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「わたしの愛した丸顔女優たち」(寒山拾得)の映画ファンのコメント

雀(1926/米) 村八分(1953/日) 北陸代理戦争(1976/日) ロケーション(1984/日) “BLOW THE NIGHT!” 夜をぶっとばせ(1983/日) 巨星ジーグフェルド(1936/米) 樋口一葉(1939/日) 人妻集団暴行致死事件(1978/日) 男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971/日) トラック野郎・爆走一番星(1975/日) 如何なる星の下に(1962/日) 紐育の波止場(1928/米) 夏の庭 The Friends(1994/日) 風花(2000/日) 太陽の下の18歳(1962/伊) 風流温泉日記(1958/日) 恋人たちは濡れた(1973/日) 人も歩けば(1960/日) すべてが狂ってる(1960/日) にせ刑事(1967/日) 日本の熱い日々 謀殺・下山事件(1981/日) 愛のきずな(1969/日) わが町(1956/日) 無法松の一生(1943/日) 散歩する霊柩車(1964/日) ツィゴイネルワイゼン(1980/日) 沙羅の門(1964/日) 台所太平記(1963/日) ピンク・フラミンゴ(1972/米) 醜女の深情(1914/米) 我輩はカモである(1933/米) 好色元禄(秘)物語(1975/日) 三文役者(2000/日) 秀子の車掌さん(1941/日) 喜劇 女は度胸(1969/日) もず(1961/日) 猫と庄造と二人のをんな(1956/日) お加代の覚悟(1939/日) 長屋紳士録(1947/日) 奥様に知らすべからず(1937/日) 稲妻(1952/日) 米(1957/日) 驟雨(1956/日) 自由学校(1951/日) キクとイサム(1959/日) 東京物語(1953/日) 湯殿山麓呪い村(1984/日) 白い家の少女(1976/カナダ=米=仏) 萌の朱雀(1997/日) ひまわり娘(1953/日) 恋人たち(1959/仏) 鞄を持った女(1961/伊) 純喫茶磯辺(2008/日) 男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(1977/日) 台風クラブ(1984/日) 野獣の青春(1963/日) 女囚さそり 701号怨み節(1973/日) 早春(1970/英=独) 酒とバラの日々(1962/米) アンネの日記(1959/米) 制服の処女(1931/独) 捜索者(1956/米) らせん階段(1946/米) 素晴らしき哉、人生!(1946/米) レベッカ(1940/米) 獣人(1938/仏) 真昼の決闘(1952/米) 北北西に進路を取れ(1959/米) 鴛鴦歌合戦(1939/日) トラック野郎 故郷特急便(1979/日) ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985/日) 女地獄 森は濡れた(1973/日) 石中先生行状記(1950/日) サザエさん(1956/日) ひと夏の秘密(1979/日) 白昼の無頼漢(1961/日) サード(1978/日) 宇能鴻一郎の濡れて立つ(1976/日) 独立愚連隊(1959/日) 天使のはらわた 赤い教室(1979/日) ウンベルト・D(1952/伊) バッファロー’66(1998/米) ゴダールのマリア(1984/英=スイス=仏) ひと夏の体験 青い珊瑚礁(1981/日) どぶ(1954/日) 大虐殺(1960/日) 骨までしゃぶる(1966/日) 愛と死をみつめて(1964/日) 越後つついし親不知(1964/日) 非常線の女(1933/日) トラック野郎 御意見無用(1975/日) 血槍富士(1955/日) 