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さんのあらすじ: 点数順

★5ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト(2008/米=英)NYのビーコン・シアターにおけるストーンズのライヴを記録したマーティン・スコセッシによるドキュメンタリー。準備の段階から難問は続出する。スコセッシ『演奏リストはいつもらえる?』。M・ジャガー『カメラがぶつからないか?危険だ』。照明さん『18秒以上ライトをあてるとミックが燃える』スコ『何が燃える?』照明さん『ミック・ジャガー』。スコ『演奏リストは?せめて最初の2・3曲だけでも』ジャガー『リストは1時間前にあげるよ(笑)』。―そして当日。クリントン元大統領の紹介の後、いよいよショウの幕が開く!『最初の曲は…』スコセッシの手が慌しくリストをめくる…そう!勿論あの曲だ!![カラー122分][投票(1)]
★5ガールフレンド(1978/米)写真家をめざすスーザン(メラニー・メイロン)はルームメイトで詩人志望のアン(アニタ・スキナー)から恋人と結婚するとつげられる。おめでとうとは言ったものの、動揺をかくせない。壁の色を赤に、髪をくるくるパーマに変え、年上の既婚者に手を出す(速攻で失敗)も淋しさは埋まらない。アン夫妻が家に招いてくれるが、新婚旅行のスライドを見せられ笑顔もこわばる。肝心の写真は雑誌に三枚売れたきりでものにならない。順調にキャリアを積んでいるらしき知り合いの姿を見て置いきぼりの気分を味わう。一方、アンは詩作を再開するが、赤ん坊のいる家で詩は書けない。自分はまちがった道を選んだという思いはつのるばかり......[88分][投票]
★5フェイブルマンズ(2022/米)1952年、ユダヤ系中流家庭に育ったサミーは両親に連れられてはじめて映画を観る。『地上最大のショウ』だ。たちまち虜となり、8mm映画作りに熱中する。元ピアニストでちょっと変わり者の母(ミシェル・ウィリアムズ)はそんな彼の理解者だが、有能な技術者の父(ポール・ダノ)は「趣味」とよび、認めようとしない。ある日、母方の大伯父が家を訪れる。かつて映画業界で働いていたというその老人は、高校生のサミー(ガブリエル・ラベル)が映画を撮ると聞くと、なぜか呪いのごとき言葉を残して去るのだった。サミーが家族の秘密に気づいたのはそれからしばらくしてのことだった……。スピルバーグによる「自伝的」作品。[151分][投票]
★5新学期 操行ゼロ(1933/仏)夏休みが終わり新学期が始まる。生徒達が寄宿舎へ帰ってくる。汽車の中で煙草を吹かしていた悪ガキども。新任の若いユゲ先生。転入してきた美少年は雰囲気に馴染めず早速気分が悪くなる。学校は規則づくめで牢獄のようだ。校長以下の教師達は陰険で抑圧的で、そのくせ生徒の持ち物を盗んだりする。食事はいつも豆料理。操行に零点をつけられたら日曜の外出は禁止だ。しかし生徒達は密かに反乱計画を練っていたのであった。デブで下劣な化学の担任に美少年が反抗したのを発端についに市民達は立ち上がる。羽毛の雪の舞い散る中、革命が宣言される。自由か死か!祖国の子らは進撃する!…二十九歳で夭折したジャン・ヴィゴの代表作。[白黒41分][投票]
★5ナポレオン(1927/仏)1781年冬、ブリエンヌ兵学校の校庭で軍服姿の生徒達が雪合戦に興じている。勝った方を率いていたのはコルシカ訛りの小柄な子。高慢な態度で爪はじきにされていたが、眼のある者は言うのだった。奴は大物になる!―ナポレオン(アルベール・デュードネ、子役ウラジミール・ルーデンコ)の生涯を再現する壮大な(未完に終わった)六部作の第一部は、少年時代から革命の渦中に頭角を現しイタリア遠征に大成功を収めるまで。散逸していたものを映画史家ケビン・ブラウンロウが修復した。原版は六時間超に及ぶ。手持ちカメラ・画面の染色・三重映写によるパノラマ三連画面など革新的な手法が用いられたサイレント映画の傑作。[白黒・一部染色][投票]
