★4 | 屋根裏部屋のマリアたち(2010/仏) | 1960年代のパリのアパルトマン。証券会社社長ジャン・ルイ(ファブリス・ルキーニ)はここに妻のシュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)と居をかまえ、母の代からの家政婦ジェルメーヌ(ミシェル・グレイゼル)に家事を任せていたが、シュザンヌのわがままが彼女を怒らせ、辞職に追い込んでしまった。新たな家政婦に、スペイン系のマリア(ナタリア・ベルベケ)が選ばれたのは間もなくのことだ。先代の苦手だったゆで卵を上手にゆで、家事一般を器用にこなすマリアに、ジャン・ルイはすっかり惚れ込んでしまった。マリアを通じて、この近辺の屋根裏に住むスペイン家政婦たちを知ったジャン・ルイは、妻とのトラブルを境に彼女らと暮らし始める。〔106分〕 | [投票] |
★3 | ピナ・バウシュ 夢の教室(2010/独) | 世界的名声を一身に受けながら他界した、不世出の舞踏振付け家ピナ・バウシュ。彼女はその求める舞踏のカタチを最大限に表現するヴッパタール舞踊団をもち、それを使っての演技を世界で披露してきたのだが、一方で65歳以上の老人に作品を提供するなどの実験精神を抱えていた。その新しい試みが、彼女の名声を知らない少年少女による代表作『コンタクトホーフ』の上演である。このフィルムは、バウシュの古き盟友であるベネディクテ・ビルエット、ヨゼフィーネ・アン・エンディコットを指導監督役にすえ、世界の舞踏家たちの垂涎の的ともいえる『コンタクトホーフ』の完全上演へ若者たちをみちびく過程を追うものである。〔89分/HD〕
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★3 | オレンジと太陽(2010/英=豪) | イギリス、1986年。ソーシャルワーカーのハンフリーズ(エミリー・ワトソン)は、養子経験者のサポートを行なっていた。ある日彼女の前に現われた女性、シャーロット(フェデレイ・ホームズ)は、「自分の出生と母の所在を知りたい」と訴えてくる。それだけではなく、サポートをしているニッキー(ロレイン・アシュボーン)のもとに突然訪れた見知らぬ「弟」、ジャック(ヒューゴ・ウィーヴィング)の話を聞いたハンフリーズは、幼い頃ジャックとシャーロットが、船でイギリスからオーストラリアに送られたという共通点を見い出す。「児童移民」がかつて国の政策で行なわれたことを知った彼女は、犠牲者たちの声を無視できず調査に乗り出した。〔106分/スコープ〕 | [投票] |
★2 | 二人の世界(1966/日) | 日本行き客船のデッキで、新聞記者の川瀬(二谷英明)はフィリピン人旅行者ヴァルガを名乗る男に声をかけた。君は日本人・北条(石原裕次郎)ではないのかと…。だが、男は言葉を濁して行きずりの女・玲子(浅丘ルリ子)とのひとときのダンスに没入するのだった。お互いに過去を語らずに愛を深める二人だったが、翌日、男は別れを告げるメッセージとともに長崎で下船する。川瀬は玲子に、北条は冤罪で殺人犯の嫌疑をかけられ、三日後の時効を待つ身である男だと語り、ともにその行方を追った。帰国した北条は時効を待つのをよしとせず、恩人のギター弾き・三宅(浜村純)を訪ね、真犯人を知る証人の所在を訊く。しかし、三宅の返事は冷たかった。〔91分/スコープ〕 | [投票] |
★4 | ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略(2012/日) | チューダー帝国とミッドランド王国の合戦さなか、剣士ガッツ(岩永洋昭)は諍いを続けていた女剣士キャスカ(行成とあ)の危機を救い、彼女と和解する。彼等の猛攻と、「鷹の団」の総大将グリフィス(櫻井孝宏)の知略をもって、みごと難攻不落といわれた要塞ドルドレイは落ち、ミッドランド軍は大勝をおさめた。国王(勝部演之)はここに至り、「鷹の団」を「白鳳騎士団」と改称して取り立て、隊長たちを貴族と認める。だが、グリフィスの言葉に疑念を抱くガッツは、彼と剣を交えてでも団員の座を退くことを告げる。ガッツに敗北したグリフィスはやりきれぬ気持ちを抑え、己を慕う王女シャルロット(豊崎愛生)の寝室に忍び入る。