大菩薩峠・第2部(1958/日) 億万長者(1954/日) 月曜日のユカ(1964/日) 日本の悲劇(1953/日) 千曲川絶唱(1967/日) 河内カルメン(1966/日) 犬神家の一族(1976/日) 男はつらいよ 奮闘篇(1971/日) Wの悲劇(1984/日) 女中ッ子(1955/日) BU・SU(1987/日) ハナ子さん(1943/日) 危いことなら銭になる(1962/日) 暗くなるまで待って(1967/米) 東京の宿(1935/日) その夜の妻(1930/日) 港の日本娘(1933/日) 風船(1956/日) にっぽんぱらだいす(1964/日) 死者との結婚(1960/日) 若者は行く −続若者たち−(1969/日) 男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972/日) 雪の断章 情熱(1985/日) 徳川いれずみ師 責め地獄(1969/日) 弥太郎笠(1960/日) 天使のはらわた 赤い淫画(1981/日) 痴漢通勤バス(1985/日) 黒薔薇昇天(1975/日) 姉妹(1955/日) フレンチ・カンカン(1955/仏) 七人の刑事 終着駅の女(1965/日) ニッポン無責任時代(1962/日) 吹けよ春風(1953/日) 悪太郎(1963/日) 伊豆の踊子(1960/日) 人間に賭けるな(1964/日) キートンのマイホーム(1920/米) 毒薬と老嬢(1944/米) ウェンディ&ルーシー(2008/米) 動くな、死ね、甦れ!(1989/露) 硝子のジョニー・野獣のように見えて(1962/日) 西陣の姉妹(1952/日) まわり道(1975/独) ほえる犬は噛まない(2000/韓国) めぞん一刻(1986/日) 舞妓と暗殺者(1963/日) 座頭市喧嘩旅(1963/日) 有りがたうさん(1936/日) フォロー・ミー(1972/英) 勝手にしやがれ(1959/仏) 危険な曲り角(1958/仏) 血とバラ(1960/仏=伊) 戦争と平和(1968/露) デッド・エンド(1937/米) ル・ミリオン(1931/仏) サンライズ(1927/米) 夏の夜は三たび微笑む(1955/スウェーデン) 鳥(1963/米) 情事(1960/伊) 或る夜の出来事(1934/米) 輪舞(1950/仏) カビリアの夜(1957/伊) 尼僧ヨアンナ(1961/ポーランド) 港々に女あり(1928/米) 散り行く花(1919/米) アパートの鍵貸します(1960/米) ミルドレッド・ピアース(1945/米) 鉄道員(1956/伊)が好きな人ファンを表示する

ゑぎのコメント************

★5雀(1926/米)これは大傑作だ。こんなに手に汗握る冒険映画は今では全く作られていない。心底ハラハラした。掛け値無しで面白い。ちょっと信じがたいほど面白い。このような映画が現在作られていないのは映画人が皆映画製作に命をかけていないからだ。[投票]
★4北陸代理戦争(1976/日)エンディングは充分にシリーズ化を期待させる余韻を残したもので、シリーズ化されなかったことが残念ではあるのだが、しかしこの曖昧な終わり方が今となってはこの映画の突出した魅力を高めている。 [review][投票(2)]
★5ロケーション(1984/日)これも恐るべき傑作だ。アヴァンタイトルは浜辺の撮影風景。波際を走るスリップ姿の女。このワンカット目から瞠目だ。映画が走り出す、とはこのことだ。 [review][投票(2)]
★4樋口一葉(1939/日)蓮のある池のショットでクレジット。とても綺麗なレタリングだと思った。クレジットの時点で既に丁寧な仕事だと感じさせる。冒頭の雨のシーンもいい。ぬかるんだ道を歩く下駄と着物の裾で、二人の女性が別々に歩いていることを示す。 [review][投票]
