★3 | 浅草キッド(2021/日) | 東京・浅草。青年たけし(柳楽優弥)は大学を中退し、今はストリップ劇場「フランス座」のエレベーターボーイをしているが、心中には芸人として大成する大きな野望をもっていた。彼が憧れ、弟子にしてほしがっているのが芸人であり、フランス座を取り仕切る深見(大泉洋)だった。芸事に厳しい深見は、そんな彼の安直さを罵倒し洟も引っかけなかったのだが、次第に彼のなかにひょっとしたら成長しそうな芸人の片鱗を認め、芸のなんたるかを教えはじめる。たけしは歌手をめざす踊り子の千春(門脇麦)、深見の妻である麻里(鈴木保奈美)に見守られ成長するが、仲間のきよし(土屋伸之)に漫才をやろうと誘われる。〔123分〕 | [投票] |
★4 | PASSING ー白い黒人ー(2021/英=米) | 殺人的な暑さのニューヨーク。白人っぽいメイクで出かけ、ホテルで涼もうとしていた黒人女性アイリーン(テッサ・トンプソン)は、金髪の白人女性に声をかけられる。逃げようとしたアイリーンだったが、よく見れば相手は昔馴染みのクレア(ルース・ネッガ)であった。派手好きな彼女は顔も髪色もいじって黒人であることをやめ、白人と家族をもっていたのだ。大の黒人嫌いな彼女の夫ジョン(アレクサンダー・スカルスゴール)とも出会ったアイリーンは、軽薄なクレアに嫌悪感を感じて別れるが、その後何度も彼女の来訪を受ける。そしてクレアの男好きのする容貌で、アイリーンは夫ブライアン(アンドレ・ホランド)の心をも奪われてしまうのだった。〔98分〕 | [投票] |
★3 | ほんとうのピノッキオ(2019/伊=仏=英) | 貧しい木工職人のジェペット(ロベルト・ベニーニ)は跡取り息子を持つこともできなかった。せめてもの心のよすがに、木彫りの人形を作り上げた彼は、動き話すこともできるその創造物に仰天する。さっそくピノッキオ(フェデリコ・エラピ)と名付けられた人形は、学校に入ってジェペットの息子として学ぼうとするが小悪党のキツネ(マッシモ・チェッケリーニ)やネコ(ロッコ・パパレオ)に騙されて教科書を買う金を巻き上げられる。見守る妖精(マリーヌ・ヴァクト)やコオロギの忠告にも耳を貸さず、ピノッキオは好奇心から冒険の待つ森へとその足を運ぶのだった。原作者カルロ・コロディの綴る風刺的な原典に立ち返った映画化。〔124分〕 | [投票] |
★2 | サイダーのように言葉が湧き上がる(2021/日) | ある夏。コミュ二ケーションが苦手な少年・チェリー(市川染五郎)は、母親に代わって老人相手のバイトを続けながら、その思いを俳句にこめて密かに自己主張を重ねていた。そして目立つ前歯に悩みマスクを欠かさない少女スマイル(杉咲花)は、「可愛いもの探し」をテーマに動画サイトで番組を持ち、ショッピングモールを駆けずり回っていた。ふたりはモールの中で出会い、SNSを介して不器用にその思いを伝えあってゆく。そしてバイト先で知り合った老人フジヤマ(山寺宏一)が追う古いレコードの探索をめぐり、ふたりの心は接近する。しかし、スマイルはチェリーに一緒に花火大会を見ようと誘うが、彼は承諾するものの言い出せない秘密を抱えたままだった。〔87分〕 | [投票] |
★4 | 宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章ーTAKE OFFー(2021/日) | かつてのガミラスの暴君、デスラー総統(山寺宏一)は、今は民主化した母星の最期が近いことを知り、自ら外宇宙国家と刃を交えてでも植民星を得んとして行動していた。その一方、一時は次元断層で艦船を乱造することで繁栄を得ていた地球政府は、それを手放さざるを得なくなり、勢いを失っていた。そして古代(小野大輔)が艦長を務めるヤマトも二度の戦いで人員を失い、新人クルーを迎えることとなる。かれらの内には訓練生として高い成績をおさめた土門(畠中祐)がいたが、父たる軍事企業社長が命を絶った原因として激しく古代を憎んでいた。新生ヤマトは、波乱をはらみつつガミラスへの航海に出る。新たな火種となる謎の艦隊の侵攻を知らずに…。〔100分〕 | [投票] |