〔80分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道(2010/日) | プリンスエドワード島のグリーンゲーブルズに居を構えるマシュウ(槐柳二)は、駅へと馬車を進めていた。人付き合いが苦手だが働き者の彼には、そろそろ仕事の助け手が必要であると、おなじく独身を貫く妹・マリラ(北原文枝)と相談し、彼は孤児院から10歳前後の男子を引き取ることに決めたのだ。しかし、一足早く駅で彼の到着を待っていたのは、やせぎすで赤毛の少女・アン(山田栄子)であった。呆気にとられるも、彼女をつれて帰らざるを得なくなったマシュウの横で、アンは周囲の景色のすばらしさを言葉に乗せて語る。その面白さに彼女に惹かれはじめたマシュウだったが、家にいたマリラはアンを招かれざる客と認めたのだった。〔100分/カラー/ヴィスタ〕 [more] | [投票] |
★3 | ジョン・レノン,ニューヨーク(2010/米) | ジョン・レノンがオノ・ヨーコに惹かれ、暮らしを共にし始めて幾許かの時が流れ、ふたりは本拠地をニューヨークに定め、そこから自分たちの音楽・発言を発信していった。マスコミや支持層にとってヨーコはビートルズを崩壊させた張本人であり、ふたりが共に歩いても騒がれないニューヨークはうってつけの住処となったのだ。ジョンはイギリスに在った頃とは反対に政治的発言を発することが増え、時の大統領リチャード・ニクソンはこれを危険視し、国外追放を図るのだった。レノンのニューヨーク滞在時の活動と生活を追うドキュメンタリー。〔115分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 別離(2011/イラン) | テヘラン。思春期の娘テルメー(サリナ・ファルハディ)の教育はイラン国外で行いたいとして、教師であるシミン(レイラ・ハタミ)は夫のナデル(ペイマン・モアディ)に国外移住の許可を求めるが、認知症となった父親に介護者が必要であることからナデルはそれを聞き入れなかった。こうしてシミンは夫と別居するようになり、ナデルは家政婦としてラジエー(サレー・バヤト)を雇うに至る。だが、仕事の重みに耐えかねたラジエーの父への仕打ちに激昂して、ナデルは彼女を突き飛ばす。そのあげく実は妊娠していたラジエーが流産したことで、怒った夫のホッジャト(シャハブ・ホセイニ)はナデルを告訴するのだった。〔123分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 俺は銀座の騎兵隊(1960/日) | 仲間とオンボロバスに住む少年・良坊(杉山俊夫)は、スリ働きのついでに風来坊少年・三郎(和田浩治)に出くわした。喧嘩もドラムもギャンブルも玄人ハダシな腕の三郎は、たちまちボーイの守山(守屋浩)や修理屋のリチャード(神戸瓢介)、花売りの久子(刈屋ヒデ子)らのリーダー格となる。だが、三郎と銀座を闊歩する良坊は、ふとしたことから少女ユミ子(清水まゆみ)の持っていたフィルムをスリ取ってしまう。それはある組織の麻薬密売計画に関する暗号を写し取ったものだった。社長の神山(近藤宏)はチンピラどもを使って、三郎たちとの全面対決に乗り出す。「やんちゃガイ」の名で売り出した和田浩治の出世作。〔79分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★2 | 光のほうへ(2010/デンマーク=スウェーデン) | コペンハーゲン。アル中の母親のもとで暮らす兄弟の、唯一の楽しみはまだ乳児の末弟だった。だが、ふとした事から末弟は頓死し、兄弟はそれぞれにトラウマを抱える。成長した兄ニック(ヤコブ・セーダーグレン)は恋人と別れて間もなく暴力沙汰で入牢し、後に恋人の兄イヴァン(モーテン・ローゼ)と出会って、彼の言葉から恋人の真意を知り後悔に打ちひしがれる。他方、弟(ペーター・プラウボー)は妻を失い、ひとり息子マーティンを男手ひとつで育てながら、彼には悟られぬ裏側でドラッグ服用を続ける。そして数十年の空白期間を経て、母親の葬式で弟と再会したニックは、弟のことを思い遺産をそっくり相続させようとする。〔114分/カラー/スコープ〕 [more] | [投票] |