★4如何なる星の下に(1962/日)面白い!豊田四郎で一番好きかも知れない。水面が揺れるショットにクレジット(エンディングも同じような水面)。川を左にパンしながら「こんな汚い水になっちまって。昔は白魚もいた」というような山本富士子のモノローグが入る。 [review][投票]
★5紐育の波止場(1928/米)本作でも緩やかなディゾルブによる情感創出は比類ないものがある。これはサイレント映画の到達点だ。正真正銘の大傑作。 [review][投票(1)]
★4夏の庭 The Friends(1994/日)ラスト近くの淡島千景へのディレクションでノックアウト! [review][投票(1)]
★4風花(2000/日)北海道に拘った彼の遺作が北海道を舞台にした映画でこのパワーダウンはハッキリ云って失望する部分もあるが、今はただ日本映画界からこれだけの演出力が失われたことが残念でならない。 [review][投票(2)]
★4恋人たちは濡れた(1973/日)走る自転車の車輪のカットから始まる。乗っているのは大江徹。荷台にフィルム缶を積んでいる。海辺。海岸の道。自転車が横転して転がるフィルム缶。回転運動の連打。道に尾を引くようにフィルムが繰り出される。 [review][投票(1)]
★3人も歩けば(1960/日)まず、フランキー堺による冒頭ナレーションが素晴らしい!こゝが全編でも一番良い部分かも知れない、と云うと、ちょっと寂しい物言いになるが、それぐらい、つかみとしては上々だ。 [review][投票(1)]
★4すべてが狂ってる(1960/日)これは聞きしに勝る傑作。冒頭、交差点の真ん中に禰津良子中川姿子を立たせて会話をさせるカットで既に瞠目。全編に亘って映画を作る喜びが溢れている。 [review][投票(1)]
★4わが町(1956/日)後半になるほど良い。辰巳柳太郎が爺さんになってからの台詞回しが素晴らしい。 [review][投票(2)]
★5無法松の一生(1943/日)この映画においても、宮川一夫のカメラの存在抜きに語り得ない。 [review][投票(7)]
★3沙羅の門(1964/日)白い花がいっぱい咲いているショット。花はタイトルにある沙羅の花。平家物語の冒頭(2文目)で出て来る花だ。寺の門のそばに咲いている。水辺の風景は琵琶湖。後のシーンで、寺の場所は大津市和邇(わに)と分かる。 [review][投票]
★3ピンク・フラミンゴ(1972/米)形式もしっかりしていて好感が持てる部分もあるのだが、何か物足りなさを感じた。過剰さではなく物足りなさ。それは、決定的にこのカメラワークの品のなさに起因するのだと思う。被写体に品が無いなんてことを云っているのではありません。カメラワークの落ち着き無さが私の好みじゃない、ということ。[投票(1)]
★3秀子の車掌さん(1941/日)もう成瀬だろうと誰だろうとどうでもよいと思えてくる。芳紀17歳の高峰秀子の輝くばかりの愛らしさをスクリーンで見ることができる喜びこそ映画の至福だ。 [review][投票(1)]
★5喜劇 女は度胸(1969/日)森崎東の処女作は矢張り処女作らしく非常に瑞々しい、しかし破壊のエネルギーが爆発する傑作だ。 [review][投票(1)]
★3もず(1961/日)これはちょっと泣きすぎだ。ここまで泣かすことは無い。せっかくの冷え冷えとしたドラマが台無しだ。渋谷実の演出も水木洋子の科白も凄い。しかしこう泣かれると私には駄目だ。女性が泣かない部分のディティールでは、シナリオも演出も厳しすぎる程厳しく圧倒される。[投票]
★4猫と庄造と二人のをんな(1956/日)タイトルには「二人のをんな」とあるが、庄造(森繁久彌)にからむ女は先妻山田五十鈴、後妻香川京子だけでなく、その母親浪花千栄子も含めて考えた方が良いだろう。この三女優が三人とも実に良い。山田五十鈴の終始鬼のような表情も凄いし、浪花千栄子の狡猾ぶりも素晴らしいが、中でも香川京子が一番の儲け役。 [review][投票(5)]
