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「ブルーリボン賞助演男優賞 受賞者一覧」(寒山拾得)の映画ファンのコメント

凶悪(2013/日) 田園に死す(1974/日) 孤狼の血(2018/日) 松ヶ根乱射事件(2006/日) 鰯雲(1958/日) 泥棒役者(2017/日) 聖の青春(2016/日) 日本のいちばん長い日(2015/日) 紙の月(2014/日) かぞくのくに(2012/日) あしたのジョー(2011/日) アウトレイジ(2010/日) ディア・ドクター(2009/日) アフタースクール(2008/日) ゆれる(2006/日) 血と骨(2004/日) 二百三高地(1980/日) マークスの山(1995/日) 御法度(1999/日) 赤い殺意(1964/日) 勲章(1954/日) 死んでもいい(1992/日) キネマの天地(1986/日) あれが港の灯だ(1961/日) 不毛地帯(1976/日) 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982/日) 麻雀放浪記(1984/日) あ・うん(1989/日) ラヂオの時間(1997/日) ゲロッパ!(2003/日) HANA-BI(1997/日) 復讐するは我にあり(1979/日) ここに泉あり(1955/日) まあだだよ(1993/日) 事件(1978/日) 模倣犯(2002/日) わが心の銀河鉄道 宮沢賢治(1996/日) 我が家は楽し(1951/日) 五番町夕霧樓(1963/日) 笛吹川(1960/日) GO(2001/日) マノン(1981/日) 台風騒動記(1956/日) 祇園囃子(1953/日) 居酒屋兆治(1983/日) にあんちゃん(1959/日) スリ(2000/日) おかあさん(1952/日) 男はつらいよ 知床慕情(1987/日) 湖の琴(1966/日) 息子(1991/日) 気違い部落(1957/日) ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日) 集団左遷(1994/日) 兵隊やくざ(1965/日) 悪魔の手毬唄(1977/日) さらば愛しのやくざ(1990/日) 夜叉(1985/日) 忍びの者(1962/日) 異人たちとの夏(1988/日)が好きな人ファンを表示する

ぽんしゅうのコメント************

★3凶悪(2013/日)いかにして人は他人の死を望むようになるか、という死刑の是非まで視野にいれたテーマ性を持ちながら、いまひとつ心に響くものがない。ピエール瀧リリー・フランキーの蛮行はめっぽう面白いのに、観客側に被虐待者としての恐怖心が起きないのが原因。[投票(5)]
★5田園に死す(1974/日)演劇の舞台装置、すなわち架空の構造物と色彩による空間の一回性と、映画の特質、すなわち時間コントロールによる時の多層化、そして短歌、すなわち古典的の固定様式性。以上が奇跡的に融合した傑作。突如、雛段飾りが流れてきた時には、私は完全に居場所を失った。[投票(7)]
★4孤狼の血(2018/日)ヤクザだ、悪徳警官だ、東映だと喧伝するので『県警対組織暴力』を期待したが。まあしかたない。役所の暴走、江口の男気、真木の女気、石橋の狡猾、竹野内の千葉ちゃん、音尾の真珠、滝藤のギョロ目。北野武の「この野郎!バカ野郎!」とは違う正統派の怒号に浸る心地よさ。 [review][投票(4)]
★4松ヶ根乱射事件(2006/日)かつての日本では、この物語は地方の土着性の問題として語られていた。だが、バブル経済崩壊後のこの国には最早それは存在しない。人間の欲望は土着という拠りどころを失い浮遊する。だから山下敦弘らが描く倦怠と焦燥は、暴力と非暴力の狭間に置き去られる。 [review][投票(10)]
★3鰯雲(1958/日)「姑と息子をかかえる戦争未亡人の農婦」と「元地主の娘で女学校卒のインテリ婦人」。確かに、この振幅を演じるのは至難ではある。八重は前者のなかに後者が漂う女であるべきなのだが、淡島千景は終始後者なのに前者の境遇の女であった。混乱する悲哀と希望。[投票]