★5ぼくら、20世紀の子供たち(1994/仏=露)1991年ソビエト連邦は崩壊した。失意の街をストリート・チルドレンが徘徊する。路上に廃ビルに矯正施設に少年刑務所に、カメラは彼らを追う。時には煙草をふかしながら笑顔で、時には暗い面持ちでその短い人生を語る彼ら。その明るさ・無邪気・転落・破壊・そして多分再生…。カメラは『動くな、死ね、甦れ!』等で主役を演じ今は青年期に入った二人の再会を写す。あの輝かしい撮影の日々を二人は追憶する。そして歌う。♪二人は愛し合っていた、まだ子供だったけど…。『動くな―』でスターリン時代を懸命に生きる子供達を描いたカネフスキーが、半世紀後再び「世界の崩壊」に直面するロシアの子供達を描くドキュメンタリー。[カラー84分][投票]
★5戦国奇譚 気まぐれ冠者(1935/日)気まぐれ冠者(片岡千恵蔵)と髯の勘十(田村邦男)は剣術試合へ飛び入りした縁からある藩に仕官する。金の出るこの国、豊かなせいか何事にも鷹揚で頼りない。貧乏な隣国が攻めてきそうなのに家来達は唸っているばかり。何とか敵が戦をやりたくない気にさせられないか、などと都合のいいことを言い出す。一計を案じた冠者、殿様から千両を拝領し勘十とともに隣国へ潜入する。国境の山中で山賊と遭遇したりなんだかんだがあるものの、しっかり敵国の姫(市川春代)に気に入られてしまう冠者なのであった…。「宇宙遊泳剣術」や「山賊の合唱」や「いろはにほへと」など楽しいシーン続出。天才・伊丹万作によるコメディ。[白黒75分][投票]
★5双頭の鷲(1948/仏)王妃(エドウィージュ・フィエール)は思い出のクランツ城を訪れる。その夜、盛大な舞踏会が開かれるがそこに女主人の姿はない。婚礼の日に王が暗殺されて以来十年、王妃は黒いヴェールを纏い、部屋に閉じ篭って暮らしているのだ。城の外では王妃暗殺を狙うスタニスラス(ジャン・マレー)が警察に追われていた。窓から飛び込んできた彼を見て王妃は驚愕する。彼は亡き王に生き写しだったのだ。だが、戸惑う彼に王妃は奇怪な命令を下す。『三日以内に私を殺せ』と。並ぶもの無き高みにある君主とあらゆる権威を否定する無政府主義者。二人の間に不思議な絆が生まれる…。宮中には皇太后一派その他の陰謀が渦を巻いていた。[白黒87分][投票]
★4日曜日には鼠を殺せ(1964/米)残雪のピレネーを越えて少年がフランスの町へやってくる。故郷の町では今も英雄視されているスペイン内戦の闘士マヌエル(グレゴリー・ペック)に会うためだ。しかし場末の屋根裏部屋に住むその男は酒と失望に顔をむくませた中年男でしかなかった…。一方スペイン側では彼の老母が死の床に就いていた。警察署長ヴィニョラス(アンソニー・クイン)は病院に罠を張りマヌエルを待ち伏せする。狙撃隊が配備される中、老母はフランシスコ神父(オマー・シャリフ)を呼び出す。彼女は神父の説法をきっぱり拒否してから、ルルドの泉へ巡礼に行く彼に息子への伝言を頼む。罠がある。決して故郷に帰るな、と。神父は懊悩する。[白黒121分] [more][投票(3)]
★4モハメド・アリ ザ・グレーテスト 1964-74(1974/仏)1964年、へヴィ級に新たな世界王者が誕生した。『蝶のように舞い、蜂のように刺す』。強く、速く、美しく、口を開けば詩人のよう。誰もが魅了された。しかし世界は激しく揺れていた。ベトナム戦争は泥沼化し、黒人解放運動は過激化する一方。彼の歩む道も平坦ではなかった。徴兵拒否。王座剥奪。浴びせられる非難にも彼は広言する。『俺は偉大だ!最高だ!』。そして、黒人たちの自立意識は国境を越え、第三世界にまで波及してゆく…。1974年、ザイールの首都を舞台に実現した「キンシャサの奇跡」までの10年間。写真家でもあるウィリアム・クラインによる、モハメド・アリとその時代精神を捉えたドキュメンタリー。[白黒・カラー][投票(1)]