★4長屋紳士録(1947/日)飯田蝶子の圧倒的な素晴らしさ。その睨んだ顔の怖いこと。劇中、吉川満子から「あんたは土佐だもん。ブルも入っているけど」と評されるがそんな形容じゃ足りない足りない。般若と云ったほうがシックリくるくらい。また茅ヶ崎の浜辺のシーンで子供から逃げるために走る飯田蝶子も実にいい。 [review][投票(7)]
★4稲妻(1952/日)これも成瀬巳喜男らしく広げたプロットを全て広げっぱなしで閉じてしまい、問題が何も解決されない映画なのだが不思議と幸福感がある。中盤からはずっとニヤケっぱなしで見てしまった。まず、高峰秀子がどのシーンもとても可愛いので嬉しくなるが、ただ、本作の肝は母親役の浦辺粂子だ。彼女があの奇跡的な稲妻のカットを導く。 [review][投票(8)]
★4驟雨(1956/日)驟雨のシーンは冒頭に1回くるだけか。このシーンの佐野周二の視線の動きから照明の変化へとつながる演出には驚かされた。しかし、このシーンの前にも原節子の視線の移動で佐野周二の立ち位置の変化を鮮やかに示し、かつ観客にちょっとした戸惑いを覚えさせる演出がある。[投票(3)]
★4自由学校(1951/日)小さなアバン・タイトル。佐分利信が「自由か..」みたいな独り言を云い、俯いて歩き出す。その足。次いで、屋外の高峰三枝子のバストショット。こちらは、キリっとした表情だ。この二人の対比に続いて、大磯の浜辺を横移動する画面に、クレジットが流れる。 [review][投票(1)]
★3萌の朱雀(1997/日)16ミリフィルムのブローアップの質感。家屋の中の、ゆったりとしたドリー移動。逆光。斜面に建った家。その家屋(居間)の中に置いたカメラから、縁側の向こうに緑の山を映した画面が美しい。 [review][投票(2)]
★4鞄を持った女(1961/伊)冒頭のカルディナーレ登場から続く道路のシーンも印象深いが、最もグッと来たのは彼女が邸宅へやってきて家の前でジャック・ペランと会話する夜のシーンだ。なんという繊細なフィルムの手触り。ズルリーニの演出は実に端整かつスリリングだ。風呂上りのカルディナーレが階段を降りてくるシーンやラスト近くの浜辺のシーンもいい。[投票(1)]
★3台風クラブ(1984/日)公開時大きな期待を持って見たが、期待が大き過ぎたのか、相米演出の中では失敗作だ、という印象を持っている。『雪の断章』の方がずっと豊かだと思う。巻頭の、夜のプール・サイドのシーンの疾走感が持続しなきゃダメだ。 [review][投票(1)]
★3女囚さそり 701号怨み節(1973/日)監督が長谷部安春に交代したシリーズ四作目。教会。車が乗り付ける。細川俊之土方弘が降りて来る。彼らは刑事。教会の結婚式会場に警察が踏み込むシーン。 [review][投票(1)]
★5早春(1970/英=独)確かにスコリモフスキの最高作という声もうなづける、とても楽しく、瑞々しい映画だ。特記しておきたいシーン、シーケンスは沢山あり過ぎて困るぐらいだが、まずは、最初の客として登場するダイアナ・ドースが過剰で笑ってしまった。 [review][投票(3)]
★5捜索者(1956/米)ビスタサイズで撮られた映画の最高作、と言ったのはマーティン・スコセッシだが、私が見た西部劇の最高作はこれ。映画史上の真の最高傑作、と言われても不思議ではない映画的興奮度満点の「画面と音」の映画。 [review][投票(9)]
★4らせん階段(1946/米)冒頭シーン。ホテルで無声映画の上映会が行われており、一見してD・W・グリフィスだと分かる。(IMDbで調べると『The Sands of Dee』という映画。)その後、ホテルの階上の部屋で足を引きずる女へディゾルブするのだが、もうこの処理だけでゾクゾクしてしまう。 [review][投票(2)]
★5素晴らしき哉、人生!(1946/米)この映画は格が違うね。ちょっと納得できない演出も沢山あるが、多くの人がベストに上げることはようく納得できる。 [review][投票(8)]