★3日本のいちばん長い日(2015/日)何と言っても一番の成果は中嶋しゅう怪演の東条英樹。そして、最大の失敗はこの男にヒールを背負わせ切れなかったこと。むろん東条ひとりを悪者にするには異論もあろうが、戦争を体制側から娯楽として「面白く」描くには、やはり図抜けた「狂気」が必要なのだ。 [review][投票(2)]
★4紙の月(2014/日)お金がどこからきて、どこへいくのかを知りたいと世間の原理に従順な女(小林聡美)は言う。自分は行くべきところに行くだけだとも。一方、世間の事象を引き受けようとする梨花(宮沢りえ)は、少女時代からお金は誰のものでもないということに薄々気づいていたのだ。 [review][投票(3)]
★4かぞくのくに(2012/日)劇映画としての演出はいささか未熟で粗削りだが、逆に作者のむき出しの私念がヒリヒリとストレートに伝わってくる。国家と制度のまえに、戸惑い苦悩する者たちの「寡黙」と「絶句」と「沈黙」。その奥に秘められた絶望的悲しみ。まさに私小説ならぬ私(噴)映画。 [review][投票(5)]
★2アウトレイジ(2010/日)筋は脆弱、輪をかけてセリフが貧弱。この脚本軽視ぶりは、娯楽映画に対する認識の甘さか、それともおごりか。エンターテインメントを志向するのであれば、自分が面白いと思う事象ではなく、客がそう感じる話しを撮るべきだという当然のことが無視されている。 [review][投票(10)]
★5ディア・ドクター(2009/日)精緻に組み立てられた脚本と、力みや強引さを感じさせない滑らかな語り口。観客に何を見せれば、カメラに写らないものまでもが伝わるかという取捨選択の巧みさ。愛嬌があって、どこか悲しげな中年男笑福亭鶴瓶の実存感もまた、この真摯な虚構話しを補強する。 [review][投票(4)]
★3アフタースクール(2008/日)前作に比べてキャラクターの明確化と物語の意味づけが濃くなっている分、逆にその掘り下げ方に物足りなさを感じてしまうのも事実だが、映画として抜群に面白いことに間違いはない。内田けんじは、「純粋娯楽映画」という新分野を開拓しているのではないか。 [review][投票(4)]
★5ゆれる(2006/日)状況を揺るがす簡潔で鋭利なセリフと、香川照之オダギリジョーの切迫感に満ちた演技が、善意と悪意、寛容と狡猾、憧れと妬みという人間が併せ持つ感情の垣根を揺さぶり続ける。幻想やサイコ全盛の中、久々に真正面から心の闇をえぐる力作サスペンスだ。 [review][投票(9)]
★4血と骨(2004/日)「知力」が尊ばれ「愛」が魅力と見なされる現代社会の風潮の中で、人は「腕力」を一段低くみなし「金」の力を蔑む。しかし、度を越せば四つの力はいずれも「暴力」に成り得る。生きることへの過剰な思いが俊平(ビートたけし)という怪物を生んだ。 [review][投票(9)]
★2二百三高地(1980/日)難攻不落を強調するために、丘に這いつくばり傷ついていく兵士の大群が繰り返し、しかも延々と描かれるわけだが、サスペンスはゼロで時間の無駄。あおい輝彦ら兵士の逸話も通俗。乃木(仲代達矢)と児玉(丹波哲郎)の葛藤劇に多少の魅力があるだけ。[投票]
★3マークスの山(1995/日)長大な原作から「理屈が理性を超えて犯す犯罪と、本能が理性を壊して犯す犯罪」、そして「職業刑事としての自尊心と、手柄を奪い合う矮小な競争心」の2点に話を絞り込んだのは成功。惜しむらくは「山」の扱いに、もう少し映画的な工夫を見たかった。[投票(2)]
★4御法度(1999/日)心のさざ波。見せる者、見せぬ者。見える者、見えぬ者。錯綜するナルシズム。[投票(1)]
★3赤い殺意(1964/日)家の脇を機関車が爆走する。女は最後まで自分の意志で、それに乗る事はない。矮小な西村晃と身勝手な露口茂の負の力に押しつぶされ、搾り出されるように無自覚な女が目覚める。春川ますみの何とも鈍重で歯切れの悪い覚醒が愛おしい。 [投票(2)]
★4死んでもいい(1992/日)意思を持たない女の魅力は魔力にもなりうる。名美は言う「ここにじっとしていれば今日が明日になって、そして明後日になって・・必ずどうにかなるものでしょ、世の中って・・・」。そんな女をどうにかしようと、ふたりの男がもがき苦しむ。 [投票(2)]
