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「映画芸術ワーストワン一覧」(寒山拾得)の映画ファンのコメント

上海バンスキング(1988/日) 空気人形(2009/日) ホワイトアウト(2000/日) サンダカン八番娼館 望郷(1974/日) 静かな生活(1995/日) 日本のいちばん長い日(2015/日) 乱(1985/日) あいつ(1991/日) 四十七人の刺客(1994/日) キネマの天地(1986/日) 落陽(1992/日) マルサの女2(1988/日) 海峡(1982/日) 世界の中心で、愛をさけぶ(2004/日) お吟さま(1978/日) HANA-BI(1997/日) ステキな金縛り(2010/日) 楢山節考(1983/日) 竹取物語(1987/日) 衝動殺人 息子よ(1979/日) 東京家族(2012/日) おくりびと(2008/日) パラサイト・イヴ(1997/日) 北の岬(1976/日) 希望の国(2012/日=英=香港) 青春の門(1975/日) スーパーの女(1996/日) 千年の恋 ひかる源氏物語(2001/日) ホタル(2001/日) 鉄道員〈ぽっぽや〉(1999/日) 影武者(1980/日) 駅 STATION(1981/日) あげまん(1990/日) 人間の証明(1977/日) 怒り(2016/日) そこのみにて光輝く(2013/日) ゲド戦記(2006/日) 大日本人(2007/日) スパイ・ゾルゲ(2003/日) 告白(2010/日) ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日) 学校(1993/日) オルゴール(1989/日)が好きな人ファンを表示する