★4レベッカ(1940/米)「『嵐ヶ丘』を作ったのは私です。ワイラーは監督しただけですよ」と云ったのはサミュエル・ゴールドウィンだが、『レベッカ』もやっぱりセルズニックの映画だろう。 [review][投票(2)]
★4獣人(1938/仏)これは紛れもなくフィルム・ノワールだ。機関車のシーンはことごとく見事な迫力。助役の部屋の窓や巴里の逢い引き場所の窓から見える操車場もいい。また、小舟に乗って体を拭く女性と線路脇で絡むシーンの官能性よ。そしてこの映画のハイライトは夜の操車場のシーンだろう。[投票]
★2真昼の決闘(1952/米)やたら時計のカットが出てきて興ざめ。主人公はクーパーじゃなくて時計じゃないか。 [review][投票(5)]
★5鴛鴦歌合戦(1939/日)なんて楽しい映画だろう。もう可愛くて可愛くて仕方がない宝物のような映画。長屋の前に数え切れないくらい広げられた日傘のカットを見た瞬間から「これが映画だよなぁ」って思う。市川春代の全ての所作と台詞(殆ど悪態)が、とてもとても気持ちいい! [投票(8)]
★3独立愚連隊(1959/日)ファーストカットが寝そべる佐藤充のカット。馬に飛び降りてタイトルというアバン・タイトルの圧倒的な格好良さ! [review][投票]
★4天使のはらわた 赤い教室(1979/日)蟹江敬三水原ゆう紀が出会って最初に入る旅館のシーン。窓外のライティングで時間経過を表現する。それも夕陽から日没、ネオンの灯りまでと凝っていて映画人の気骨を感じ嬉しくなる。 [review][投票(1)]
★3ウンベルト・D(1952/伊)主人公の名前はウンベルト・D・フェラーリ。犬を連れた男。通りの俯瞰から始まる。年金の値上げを要求するデモ行進の男たち。警察が来て逃げるシーン。この映画、まずは、町のロケーションやアパート等の装置がとても機能的に描かれている。 [review][投票(1)]
★4バッファロー’66(1998/米)悪くない。それは、大部分、クリスチーナ・リッチの独創性の拠っている。ただし彼女の扱いに関する限り、男性側の視点で作られた都合のいいファンタジーのような気がしてしまうのも確か。 [review][投票(8)]
★4ゴダールのマリア(1984/英=スイス=仏)「マリアの本」(28分)と「こんにちは、マリア」(72分)の二作品をまとめられたバージョンで見る(本邦では、ほとんど皆さんそうなんですけど)。私は、いずれもが甲乙つけがたい美しい映画だと思う。 [review][投票]
★4骨までしゃぶる(1966/日)これも本当に全編ローアングルなのだが、話の運び、或いは繋ぎがスムーズで違和感がなく、アングルが気にならない(ひっかからない)のだ。そういう意味で絶好調の加藤泰と云えるだろう。 [review][投票]
★3愛と死をみつめて(1964/日)この臭い演出を唾棄すべきだと思う反面、涙を抑えきれない自分がいる。とにかく当時の吉永小百合の顔を隠蔽して行くという企画がいい。包帯で顔面が覆われた画面は矢張り胸を打つ。吉永と同室に笠置シズ子ミヤコ蝶々北林谷栄がいるというのも凄い。宇野重吉もいい役だ。小道具としてフェニックスの鉢植えが忘れがたい。[投票(3)]
★5非常線の女(1933/日)これは掛け値なしの傑作。全カットが驚くべき美しさだ。サイレント期の小津にとってルックの完成という意味での代表作は他の作品になるだろうが、しかし本作の視点の快さは抜きん出ている。ヴァンプ役としての田中絹代の違和感など取るに足りない瑣末なことだ。 [review][投票(3)]
★4億万長者(1954/日)冒頭、タイトル表示と見紛う大きさで「日本新名所」と文字が出、続いて「数寄屋橋」「小菅刑務所」「赤坂料亭」「羽田空港」のワンシーンが挿入される。 [review][投票]