★3キネマの天地(1986/日)肝心のシンデレラ役(有森也実)が、可愛くはあっても華がなく映画の魅力が半減。それに比べて、蒲田伝説の逸話の方が数倍魅力的。中でも岸部一徳の小津は秀逸で、笠智衆の雑役爺さんには涙がにじむ。面白くはないが、楽しい作品ではある。[投票(3)]
★3不毛地帯(1976/日)いかに勝つかしか学んでこなかった男が活路を見い出した先は、規律ならぬ欲望への忠誠度が尺度の戦場。制服を脱ごうが着続けようが、戦後の日本に彼らの正当な居場所はもうないのだ。飛び交う砲弾の下を生き抜きながら、札束乱舞する利権抗争に散る男たちの哀れ。[投票]
★3男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982/日)話の組み立てや吉岡秀隆になって俄然展開力の増した満男のウエイトアップで新たなパターンを探る山田洋次。一番の成果あるいは誤算は、マドンナ(いしだあゆみ)の薄幸を境遇ではなく性格に設定した点。丹後での一夜は、それなりに切なく印象的。[投票(1)]
★3麻雀放浪記(1984/日)画にしろ、音にしろ、動きにしろ、細部にこだわり過ぎたあまり、ドラマの構築という最も大切な部分が未完成。加賀まりこ大竹しのぶの女パートが空回りして、男パートに絡まないから話が薄っぺらく見えてしまう。[投票(4)]
★3ラヂオの時間(1997/日)こじんまりと、小奇麗にまとまり過ぎ。映画の面白さってこういう事じゃないと思う。[投票(1)]
★3ゲロッパ!(2003/日)井筒喜劇も洗練度が増し、西田敏行の場を心得たオトボケも安心して笑える。しかし、「手堅さ」というのは時として誉め言葉にならず、パワー面での物足りなさを感じてしまうのも事実。そんな中、ひときは異才を放つ太田琴音ちゃんの能面ギャグ。[投票(6)]
★4HANA-BI(1997/日)画面はかなりのスピード感で進行するのだが、話しは心理的な拘束から抜け出せず遅々として進まない。このまどろっこしさが、過剰でもあり、心地よくもある不思議。いずれにせよ親友や夫婦の関係性に、北野の「虚無」を見るのはあまりにも壮絶過ぎて痛々しい。 [投票(1)]
★5復讐するは我にあり(1979/日)殺しながら生きる男(緒方)が吸い寄せられるようにたどり着く、まさにドン詰まりの宿の母娘(清川・小川)の閉塞感。情欲を封じられた男(三国)と女(倍賞)の視線が発散するエロス。今村と姫田によって、映画に重層的かつ濃密に人間の業が塗り込まれている。 [投票(3)]
★2まあだだよ(1993/日)「いいか!お前ら。尊敬とはこうやってカタチにして表すものだ。もっと俺にもかまってくれよ!」という、黒澤の悲痛な思いが映画から滲み出している。老いて渋く枯れることもなく、過ぎた栄光に浸るシワだらけの幼児。やだやだ。こんなジジイにはなりたくない![投票(1)]
★4事件(1978/日)事件の隠匿者である当事者と、探る側の裁判官、検事、判事、そして真相の点を結ぶ証人者たちの三群を等距離で描くことで、いたって作劇的でありながらリアリティを失うことなく、人の意地が意志に達するまでの強さと、ある種の不気味さがあぶりだされている。[投票(2)]
★4笛吹川(1960/日)「川の向う側」に翻弄される人生。災被は遥か彼方の世界で起こり、そして時折死の知らせとして「川のこちら側」にやってくる。ある日気付くと幼児とともに死の世界にいる老婆。それは「海の向う側」の戦争に弄ばれた日本人たちの想いと二重写しに描かれる。[投票(2)]
★5GO(2001/日)爆発・黙考・喜び・不安・悲壮・混乱・反抗。心と行動の振幅が疾走感とともに見事にスクリーン上に展開される。非凡な映像センスとは、こういう事をいうのだろう。キレのいい脚本構成も見逃せない。 [review][投票(33)]
★4台風騒動記(1956/日)田舎議会の出鱈目さはみごとにニッポン土着社会の縮図の様相を呈し、“こうゆう奴、いる、いる”感満載のミニ・ハマコーみたいな三島雅夫の町会議員が笑わせてくれる。山本薩夫の生真面目な破綻なき笑を、生真面目に楽しむ正統的戦後民主主義コメディ。[投票(1)]