★4天使の復讐(1981/米)ニューヨークのドレス工房で働くサナ(ゾーイ・タマーリス)には口のきけない障害があった。仕事が終わると、街へくり出す同僚たちを尻目にまっすぐ部屋に帰る毎日。ある日の帰宅中、仮面をつけた男に路地へ連れ込まれ......。ショック状態でようやく家に帰りついてみると、そこには別の男が。強盗が待ち伏せをしていたのだ。とっさの反撃で男を殺してしまったサナ。その日から男性が恐ろしくなり、強盗の所持していた45口径を持ち歩くようになる。街にあふれるさまざまな男ども。道端でちょっかいを掛けてくる奴。サナを撮りたいと言ってきた写真家。娼婦を殴っていたヒモ。サナは45口径を手に夜の街を彷徨う。男を狩りに......。[80分] [投票]
★4枯れ葉(2023/フィンランド=独)ヘルシンキ。アンサ(アルマ・ポウスティ)はスーパーマーケットで働いていたが、ささいなことからクビに。家に帰ってラジオをつけてもウクライナ戦争のニュースばかりで気が滅入る。一方、工場で働くホラッパ(ユッシ・ヴァタネン)。禁煙しろと言われても、どうせ塵肺になるさととり合わず、朝は隠してある酒瓶をあおらないと仕事にならない。金曜日の夜、行きたくはなかったが、自称カラオケ王の同僚に誘われ、カラオケバーへ。熱唱している同僚をよそに、隣のテーブルに座っていたアンサと目が合った。それからあれやこれやと続く不運。偶然路上で出会ったふたり。男は女をカフェに誘う。女「この後は?」男「………映画でも」[81分][投票]
★4ラブレス(1982/米)1959年、バイク乗りのヴァンス(ウィレム・デフォー)が南部の町にやってくる。デイトナのレースへ出場するところだ。街道沿いのダイナーでは、リーゼント頭・全身革という風体をみて地元民たちがコソコソささやき合っている。やがて仲間たちが現われるが、うち一人のバイクの調子が悪く出発できない。この死んでいるような田舎町に足止めをくらってしまう。住民の好奇心や敵意にはそ知らぬ顔で暇を持て余す彼らの前に、真っ赤なコルベット・コンバーチブルがすべり込んでくる。しかも運転しているのはどう見ても子供のような短髪の美少女(マリン・カンター)ではないか。どうする? キャスリン・ビグロー監督長編映画第一作。[82分][投票]
★4喜劇 愛妻物語(2019/日)売れない脚本家・豪太(濱田岳)の年収は50万。パートで家計を支える妻チカ(水川あさみ)の不機嫌は頂点に達し、夫を雑魚呼ばわり。昼間から酒に手を出し、アル中も疑われる。セックスなど論外だ。しかし豪太は朝からチカのくたびれた赤パンツにへばりつき、怒りを買う。そんなある日、豪太は旧知のプロデューサーから以前出した企画を形にするよう求められる。ただし取材費はゼロだ。運転免許のない豪太はチカに運転手役を頼み込み、5歳の娘も連れ、四国への取材旅行兼家族旅行を敢行する。豪太には下心があった。旅先なら妻は自分を受け入れてくれるのではないか、という…。監督自身の夫婦生活を題材とした小説を自ら映画化。[115分][投票]
★4カーネーションの卵(1991/伊)夕暮れ時の花びらの上に芥子粒ほどの大きさのものがあったら、それはカーネーションの卵なのだ。それを見つけたらどんな願い事も叶うという―。第二次大戦末期の北イタリア。山腹の家に住むシルヴァーノら6人の子供たち、両親、祖母。ファシスト党が勇ましくパレードを行って子供らも黒シャツ姿で参列するが戦争は敗けそうで、ムッソリーニが失脚してバドリオ政権が発足するがドイツ軍が侵攻してきたので宣戦布告し、人々が銃殺され北中部は内戦状態になって、連合軍がパラシュート降下して、それからドイツは逃げて、パルチザンが復讐して、最後にアメリカ軍がやってくるまでの混乱と悲惨を子供の視点から描くアゴスティの自伝的作品。[カラー][投票]