★3 | 「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択(2021/日) | 1969年についに人類が月にその歩を進めて以後、地球は新しい時代に入った。国家間紛争が影をひそめ、火星をテラフォーミングすることで植民星とした地球人類は、ここで異星生命体との接触のときを迎える。だが、それは宇宙戦争の時代の始まりでもあった。映画は、その異星人…ガミラス帝国との戦闘と、一方的な戦局を打開、かれらとの関係に一石を投じた「宇宙戦艦ヤマト」の地球の存亡を賭けた旅路をえがく『宇宙戦艦ヤマト2199』と、和平協議に至ったガミラスに代わって宇宙に覇権を得んとする「彗星帝国」ことガトランティスとの戦闘をつづる『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の、ふたつのTVシリーズを振り返る一編である。〔118分〕 | [投票] |
★1 | 緑はるかに(1955/日) | 少女ルリ子(浅丘ルリ子)は、北海道に足を延ばしたまま一年間も音沙汰のない父の博士(高田稔)を思いながら、寂しさに父から託された緑色のオルゴールに耳を傾けて眠る毎日だった。そんなある日、父が急病に倒れたとの知らせが届き、ルリ子と母(藤代鮎子)はクルマに乗せられて山奥へと向かう。だが、博士を連れていった男たちはその発明を悪事に使おうとする某国のスパイ団であったのだ。残虐だが間抜けなスパイたち(市村俊幸、内海突破)の拷問を逃れ、父の発明の秘密を隠したオルゴールとともにルリ子は逃亡する。執拗に彼女を追うスパイの前に立ち塞がったのは、正義感に燃える少年たち(浅沼創一、永井文夫、石井秀明)だった。〔90分〕 | [投票] |
★4 | 映画大好きポンポさん(2021/日) | 映画のみに命を賭け、それ以外には目もくれない死んだ瞳の映画青年ジーン君(清水尋也)は、映画界の申し子のような少女天才プロデューサー、ポンポさん(小原好美)に新作映画の予告編を任された。ここは映画の都ニャリウッド、夢と謀略が渦巻くパラダイス。信頼を得たジーン君は、ポンポさんに劇場用映画「マイスター」の監督に抜擢された。主役を演じるのは10年のブランクから再起する伝説の名優、ブラドック(大塚明夫)!そしてヒロインはオーディションで選ばれた奇跡の新人ナタリー(大谷凜香)!この野心作にポンポさんはオスカーを取れると太鼓判を押すが、ジーン君の眼前には恐るべき現実の軋轢が横たわっているのだった!〔90分〕 | [投票] |
★3 | アイの歌声を聴かせて(2021/日) | ハイテク会社の技師(大原さやか)を母にもつ高校生サトミ(福原遥)は、クラスで孤立する身の上だ。そんな彼女のクラスを、ある日転校生シオン(土屋太鳳)が訪れる。当惑するサトミの前にシオンは近づき、ミュージカルばりに「あなたは今、幸せですか」と朗々と歌い上げた。その事件は奇妙ではあったが、美貌で学力・体力にも恵まれ、底抜けに明るいシオンは皆の人気を独り占めにする。「王子様」と呼ばれるゴッちゃん(興津和幸)、柔道部のサンダー(日野聡)も惹かれるばかりか、ゴッちゃんに思いを寄せるアヤ(小松未可子)まで魅了してしまう。だが、メカオタクのトウマ(工藤阿須加)はシオンの秘密を知ってしまうのだった。〔108分〕 | [投票] |
★3 | メキシコ無宿(1962/日) | 「危険屋」ジョー(宍戸錠)は、冒険の渦中に飛び込み、巨額の礼金を得て豪遊する男だった。そんな彼に、母国を追われ日本に逃げてきた男、ペドロ(アントニオ・メディーナ)が執拗に付きまとう。メキシコで人殺しとそしられた彼は、唯一その潔白を証明できる筈だった金を日本で盗まれたのだ。命を賭けて礼金をつくり死んでいったペドロに報いるべく、ジョーはメキシコに渡った。だが、早速そこで金をすり取られ、途方に暮れた彼に旅行者・美也子(笹森礼子)が通訳を手伝う。わけありの彼女と別れ、ペドロの恋人マリヤ(パトリシア・コンデ)のいる村にたどり着いたジョーを冷たい視線が迎えた。村は金山を見つけたペドロによって貧村に変貌したのだ。〔94分〕 | [投票] |
