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[あらすじ] 日本海大海戦(1969/日)

中国の義和団事件鎮圧の為に出動した8カ国の軍隊のうち、唯一ロシアだけは撤退せずに満州に兵を駐屯させていた。日本政府は幾度と無く抗議を申し出たが通じずついに交渉は決裂、ロシアとの戦争に突入する。旅順港封鎖作戦、黄海海戦等の激しい戦いを経て、日本帝国軍隊は多大な犠牲を払いながらも旅順要塞を攻略する。だがその間、ロシア最強を誇るバルチック艦隊は日本海目指して航行し続けていた。そして日本の命運を賭けた、世界史に残る大海戦が幕を明けた……!特技監督・円谷英二の遺作となった戦争映画。
荒馬大介

 円谷英二曰く「特撮は“水”が一番難しい」とのことだが、本作はクライマックスが海戦ということもあり、東宝特撮スタッフらはその命題に果敢に挑戦することとなった。

 日本海海戦を映像化するにあたり、東宝特撮美術陣は連合艦隊・バルチック艦隊合計50隻に及ぶミニチュアを製作した。しかしプールの大きさの関係上、アップで使用される10メートル級のミニチュアは戦艦三笠他数隻に留まり、丁字作戦等の撮影では3メートル程のそれが使用された。だがそうなってくると問題が必然的に生じてくる。

 小型のミニチュアでは発生する波も小さくなってしまうので、どうしてもリアリティーに欠けてしまうのである。砲撃で発生した水柱も同様で、3メートル船の大きさに会わせて火薬でドカン、とやっても水飛沫は小さくなるだけでやはり嘘っぽく見えてしまうのだ。従来リアリティーを出す為には、水に会わせてミニチュアの方を大型化していたが、その手段に頼らずしていかにリアルな波を作るか、という課題がかせられたのである。

 そこで目が付けられたのがエアポンプだった。かつて『太平洋奇跡の作戦 キスカ』で船首の波を発生させる際に使用され効果を上げたこれを、水柱を発生させるために用いたのである。もちろんこれは船首、船尾の波にも使われている。どういった画面になったかは映画をご確認頂きたい。

(評価:★4)

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