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「「仏教な映画」をご紹介します。」(Ikkyū)の映画ファンのコメント

競輪上人行状記(1963/日) 恋恋風塵(1987/台湾) 麦秋(1951/日) 浮雲(1955/日) インターステラー(2014/米) ブレードランナー(1982/米) ストーカー(1979/露) ルパン三世 ルパンVS複製人間(1978/日) 劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋(2008/日) シュトロツェクの不思議な旅(1977/独) ザ・デッド 「ダブリン市民」より(1987/米) 西鶴一代女(1952/日) アナと雪の女王(2013/米) 許されざる者(1992/米) グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997/米) 欲望(1966/英) 湖のランスロ(1974/仏=伊) その男、凶暴につき(1989/日) 悲情城市(1989/台湾) ラルジャン(1983/スイス=仏)が好きな人ファンを表示する

けにろんのコメント************

★5競輪上人行状記(1963/日)これを見れば西村ほどの才能がロマンポルノに身を埋めてしまったのが惜しまれる。今村的意匠は随所にあるが、的確且つ変態風味を滲ませた作風はオリジナル。そして、何かに到達するには人1人殺すほどじゃなければというサバケ方をこそ支持したい。[投票(3)]
★5恋恋風塵(1987/台湾)計算も多少はあるのだろうが清冽な映像は確かに見たことのない域に達している。ストーリーと直に連携しない風景(野外上映のスクリーンに代表される)のフレームの切り方が巧く、そういうカットが計算外に意味を醸し出すのは見物。[投票(5)]
★5麦秋(1951/日)ルーティーンから半歩外したキャストの仄かな新風も完膚なきまでの手法の絶対世界で牛耳られる快感。編集リズムの極致的快楽のみでも個人的には全き小津ベスト。豊穣な侘び世界は辛らつな寂びの詠嘆に連なる。その諦観は真に美しい。[投票(2)]
★4浮雲(1955/日)敗戦の荒廃と虚無の中、仏印→東京→屋久島と流されて行く2人の離反と吸着を繰り返しダメになっていく腐れ縁の遣る瀬無さが堪らない。中盤の伊香保温泉の煌きが誘う新たな地獄。投げやりな高峰秀子の表情が目に焼き付いている。終盤の道行きは圧巻。[投票(4)]
★4インターステラー(2014/米)尺を費やした親子の絆を水の惑星のエピソードでものの見事に断ち切る意外性は後段の未だ見ぬ地平への期待を弥増させるのだが、周回しての落し所はそこかという万人の安心ラインが失望だ。絵面は多少『オブリビオン』との近似を感じるが壮大な荒涼感が良い。[投票(5)]
★5ブレードランナー(1982/米)精緻な未来造形と主人公のハードボイルドな内省文体とレプリカントのアイデンティティへの哲学的憧憬。3者の完璧な統制の奇跡的な蓋然性。未だ神話領域にいたスコットの達成した偉業。『シャイニング』未使用フィルムの使い廻しがもたらす映画史的符丁。[投票(5)]
★2ストーカー(1979/露)設定で大ハッタリをカマしタルコフスキー本人も解ってるのか疑わしい形而上的言説で見る者を高踏的に蹂躙しようとする。そう言ういかがわしい姿勢は支持したいが、如何せん「ゾーン」の造形がちんけで根っこから転けてる。大概にしてんかと思う。[投票(1)]
★4ザ・デッド 「ダブリン市民」より(1987/米)雪降りしきる屋外と対照される屋内の料理と人いきれの暖かさに目頭が熱くなる慎ましやかな一夜のアイルランド小話。そういう世界では起動した悔恨や嫉妬さえも悠久の時間軸に包まれてゆく。善意と謝意と幾ばくかの諦念でヒューストンが吐露した辞世の句。[投票]
★3西鶴一代女(1952/日)墜ちゆく女の人生の幾つかの局面を櫛団子方式でつなぐ脚本は目まぐるしい展開力で飽きはこないのだが大局的な奔流は零れ落ちる。栄華の時期は華が欠け悲嘆の時代は徒に自虐的な田中絹代の演技。明確なポリシー欠く演出と撮影もそれ程のものとは思えない。[投票(1)]
★5許されざる者(1992/米)ワイオミングの曇天下、嬲り倒されるハリスに重なるE・クック・Jr。酒場の仰角構図も『シェーン』を想起させる。20年の歳月を経て銀幕上で対峙したハリーとポパイ。イーストウッドが映画史の担い手たる自覚下で達した境地は唯一無二の高潔さ。[投票(1)]
★3グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997/米)請負仕事を無難にこなすこれが本当にガス・ヴァン・サントの映画なのかと思った。天才という設定は気が利いてるが捻りなくプレーンすぎる展開と手法のオーソドキシー。なので主人公の悩みは皆目心に届いて来ない。エスコフィエの撮影は深みがある。[投票(1)]
★4欲望(1966/英)写真の片隅に何かが写っているというモチーフがサスペンスの常套から逸脱し不条理に浸食され始める。深遠な何かを呈示しているとも思えぬが、それが夢か現かの白日の陽光と非現実的な美しいカラーのもとで起こる語り口の冴え。[投票(1)]
★4その男、凶暴につき(1989/日)通行人が巻き添えで撃たれるところが『フレンチ・コネクション』を想起させる以外は、快感をもたらす映画的カッティングのリズムから遠く隔たった地平で孤絶した厭世感を叩きつける。孤独な作業を全うしたたけしの妥協なきクールネスこそが格好良いのだ。[投票(7)]
★4悲情城市(1989/台湾)評価が決定的になった侯孝賢が己れの手法に絡め取られたような窮屈さを感じる。同じ構図で再三出てくる坂道のクドさや、いかにもオリエンタル情緒な立川直樹の過剰音楽がうざい。『恋恋風塵』と相似とは言え4男絡みの挿話の詩情は素晴らしい。[投票(1)]