★4権三と助十(1937/日)六兵衛(高堂黒天)の長屋は貧乏人ばかりで店賃の催促も毎度が空振り。駕籠舁きの権三(鳥羽陽之助)と助十(小笠原章二郎)が喧嘩をおっぱじめ、カッときた挙句に自分の商売道具をぶち壊す始末。翌晩、六兵衛の援助で駕籠を新調し上機嫌の二人が町を流していると、金貸しのお源婆から同じ長屋のおとわ(花井蘭子)を四日市屋へ送るよう頼まれる。彼女は借金の形にお妾になるのだ。おとわと悪い仲ではなかった助十は複雑な思いで彼女を乗せてやる。ところがその夜更け、お源婆は強盗に殺され、おとわの父が奉行所へ引っ張られる。実は同じ晩遅く、権三と助十は刀を洗う怪しい浪人者を目撃していたのだ。さあどうする?[81分白黒][投票]
★4賭博師ボブ(1955/仏)ボブ(ロジェ・デュシェーヌ)はモンマルトル界隈の賭博師。銀髪を撫で付け隙の無い身なりで夜の街を遊弋する。若い頃は荒っぽい仕事もしたが、初老になりアパルトメントと高級車を所有する今はすっかり落ち着いている。盛り場をふらついていた娘・アンヌ(イザベル・コーレイ)の面倒を見てやったのも、色恋絡みというよりは保護者気分を味わいたいがためであった。しかし賭博稼業の浮き沈みはいつしか彼を窮迫させている。そんな時、朝のカジノの金庫には大金が積まれていると聞き付け、本性を剥き出しにする。仲間を集め、資金提供者を見つけ、綿密な強奪計画を練る。最後の仕事のつもりだった。しかし計画は漏れていた…。[98分白黒][投票]
★4ブローニュの森の貴婦人たち(1945/仏)エレーヌ(マリア・カザレス)は若い恋人ジャン(ポール・ベルナール)の心が離れたと知って自分から別れ話を切り出す。しかし縋る素振りも見せない相手の態度に屈辱を受け復讐を決意する。いかがわしい踊り子アニエス(エリナ・ラブールデット)を落魄した素人娘に仕立て上げ、偶然を装いジャンと引き合す。ブローニュの森の滝のほとりで。目論見通り男は純真そうな彼女に恋心を抱き、冷たい態度に心を痛める。一方彼に惹かれ始めた娘もまた自分の過去に苦しむのだった。全てを告白して彼のもとを去るか、それとも…。葛藤を越えついに二人は結ばれる。しかしそれこそエレーヌの思う壺だった。復讐は成就した。はずだった…。[白黒][投票]
★4罪の天使たち(1943/仏)その夜、刑務所を出た一人の娘が女子修道院へ入った。娑婆へ出ても男に食い物にされるだけの不幸な身の上だった。そこはそんな女達の駆け込み寺なのだった。ここへ良家の出の若いアンヌ=マリー(ルネ・フォール)が出家を志願してやってくる。誓願を立て一人前の修道女となるまでの期間が始まる。しかし彼女の過度の純真の裏側に、ある種の高慢を見て取って周囲は危ぶむのだった。ある日、訪問した刑務所で彼女はテレーズ(ジャニー・オルト)という反抗的な娘と出会う。一度はアンヌ=マリーを拒絶した彼女だったが、ある事情から信仰心のないまま修道院に身を投じる。そして二人の心には不思議な葛藤が生まれたのだった…。[白黒96分][投票]
★4戦國群盗傳(1937/日)土岐家の長子・太郎虎雄(河原崎長十郎)は北条家への上納金を野武士の群れに強奪される。賊の根城を探すうち甲斐六郎(中村翫右衛門)という男と知り合い意気投合するが、実は彼こそが当の盗人なのだった…。一方、北条家の問詰を受けた土岐家では太郎が金を横領し逐電したと釈明する。抗弁しようにも城の門扉は閉じたままピクリとも動かない。囲みを破り追手を振り切る頃、白々と夜が明けてくる。太郎は決然と家を捨てることを宣言し、六郎と共に野武士達を率いて去るのだった。向かう先は富士の麓の曠野。そこに自由の王国を築くために…。もとは『前篇 虎狼』『後篇 暁の前進』の二部構成だったが、総集編のみ現存。[白黒101分][投票]