定POV)の映画ファンのコメント
メイド・イン・ホンコン(1997/香港) |
150年に及ぶアイデンティティ存立の揺らぎが歓喜でも悲観でもなくモラトリアムな浮遊感覚でしか認識されぬことが、その20年前の日米欧の能天気な終末観に近似することで優れて自覚的に遅れてきた映画足り得ている。その遅れこそが不可逆的な価値を為す。 (けにろん) | [投票(1)] | |
無駄肉のない逆三角なサム・リーの精悍な両肌の若者らしさ、その体勢の前後への傾斜のチンピラ加減が映画のキモとしてこれ以上ないピースとして輝く。死せる乙女の肖像に憑りつかれ夜ごと繰り返される夢精(自慰ならぬ夢精!)。深いフォーカスで見せる狭く薄暗いビル回廊と遍在する生活音ノイズが香港の街の空間=空気を言外に浮かびあがらせる。それを呼吸する人物の息衝く息遣いさえつたわってくるかの如き「青春」の映画。 (鷂) | [投票(1)] |