★3 | 生きていた野良犬(1961/日) | 5年前、やくざの次郎(二谷英明)は兄の太郎(山内明)の身代わりとなり、殺人罪で投獄された。その次郎の出所を前にして太郎は殺害され、次郎は犯人を死刑台に送ると決意する。だが、仇の情報を次郎にもたらした流しの吉三郎(高品格)は闇に葬られ、真犯人に近いと確信される大物・大村(二本柳寛)は彼の目の前で撃ち殺された。大村暗殺犯に仕立て上げられた次郎は、夜の闇を渡りながら逃亡し、やくざから足を洗った浜やん(葉山良二)によってかくまわれる。浜やんの妹・民子(笹森礼子)と恋仲のチンピラ・春夫(川地民夫)は憧れの男である次郎の役に立とうとするが、拒絶する次郎はもはや復讐の泥沼に肩まで漬かっていた。〔76分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | ミルク(2008/トルコ=仏=独) | 詩人を目指し、したためた数多の詩を雑誌に送りつけている少年ユスフ(メリフ・セルチュク)は高校を卒業し、職業の選択を迫られていた。だが、母のゼーラ(バサク・コクルカヤ)が営む牛乳屋を継ぐにしても、あるいは夢である詩人活動にしても、生計を立てるには及ばない収入しか得られない仕事であった。ユスフは棄てられない夢を抱いて、鉱夫である友人に雑誌に載った詩を読んでもらい、またそのことで詩を愛する少女とも友情を育む。認められた才能に嬉しさを隠せないユスフだったが、そんな彼をよそに母は街の駅長との愛情に溺れてゆくのだった。セミフ・カプランオール監督の「ユスフ三部作」第2弾。[102分/カラー/アメリカンヴィスタ] | [投票] |
★3 | 卵(2007/トルコ=ギリシャ) | イスタンブールの町で古本屋を商いつつ、その陰で詩人としても活動する男、ユスフ(ネシャット・イシュレル)。彼はある日、すっかり疎遠になっていた母ゼーラの死の報せを受け取り、故郷へと還る。自宅に向かい扉を開いた彼は、そこに親戚の娘である少女アイラ(サーデット・ウシュル・アクソイ)の姿を認める。彼女はユスフにゼーラの遺言を告げ、母のこの数年の面倒を見てきたことを語るのだった。けして親孝行とは言えぬユスフは、遺言に記された母の願いに従い旅に出ることにする。それは彼の過去をさかのぼる旅でもあった。セミフ・カプランオールによって語られる自伝的作品「ユスフ三部作」第1作。〔97分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE(2012/日) | キャプテン・マーベラス(小澤亮太)率いるゴーカイジャーの母船は、強力な武装船の執拗な追撃を受けて不時着した。立ち向かう彼らの前に現われた銀色の影。それはゴーカイジャーの逮捕命令を受けた宇宙刑事ギャバン(大葉健二)の姿であった。激戦のすえ、あえなく捕縛されたゴーカイジャーを、ギャバンは宇宙警視総監(佐野史郎)の前に引き据える。だが、ゴーカイジャーの弁明も聞かずに極刑に処そうとする総監に異を唱えるギャバンの目前で、総監はザンギャックの獄長アシュラーダの姿に立ち戻った!この事実を感じ取っていたギャバンはゴーカイジャーに詫びて共闘するが、アシュラーダの秘密兵器により彼は「魔空空間」に引きずり込まれる。〔64分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵(2011/日) | 他国との戦中にあるミッドランド国軍において、大剣をふるう傭兵ガッツ(岩永洋昭)がその名を一気に高めたとき、彼の助力を求める者がいた。それは無敵の傭兵部隊「鷹の団」を率いる、美貌の指揮官グリフィス(櫻井孝宏)であった。馴れ合いを拒むガッツだったが、グリフィスの己をも越える剣才と不思議な魅力を知り、いつしか彼の無二の友人となってゆく。三年の時を経て、「鷹の団」はミッドランドになくてはならぬ戦力となり、国王(勝部演之)もグリフィスに目をかけて貴族の地位を与えるに至る。だが隊長となったガッツは、不死の傭兵と呼ばれる敵兵ゾッド(三宅健太)を追い詰めたとき、彼からグリフィスに関する謎の予言を聞くのだった。〔スコープ/80分〕 | [投票] |
