ホドロフスキーのサイコマジック (2019/仏)
Psychomagie, un art pour guérir
Psychomagic, An Art That Heals
あらすじ | 往年の碩学、ジーグムント・フロイトはかつて精神の不思議を解き明かし、人々を懊悩より救うべく「精神分析学」を誕生させた。だが惜しむらくは、それは机上の科学でしかなく、人々のトラウマを発見する手立てにはなってもそこより救うことは不可能だった。それを凌駕する最良の技術が、癒しの芸術としてアレハンドロ・ホドロフスキーによって生み出された「サイコマジック」だ。サイコマジックは分析の前に行動を行なう。『エル・トポ』や『ファンドとリス』などの聖典に刻まれた啓示をもとに、主唱者ホドロフスキーは被験者を行動させ、そこから肉体への干渉をもって治癒へと導くのだ。果たして主唱者は聖者かペテン師か?〔100分〕
(水那岐) | [投票] |
★4 | 2018年パリと字幕が出て、ホドロフスキーが現れ、紫の小さな花の前で喋る美しいカット。最初の兄弟と母親とのセラピーの場面。マイナーなBGMも良く、演じられている(というか目の当たりする)光景、所作の数々、それ自体が面白くて思わずニヤけてしまう。 [review] (ゑぎ) | [投票(1)] |
★4 | 安っぽい新興宗教の頭目のように、ホドロフスキーは患者たちに嬉々として自慢の治療を繰り返し、自己の無謬を訴える。しかし、その作品群をなぞる肉体的治癒の方法論の怪しさは故意のものであろう。胡散臭い教祖も、難病の治癒を讃えさせるグロテスクさすら圧制者のいかがわしさに勝ることを知っている。これは国家への大いなる皮肉だ。民衆に寄り添う顔でその思想の芽を摘む者こそが「聖者」だ。 (水那岐) | [投票(1)] |
★3 | 善き詐欺師ホドロフスキーの演出大全。生肉散布、南瓜粉砕、身体着色。サイコマジックは総じてお片付けが大変だ。「汚す」「散らかす」は概して文明人が厭う行為ゆえ癒しの糸口もある。などと云えば一理ありげに聞こえるが、同時に映画的演出でもある。こうも集成すると類型化の趨向が気遣わしくあれど。 (3819695) | [投票(2)] |
★3 | 連打される治療(というか儀式)がどれも“いかにも”なイメージで、大仰な音楽と即物的な演出にクスクス笑いをこらえるのが大変だった。ところで作中で提唱される言葉ではなく「触れること」と「行動すること」による精神の解放、ってアンチ映画ってことですよね。
[review] (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
5点 | 0人 | |
4点 | 2人 | ** |
3点 | 2人 | ** |
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計 | 4人 | 平均 ★3.5(* = 1) |
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