★3 | 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2020/日) | 地球連邦へ不満を抱く移民による叛乱の季節は、シャア大佐率いるネオ・ジオンの地球寒冷化作戦が無化されることで鎮静化したが、連邦の専横は新たな火種を呼んでやまなかった。そのひとつがテロ組織マフティーだ。オーストラリアにおける閣僚会議に出席するVIPを乗せた航空機は、まさしくそのマフティーを名乗る一団に占拠された。シャアの叛乱の渦中にあった青年、ハサウェイ(小野賢章 )は機内にいた連邦軍のケネス大佐(諏訪部順一)の協力を得てこれを鎮め、かれらがマフティーの偽物だと看破する。居合わせた気丈な美少女ギギ(上田麗奈)をも含め、この邂逅は仮面劇にも似た地球を震撼させる事件の幕開けとなるのだった。〔95分〕 | [投票] |
★3 | 東京ラプソディ(1936/日) | 銀座の片隅。肩を寄せ合うクリーニング屋の若旦那、若原(藤山一郎 )と、タバコ屋の看板娘・鳩子…通称鳩ポッポ(椿澄江)は、誰はばかることなき若い恋人同士。若原はベランダで鳩子を前に毎夜ラブソングを披露するのだった。彼の美声を聞きつけた敏腕マネージャーのハルミ(伊達里子)は、これこそ金のタマゴだと直接若原を訪ね、歌手になってほしいともちかける。果たして若原は瞬く間に東京の大スターとなり、鳩子をはじめ仲間たちはお祝いパーティーに若原を招待する。だが、さっそく引っ張りだこになった若原は戻ることもできず、仲間を落胆させる。その上接待で彼と出会った芸者は、若原の幼馴染み千代子(宮野照子)だった。〔69分〕 | [投票] |
★3 | わんぱく旋風(1963/仏) | バカンスの到来に湧くパリ。あるオヤジ(ジャン・リシャール)の一家は総出でデパートにやってきた。その中で、大勢の兄弟の末っ子であるベベール(プチ・ジュビス)は、退屈を持て余して無邪気な悪戯に耽っていた。やむなく長男のティエノ(ジャック・イジュラン)は遅れて合流する条件で、ベベールの世話を仰せつかるのだった。だが思春期真っ盛りのティエノの関心事といえば、イケてる女子のナンパしかない。パリジェンヌを引っかけるのに夢中だった彼をおいて、ベベールは迷子になってしまう。なんとか弟を引き留めるも、彼の乗った帰りの汽車は切り離しされ、兄が目を離した隙にどこかへ走り出す。こうして汽車をめぐる悪夢の一夜が始まるのだった。〔91分〕 | [投票] |
★3 | ブレッドウィナー(2017/アイルランド=カナダ=ルクセンブルク) | タリバーン占領下のカブール。少女パヴァーナ(サーラ・チャウドリー)は両親と姉、幼い弟とともに暮らしていたが、占領とともに家族の暮らしは一変した。教師であったが従軍した父は片足を失ったが、部隊の命令で家族の女性たちは外に出て仕事をすることを許されず、パヴァーナだけが物売りに出る父のサポートを続けていた。部隊の若者たちはそこに目をつけ、パヴァーナに帰宅しろと詰め寄る。それに抗弁した父親は刑務所送りとなった。権力に尻尾を振る暮らしを良しとしなかったパヴァーナは一計を案じて長い髪を切り、男装して外に出る。父を刑務所から連れ出そうというのだ。彼女の胸中にはお伽話の英雄スリマン(ヌーリン・グラムガウス)の雄姿があった。〔94分〕 | [投票] |
★4 | 漫画誕生(2018/日) | 昭和18年。戦局の悪化に伴い、漫画界もまた大衆を奮い立たせる国策に沿ったものでなくては、との上層部のお達しで、日本漫画奉公会は設立させられた。代表となって檄を飛ばす老人は、漫画界の最長老・北澤楽天(イッセー尾形)だった。帰りの酒席で弟子たちに志を語る楽天は、はっきりと前時代の遺物と揶揄され、憤然として帰宅する。それから内務省検閲課に呼ばれた楽天は、長年連れ添った細君(篠原ともえ)に綺麗な国民服を用意され、張り切って入室した。だがそこに待つ検閲官(稲荷卓央)は今までの楽天の目的や経歴の説明を求める。彼は応じて語る、若かりし頃の楽天(橋爪遼)の立志伝を…。〔118分〕 | [投票] |