★4月曜日のユカ(1964/日)中平康がノリにノッていた頃で、同時期に『泥だらけの純情』(1963)や『黒い賭博師』(1965)といったカラーの代表作も生まれているのだが、しかし、矢張りモノクロの本作が中平康の最高作かも知れない。スピーディで目まぐるしい画面作り、でも、しっかりと考えられていて唸らされる、という場面の連続だ。 [review][投票(1)]
★4日本の悲劇(1953/日)ニュース映像を多用したメッセージ性の「うざったさ」や桂木洋子田浦正巳が導く作り過ぎの悲劇性を非難したくなる。しかし木下恵介の渾身の気合が感じられる力のある映画だ。特に無音の回想シーンには息を呑む。木下は時折このような映画の呼吸を現出させるから侮れない。高橋貞二高杉早苗もヒリヒリした雰囲気を良く出している。[投票]
★4河内カルメン(1966/日)鈴木清順らしいケレンみのある遊んだ演出がある中で吃驚するくらいオーソドックスかつダイナミックな画面造型が共存している。 [review][投票(3)]
★4男はつらいよ 奮闘篇(1971/日)本作のマドンナ・花子−榊原るみのイノセンスは反則技と云っても過言でない堪らなさなのだが、しかしこゝでも映画を背負って立つ真のヒロインはさくら−倍賞千恵子と云うべきだろう。ラストシーケンス、倍賞が乗るバス内から窓外を見せる演出には全く舌を巻く。本当に見事だ。また田中邦衛もいい味を出している。[投票(3)]
★3Wの悲劇(1984/日)少々失望した。素敵なシーンはあるけれど出来損ないのシーンも沢山ある。別に完璧を求めている訳じゃないが澤井信一郎には大いになる期待があった。とは云え三田佳子の演技は心底凄いし、薬師丸もまあ頑張っている。この二人の見せ場をバッチリ決める演出も日本映画にあってはちょっと突出した図太さなのだが。[投票(1)]
★3女中ッ子(1955/日)実を云うと見るまでは(しかも中盤までは)、左幸子がタイトルロールの「女中ッ子」だとばかり思っていた。「鍵っ子」とか「メガネっ子」とかと同様の用法の言葉なのだろうと。女中が天職のような子とか。 [review][投票]
★3ハナ子さん(1943/日)クレジットの前に「撃ちてし止まむ」と出る。銃後の模範的(?)明朗生活を謳った国策映画。登場人物が皆異様に能天気で明るいミュージカル映画でもある。 [review][投票(2)]
★3危いことなら銭になる(1962/日)黒バックに札が舞うタイトルバック。誰があなたを殺すのかしら〜という女性(マーサ三宅なのか!)の歌。こゝからもうふざけているのだが、全編ふざけた魅力に溢れた映画だ。 [review][投票(2)]
★4東京の宿(1935/日)悲惨な状況を明るく笑い飛ばす図太さも小津の真骨頂。やはり前半の野原の場面がいい。このような広い空間における人物のアクション繋ぎも小津のハードボイルド性を際立たせる。特に岡田嘉子が野原を横切って登場するカットのさりげなさにはもう唸ってしまった。まるで『孤独な場所で』のグロリア・グレアム登場カットのようだ。[投票(1)]
★4その夜の妻(1930/日)この時期の小津は、カメラワークでは移動撮影の演出家だ。また、ローアングルの志向性は多少感じることもできるが、屋内シーンにおけるこのレベルのローアングルは、至極当り前のものだ。 [review][投票]
★4港の日本娘(1933/日)1938年に26歳で亡くなった及川道子の出演作は、今では多くを見ることができないので、そういう意味で、本作が残されていることは映画の幸福と思う。エンディングも横浜港の場面で、彼女がタイトルを実装する。 [review][投票]
★3風船(1956/日)これは、芦川いづみの映画かも知れない。頭が足りなさそうで、一番賢い。北原三枝の迫力。まとわりつく二本柳寛の嫌らしさ。それに比べて新珠三千代は出番は多いが深刻そうで良くない。左幸子はかすんでしまっている。[投票(2)]
★4にっぽんぱらだいす(1964/日)前田陽一の処女作。この映画はちょっと甘いが大好きだ。溝口健二赤線地帯』や田坂具隆五番町夕霧楼』と比べてもこの『にっぽんぱらだいす』の方が愛着がある。なにしろ、香山美子の「お腹すいちゃった」には参った。[投票(1)]
★4男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972/日)八千草薫が橋の欄干を手で撫でる告白シーンは稲垣浩版『宮本武蔵』(1954)のお通役、花田橋のシーンを想起させる。年月を経ても純真無垢な美しさは殆どそのままだ。また本作でも物語とは関係のないエピソードとして田中絹代が登場し映画を豊かにする。田中絹代の科白まわしの味わい深さ。寅と二人でお墓参りするシーンの夕景が美しい。[投票(2)]
★4雪の断章 情熱(1985/日)この頃の相米には圧倒的なパワーがあった。この画面の緊張感には只ならぬものがある。大林宣彦『姉妹坂』との2本立てで見たが、演出力の差とは恐ろしいものだとつくづく思った。ストーリ的破綻なんてどうでもいい。冒頭の長回し(18シーン・ワンカット!)のパラノイア的こだわり!あらゆる雪を描き分ける作家的野心! [投票(4)]
★4徳川いれずみ師 責め地獄(1969/日)傑作。本作の倫理観には感動する。ま、そんなことよりも、かなり沢山の女性の裸が見られる有り難い作品だ、ということを先に書くべきだろう。題材的に、もうほとんどのシーンで、女性たちが胸をさらけ出している。 [review][投票(1)]
★4弥太郎笠(1960/日)中村錦之助丘さとみ主演の東映版セルフリメイク。1952年版(鶴田浩二岸恵子、新東宝版)に比べると、洗練された部分もあるが、全体にスケールが小さく感じられる。しかし、男女の機微の演出はやっぱり素晴らしい。 [review][投票(1)]
★4天使のはらわた 赤い淫画(1981/日)二人の出会いは『タクシー・ドライバー』を想起させた。延々と走るシーンの緊張感などなかなかのものだ。しかし突出しているのはあの感動的なマスターベーションのシーンだろう。泉じゅんは感動的だ。[投票]
★3黒薔薇昇天(1975/日)映画製作を舞台とする映画の系譜。岸田森が監督。高橋明がカメラマンで、庄司三郎が照明係。冒頭は、ホテルの部屋の窓から撮った海。 [review][投票]
★5フレンチ・カンカン(1955/仏)2020年末、35ミリフィルム上映で、再見する機会に恵まれた。これは間違いなく人類の至宝だ。人類史上最高の映画監督はルノワールだと思えて来る。 [review][投票(2)]
★4ウェンディ&ルーシー(2008/米)犬のルーシーと車(ホンダのアコード)で旅をするウェンディ−ミシェル・ウィリアムズの漂流。終始突き放した視線で、その孤独感、欠落感、喪失感、寂寥感、空虚感などなどが描かれるのだが、思いの外彼女に絡む登場人物は多い(ほとんど皆ワンシーンだけの絡み方だが)。 [review][投票(1)]
★5動くな、死ね、甦れ!(1989/露)スーチャン収容所のシーンは、どのシーンにおいても登場人物が怒鳴りあっているという印象で、これほど人物が怒鳴りあう映画はちょっと思い出せないくらいだ。ワレルカとガリーヤの会話も常に怒声。ワレルカと母もそう。母に横恋慕する青年が唄う鼻歌(?)のなんと暴力的な響き! [review][投票(4)]
★3硝子のジョニー・野獣のように見えて(1962/日)海。左へパンして浜辺。女たちがワカメを浜にあげている。中にワカメで遊ぶ芦川いづみがいる。そこへ、アイ・ジョージがやって来て、パンツ一丁になって海へ入る。 [review][投票]
★3西陣の姉妹(1952/日)吉村公三郎新藤兼人宮川一夫伊福部昭というスタッフ陣を考えると嫌が上でも期待してしまうのだが、勿論とんでもなく酷いという訳ではないが今一つバランスの悪い出来だ。 [review][投票]
★3ほえる犬は噛まない(2000/韓国)全般にゆったりとした移動撮影が心地よい。しかし、細かなテクニックは駆使していて、事務所を掃除するペ・ドゥナを、ディゾルブのジャンプカットで繋ぐ、なんてのもあるが、一番驚いたのは、 [review][投票(1)]
★2めぞん一刻(1986/日)澤井信一郎の演出もここでは完全に計算が狂っている。そしてキャラクターはいっこうに狂ってこない。一番の原因はキャスティングが安易過ぎるからだろう。 [review][投票(3)]
★5有りがたうさん(1936/日)これも「終わらなければいい」と思いながら見る映画だ。本当にオンリー・ワンの映画ではないか。本作に似た映画が思い浮かばない、いやこのような演出をどうやれば創出することが出来るのだろう。短いディゾルブとフェードでどんどんカットを繋いでいくこのリズム感と幸福感の創造は空前絶後だ。 [review][投票(7)]
★4勝手にしやがれ(1959/仏)一見出来損ないに見えるカット繋ぎと見事に洗練された演出の混在。ジャンプカット自体は今や何ら珍しくない技法となったが、この映画は今見ても新鮮な驚きに満ちている。「映画」とはとりもなおさず「活劇」だ。ゴダールの活劇性はこの処女作から煌めいている。活劇性がいまだに我々を驚かす。[投票]
★5サンライズ(1927/米)これはサイレントの一つの到達点といっていい素晴らしさだ。お話はいたって単純なのだが、技巧(オーバー・ラップ)を駆使した丹念な描写と目を見張る光のスペクタキュラーで冒頭からラストに至るまで目が離せない。掛け値無しの傑作。[投票(2)]
★5鳥(1963/米)最も映画らしい映画は何か?と問われたならば、私は迷わずヒッチコックの『』と答えるだろう。映画には物語などこれっぽっちも必要じゃない。映画のエッセンスは画面だ。ガソリンスタンド炎上シーンに挿入される大俯瞰ショット(カモメが一羽また一羽とフレームインする)は映画史上最高の視点移動。これこそ映画だ。[投票(16)]
★4或る夜の出来事(1934/米)ここでのキャプラの演出は実にきめ細かい。コテージの雨、窓、川を渡るシーンの川面の光、忘れられない美しい撮影が随所にある。 [review][投票(2)]
★5輪舞(1950/仏)ダニエル・ダリューの美しさが光り輝くばかりだが、他の女優陣も皆素晴らしい。シニョレの退廃もシモンの小間使い姿もジョワイユのコケットもミランダの妖艶もそれぞれに匂い立つような、それでいて洗練さを合わせ持った美しさがある。 [review][投票(1)]
★5港々に女あり(1928/米)あゝなんて幸福な映画だろう。特に主人公の水夫・ヴィクター・マクラグレンが中米(パナマか)のシーンでロバート・アームストロングに出会ってから、ラストまで愉快な関係性の描写に溢れている。 [review][投票(3)]
★3アパートの鍵貸します(1960/米)まず、トローネルの装置が良いと思う。よく見ると現実離れしたスペクタキュラーな造型でありながら画面から浮いてしまう瀬戸際のところで主張するバランス感覚が絶妙なのだ。レモンのオフィスの偉容な風景。ベンチが並ぶ夜の公園の美しいが不思議な空間造型。そして、ワイルダーの演出は私には大したものだと思えない。[投票(3)]
★3ミルドレッド・ピアース(1945/米)まず、アーネスト・ホーラーのモノクロ撮影が見事。屋内の影の扱いがいい。天井が映っているカットも多く見ごたえがある。また、場面繋ぎが素早いディゾルブを多用していて面白い。『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』なんかでも見せたマイケル・カーティスらしさだ。 [review][投票]
★3鉄道員(1956/伊)クリスマスの映画。ある年のクリスマスの夜に始まり、ほゞ翌年のクリスマスの夜までのお話だ(エピローグとしてその後の描写が少しだけあるが)。 [review][投票(1)]