ぽんしゅうのコメント************

★5空気人形(2009/日)人形が心を持ち人間になる話しだど思っていた。違っていた。人形は人間のような「もの」になるだけだ。そして、人間のような「者」たちの狭間で嬉々として、生に憧れ、愛を模索する。「されること」と「してあげること」。燃えないゴミと、燃えるゴミの交歓が切ない。 [review][投票(13)]
★3ホワイトアウト(2000/日)織田裕二と松嶋菜々子の確執。中村嘉葎雄の孤独。佐藤浩市の諦観。吹越満の怨念。アクション映画だからこそ、そういった個々の思いをもっと丁寧に、そして的確に描かないと話の軸が成立しない。ありがちな、ただの大作ダイジェスト映画。 [投票(1)]
★4サンダカン八番娼館 望郷(1974/日)田中絹代高橋洋子の輝き。あばら屋に新しく敷かれたゴザの上で飛び跳ね、幼女のように頬ずりする老女の輝き。娼婦ではなく、女として自分を選んだ男との一夜を過ごす少女の輝き。一瞬見えるその女の輝きを、私は美しくかつ高貴だと思う。 [投票(6)]
★3日本のいちばん長い日(2015/日)何と言っても一番の成果は中嶋しゅう怪演の東条英樹。そして、最大の失敗はこの男にヒールを背負わせ切れなかったこと。むろん東条ひとりを悪者にするには異論もあろうが、戦争を体制側から娯楽として「面白く」描くには、やはり図抜けた「狂気」が必要なのだ。 [review][投票(2)]
★3乱(1985/日)圧倒的なスケール感のもと、人物を名称や色彩によって記号化し、人間の欲や業を視覚的にあぶり出すという企てだろうが、その物量は時代遅れのハリウッド大作のようで古臭い。終盤の「神も仏も」の迷解説も老いてますます説教臭い。救いは原田美枝子と井川比佐志。[投票(2)]
★3四十七人の刺客(1994/日)職人・市川監督のカッティング技で、語り尽くされた題材でもあきさせずに見せてくれる。でも、それだけ・・・[投票(1)]
★3キネマの天地(1986/日)肝心のシンデレラ役(有森也実)が、可愛くはあっても華がなく映画の魅力が半減。それに比べて、蒲田伝説の逸話の方が数倍魅力的。中でも岸部一徳の小津は秀逸で、笠智衆の雑役爺さんには涙がにじむ。面白くはないが、楽しい作品ではある。[投票(3)]
★3マルサの女2(1988/日)内偵捜査中の前半はめっぽう面白いのだが、いざマルサが正面対決で始動しだしたとたんに緊張感が失速する。正義の女が話しの軸からはずれて、カラカラと音を立てて空回りしている。伊丹十三宮本信子も、あるべき過剰さの一線を踏み越えてしまった。[投票(1)]
★3世界の中心で、愛をさけぶ(2004/日)心の動きが瞬時に身のこなしとして体現する長澤まさみ森山未來のパートが素晴らしく、柴咲コウのパートがなければ青春映画の秀作と成り得たが、元が純粋泣き物仕様なのだから仕方なし。行定勲が何とか画だけで作品の水準をもたせた。[投票(7)]
★4HANA-BI(1997/日)画面はかなりのスピード感で進行するのだが、話しは心理的な拘束から抜け出せず遅々として進まない。このまどろっこしさが、過剰でもあり、心地よくもある不思議。いずれにせよ親友や夫婦の関係性に、北野の「虚無」を見るのはあまりにも壮絶過ぎて痛々しい。 [投票(1)]
★3楢山節考(1983/日)人間の生と性が決して特権的なものではない、という警告には深く同意する。しかし、動物や昆虫を繰り返し挿入しても映画的緊張感は分断されるだけで、そこからは何も見えてこない。恐ろしく単純なミス。[投票(4)]
★2衝動殺人 息子よ(1979/日)真摯ではあるのだが、その思いの描き方があまりにも単眼的一方通行で押し付けがましいことこの上ない。誘導的なカメラとカティング、鬱陶しい音楽、これ見よがしな芝居。これは映画そのものか、あるいは観客を信用できなくなった映画人が陥る最悪の墓穴だ。 [投票(3)]
★4東京家族(2012/日)「東京物語」が価値の大転換のなか過去との決別の時代(昭和28年)に人生の寂寥を描いた喪失の映画なら、本作は自信と希望を見失った暗く長いトンネルのような平成の世に、微かな光明を見い出す蘇生の物語だ。50余年の時空を超えて「今」を捕え直す巧みな翻案。 [review][投票(5)]
★4おくりびと(2008/日)遺体をはさんで、その厳かな儀式を為すすべもなく凝視する親族たち。やがて、彼らの、そして我々観客たちの胸にじんわり込み上げてくる静謐な感動。それは、死を目の当たりにし、一旦、止まってしまった時の流れが、再び動き始めた感慨と安堵感が生み出す感動だ。 [review][投票(6)]
★3希望の国(2012/日=英=香港)希望と絶望が共存する。当然だ。福島で起きている現実に整理がついた者など、まだどこにもいないのだから。・・・「愛があるから大丈夫」・・・何が、どう、大丈夫なのだろう。誰にも分らない。分るのは、それを考え続けることから我々は逃れられないということ。 [review][投票(4)]
★3青春の門(1975/日)大正から昭和の敗戦へ至る裏産業史に、タエ(吉永)という「女」を軸に光が当てられる分、重蔵や竜五郎から信介へと受け継がれる「男」物語が薄れ、関根を経由して朝鮮戦争と日本国家という命題が抱える男根主義の苦悩が浮く。新人大竹しのぶの非凡ぶりは圧巻。[投票]
★3スーパーの女(1996/日)リアルといえばそうかも知れないが、あまりにも映画的な夢がなさ過ぎる。宮本さんの気のないベッドシーンはその象徴。寒々しくて見ちゃいられない。[投票(4)]
★3鉄道員〈ぽっぽや〉(1999/日)寸分の隙さえ見せぬ木村大作の完璧な画作りに嘆息し、やせ我慢の男高倉健の驚異的な意固地が醸す郷愁に心ゆすられるのだが、ことさら人生や死を感情的華美に装飾し、感動を生むのではなく懸命に捏造せんとする原作のあざとい作為が受け入れがたい。[投票(1)]
★3影武者(1980/日)スケールにこだわったせいか、末期のハリウッド・スペクタクル映画程度の面白さしか無い。それで充分と言われないところが“巨匠”のつらいところ。[投票(2)]
★2駅 STATION(1981/日)前半の、妻、同僚、妹の各エピソードへの三上(高倉健)のからみ方があまりに情緒的なため、見る側が「出来事」としての価値を共有できず10数年に渡る男の年代記としての連続性が感じられない。結果「舟歌」パートのみが意味もなく突出して記憶に残る。[投票]
★2人間の証明(1977/日)松田優作ハナ肇が難しい顔してるわりには、事件はトントン拍子で勝手に解けていき、さんざん悲惨が語られるわりには岡田茉莉子には苦渋が臭わない。「麦藁帽子」の比喩も唐突で、いったい何が「人間の証明」なんだか分からない。 [投票(6)]
★4怒り(2016/日)怯えた目をした男は「信じてくれてありがとう」とはにかむ。伏し目がちな男は「信用されて嬉しいです」と伝言を托す。世間の上辺を彷徨う男は「俺を信じようとする奴がすぐに分かる」と挑発する。そして、裏切られた者の怒りは心の底深く内向し、ときに爆発する。 [review][投票(2)]
★4そこのみにて光輝く(2013/日)ずんぐりと弛緩した千夏(池脇)の体型から、どうしようもない生活の「重量」が垂れ流される。その重さを引き受けることで蘇生しようとする達夫(綾野)の目もまた澱み覚束ない。不完全な2人を包む光だからこそ神々しいまでに輝かなければならないという啓示。 [review][投票(6)]
★4大日本人(2007/日)伝統という過去からの連続性を断ち切られ、ありがた迷惑と化した宙ぶらりんの正義を生きる男の悲哀は、極めて政治的な意味をはらみながらまったく政治的に見えない。きっと、松本の生来の生真面目な無邪気さの結果だろう。これはこれで「今現在」に溢れた映画だ。 [review][投票(7)]
★2スパイ・ゾルゲ(2003/日)CGを書き割りに用いながら、その唯の背景にすら霞んでしまう篠田正浩の映画作りの脆弱さ。今更、共産主義ロマンチシズムを振りかざす時代錯誤的平和主義に、これまた墓場の底から呼び出されたジョン・レノンもさぞや迷惑なことだろう。ご苦労様でした。[投票(5)]
★5告白(2010/日)語られるのは女教師による「命の重さ」についての、いわば裏正論である。中島哲也は「裏」が持つ危うさや後ろめたさを、歯切れの良い快活な演出で巧妙にはぐらかし、立場や通念という感覚を麻痺させる。焙り出されるのは「裏」が「表」を凌駕する高揚と寂寥と錯覚。 [review][投票(12)]
★4ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日)克明に再現された昭和30年代初期の空気感なしに、この一歩間違えば陳腐の極みと成りかねない定型的エピソード群を、過剰さや媚びやてらいもなく終始心地良く描き続けることは不可能だった。時代と感情が生むシンプルで幸福な調和に成功した映画。[投票(10)]
★2学校(1993/日)[ネタバレ?(Y1:N4)] 「教育で大切なのは技術でなく人間だ」・・・ごもっとも。「卒業生がふらりと訪ねて来たときのために、ずっとこの学校にいたい」・・・あれあれ。「幸福とは学びたいという気持ちだ」・・・へぇ〜。よくもここまで価値を単純化できるものだ。怖いぐらいだ。[投票]