★4 | ジュゼップ 戦場の画家(2020/仏=スペイン=ベルギー) | 戦後数十年のフランス。青年ヴァランタン(ダヴィ・マルセ)は母とともに祖父セルジュ(ブリュノ・ソロ)を訪ねる。セルジュはおとなしく寝ているように見えたが、母が外出しヴァランタンが壁に貼られた異様なタッチの絵に目を奪われていると、ふいに話を始めるのだった。1939年、フランコ将軍の圧政を逃れたスペインからの亡命者を、フランスは収容所に閉じ込めた。彼らを取り締まる憲兵の補充要員として、若きセルジュは赴任したのだ。そんな時、先輩兵たちが邪険に扱っていたスペイン人のなかに、地面にスケッチをする画家ジュゼップ・バルトリ(セルジ・ロペス)がいた。彼に惹かれ紙を差し入れした時から、ふたりの友情は育まれてゆく。〔71分〕 | [投票] |
★2 | ブレイブ 群青戦記(2021/日) | スポーツ強豪校「星徳学院」。ある日人知れず少年・不破(渡邊圭祐)が校庭に鎮座する霊石に向けて跳び、雷光のなか姿を消した。そして一年後のこと…弓道部に籍をおく少年・蒼(あおい:新田真剣佑)は誰にもひけをとらない実力を持ちながら、自信をもてずおどおどとした行動をとるのが常であった。幼馴染みの遥(山崎紘菜)や孝太(鈴木伸之)は彼を放っておけず、ことごとに自信を持て、と発破をかけるのだった。そんな日々のなか、学院を雷雨が襲い、落雷が霊石を直撃する。途端に校舎は深い霧に包まれ、やがてその中から武者たちが現われ、いぶかる生徒たちを斬り捨てはじめた。学院は戦国時代へと飛ばされてしまったのだ。運動部員たちは反撃に出る。〔115分〕 | [投票] |
★5 | たまこラブストーリー(2014/日) | 商店街の春。でも、いつも通りの空気は流れ、人々は変わらないおだやかさで空気を紡いでゆくような、そんな春…。餅屋の娘であるたまこ(洲崎綾)にとってこれからの進路を決めるべき重要な時期であっても、自分の育った餅屋を継いでゆこう、と悩むこともなく将来を考えていた。それでもみどり(金子有希)たち仲良し4人組も、少しずつ自分の未来を思い描き、高校生活にきっぱりと終止符を打とうとしていたのだった。そしてたまこのお向かいの、同じく餅屋でずっと育ってきたもち蔵(田丸篤志)も進むべき大学を東京の学校に定め、その前に幼馴染みを引きずっていたたまこに思いを告白しようと考えていた。TVシリーズ「たまこまーけっと」続編。〔83分〕 | [投票] |
★3 | 花宵道中(2014/日) | 大火で吉原が全焼した時、その女郎屋は一時そこを離れ旧家屋で営業するに至った。そこで自分の運命を甘受し、後輩八津(小篠恵奈)には「男を信じるな」と諭していた女郎が朝霧(安達祐実)である。だが縁日で他人に突き飛ばされ、下駄を片方なくしたとき抱き起してくれた若い職人、半次郎(淵上泰史)に朝霧は恋心を抱かされた。彼に下駄を探してもらい、ついでに落としたかんざしを塗り直してやろう、と誘われ、小娘のようにはしゃぐ朝霧。だが、彼女に目をつけていた吉田屋の主人(津田寛治)は、宴席で半次郎に別の女郎をあてがい、自分は朝霧を身請けすると明かして「花が咲く」といわれる彼女の体を弄ぶのだった。〔102分〕 | [投票] |
★2 | 虐殺器官(2017/日) | テロルが激化する未来。遂にサラエボは核の炎に呑み込まれ消滅した。ここに至り先進諸国は個々の国民の自由を犠牲にしてもテロリズムから国土を守るべく、超管理社会の建設に走った。そのしわ寄せは発展途上諸国に及び、テロル組織はこれらの国々に潜み秩序を食い荒らした。そして米国は情報部隊を全世界に派遣、テロリストの完全な根絶を図る。米軍特殊部隊の将校シェパード大尉(中村悠一)はその尖兵として世界を股にかけてきたが、彼のもとに言語学者ジョン・ポールなる男(櫻井孝宏)の調査命令が下る。世界の紛争国家の裏にジョン・ポールはつねに現われ、膠着状態に陥ったときには姿を消すと言われるのだ。〔115分〕 | [投票] |