★5祇園囃子(1953/日)矜持=「自分の能力を信じて抱く誇り」。“女”の誇りと“祇園の女”の誇りの深い裂け目。その底を垣間見てベテラン舞妓(木暮美千代)も、少女舞妓(若尾文子)も苦悩する。溝口建二宮川一夫の視点はサディスティックでさえある。[投票(5)]
★4居酒屋兆治(1983/日)伊丹十三の悪口三昧に高倉健がブチ切れて、見かねた池部良と一緒に殴り込みをかけるのかと・・・建さん、師匠(東野英治郎)や恩師(大滝秀治)にも義理堅いし、これ『昭和残侠伝』かと・・・。メリハリを保ち情に流されない大野靖子の脚本がいい。[投票(1)]
★4にあんちゃん(1959/日)イタリアのネオリアリズムからさらに湿気を取り去ったようなタッチが明るさと力強さを生み並みのプロレタリア映画と一線を隔している。人間の持つ生命力を肯定的にとらえる今村昌平の描く貧困はどこまでも活力に溢れ逞しく、そして優しい。[投票(1)]
★5スリ(2000/日)原田も石橋も風吹も良い歳のとり方をしている。伊佐山ひろ子真野きりなの間に、意図されたものではないにしろ、かつての伊佐山と一条さゆりの関係が見てとれて思わずニヤリとしてしまった。[投票]
★4おかあさん(1952/日)ここで描かれる母とは、生命を産み出す源である全ての女を指している。敗戦により荒廃し生気を無くした男社会に再び活力を与えることができるのは女だけであるという母性崇拝。女さえ元気であれば物事は「やがて始まる」という成瀬と水木洋子の確信を感じる。[投票(1)]
★4男はつらいよ 知床慕情(1987/日)あの三船と渥美がひとつの画面の中に存在するというだけで、強烈な個性がぶつかり合い何ともアンバランスな映画的陶酔が沸き起こる。その「無骨」と「流暢」の間へ割ってはいる淡路恵子の枯れた色香がまたたまらない。興奮せずにはいられない。[投票(3)]
★3息子(1991/日)都会で暮らそうが、田舎で暮らそうが、家族に囲まれようが、ひとりだろうが、安堵感7割と不安感3割ぐらいの心のバランスのとき一番充実するのかな・・生真面目で行儀の良い映画。[投票]
★4ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日)克明に再現された昭和30年代初期の空気感なしに、この一歩間違えば陳腐の極みと成りかねない定型的エピソード群を、過剰さや媚びやてらいもなく終始心地良く描き続けることは不可能だった。時代と感情が生むシンプルで幸福な調和に成功した映画。[投票(10)]
★3集団左遷(1994/日)世のため人のためなどという大義があるわけでなし、生活や組織防衛のために、あるいは責任という名の自己の満足のために身を粉にして働いてしまう男達の姿には、爽やかさや共感を超えた自虐的切迫感を感じる。野沢尚の最期を知ってしまった今はなおさら。[投票(1)]
★4兵隊やくざ(1965/日)階級と暴力が支配する組織の中に、じっと身を潜める有田(田村高廣)は、男社会の馬鹿馬鹿しさを冷めた目で見つめる女のメタファーなのだ。だから大宮(勝新太郎)との間に母子のような空気が漂い、映画全体を痛快さではなくあやしさが支配する。[投票(7)]
★4悪魔の手毬唄(1977/日)磯川警部(若山富三郎)が魅せられたのは、可憐なドジオバサン・りかちゃん(岸恵子)の奔放さだったのか、隠された一途さだったのか。20年間思い続けた、たそがれオヤジの純情が心にしみるのであります。[投票(3)]
★4忍びの者(1962/日)恐るべし百地三太夫(伊藤雄之助)の怪演ぶり。あきれる信長(城健三郎)の快復ぶり。ふたりの怪物に挟まれた市川雷蔵藤村志保カップルの清廉なこと。山本薩夫のアクション演出も快調。[投票(1)]
★4異人たちとの夏(1988/日)かつて、どん詰まり野郎が特権のごとく振りかざした暴力が、完全に否定されてしまった現代社会において、男が現実から逃避できる先は、同じ匂いを放つどん詰まり女のもと。そして、無垢の愛情で受け入れてくれる父母のもと。なんとあやうくやっかいな性、男性。[投票(3)]