★4 | 機動戦士ガンダムUC episode5 黒いユニコーン(2012/日) | 超高空よりバナージ(内山昂輝)のユニコーンガンダムを狙撃した黒い影。それはビスト財団当主マーサ(塩田朋子)の命令で再調整を施された、強化人間マリーダ(甲斐田裕子)のユニコーンだった。連邦軍ロンドベル隊に救出されたバナージは、財団の陰謀を知る司令官ブライト(成田剣)によって、ジンネマン(手塚秀彰)の偽装軍艦ガランシェールへの帰投の道を示される。それは、マーサの手の内にあるジオンの王女ミネバ(藤村歩)の奪還をも示唆するものだった。だが、その蔭
で彼女への妄執をたぎらせるリディ(浪川大輔)もまた、自分の意思でミネバを奪取しようとしていた。〔60分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | フラメンコ・フラメンコ(2010/スペイン) | ゴヤ、クリムト、ピカソ、ロートレックらの筆致を模したパネルの並ぶ舞台の奥。そこに画聖たちに勝るとも劣らぬマエストロたちが集結、彼らの薫陶を受けた若きアーティスト群とともにフラメンコの競演を繰り広げる。名匠カルロス・サウラ監督と、鬼才カメラマンヴィットリオ・ストラーロが『フラメンコ』に続いて手を組んだこの作品は、21幕からなる「生命の旅」と「光」をテーマに繰り広げるカンテ(歌)、バイレ(踊り)、ギターの一体となった組曲である。〔101分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2011/独=仏=英) | ドイツの小都市・ヴッパタールの舞踊団芸術監督に就任したピナ・バウシュは、それまでの劇場舞踏の常識を打ち破るダイナミックな内容で、瞬く間に舞踏団を世界的なチームに育て上げた。彼女と親交が深いヴィム・ヴェンダースは、その舞踏を一作の劇映画として撮影するとの盟約を持つが、2009年のピナの逝去によりその計画は頓挫する。しかし、ヴッパタール舞踏団の熱意と世界の支持者たちの声援を受け、遂に作品は完成をみた。この作品の成立の基となるのは『春の祭典』『カフェ・ミュラー』『コンタクトホーフ』『フルムーン』のバレエ4作品であり、それらをヴッパタール市街などでのパフォーマンスで繋ぐことで成立するものである。〔104分/ヴィスタ/カラー〕 | [投票] |
★4 | ル・アーヴルの靴みがき(2011/フィンランド=仏=独) | 港町ル・アーヴル。むかし遊び人だったマルセル(アンドレ・ウィルムス)は靴磨きの仕事を続けていた。僅かな代金しか持ち帰れない毎日ながら、自分にとっては「過ぎた女」だと感じる妻アルレッティ(カティ・オウティネン)が優しく出迎えてくれることに、彼は生きがいを感じていたのだった。そんな日常の中、ガボンから密航者の船が港に辿りつき、少年イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)がマルセルの家に転がり込む。マルセルと街の仲間たちは彼をかばうが、警視モネ(ジャン・ピエール・ダルッサン)は執拗に捜査を進めてゆくのだった。一方、アルレッティは体を蝕んでゆく難病を自覚する。〔93分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 清水次郎長伝(1952/日) | 広沢虎造の物語る次郎長一家の一席。森の石松(田崎潤)は、親分の次郎長(月形龍之介)に代わっての金毘羅参りの大役を引き受け、可愛いおなつ(宗方規子)との逢引の約束を後に回し旅立った。しかし彼は、旧知の仲である都鳥吉兵衛(進藤英太郎)の陰謀で香典百両を騙し取られ、小松の七五郎(高田浩吉)やおたみ(浜田百合子)の庇うのも虚しくその消息を絶つ。その頃不審に思い石松を追った追分三五郎(水島道太郎)は、宿場町に逃げた都鳥一家の卑劣な所業を聞き、親分の元へ急ぐ。話を聞いた次郎長は、憎むべき都鳥一家の売った喧嘩を買い、立ち上がる。〔83分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |