[あらすじ] キング・コング(2005/ニュージーランド=米)
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激ヤセの監督に驚いた人も多いと思われるが、撮影の心労からというわけではなく(もちろんそういうこともあるだろうけど)、メジャーになってしまったがゆえに社会的立場から痩せざるを得なかったようだ。
監督は9歳の時にTVで見た33年版『キング・コング』に釘付けになり、最後には泣いていたという。それからというもの『キング・コング』のような映画を作りたいという一心で映画監督を目指し、とうとう願いが実現した。企画自体は『ロード・オブ・ザ・リング』以前からあったのだが、実現には至らず頓挫していた。すでに12歳の時にリメイクを試みていたという逸話もある。76年版も公開初日に学校をさぼって早朝から駆けつけたが、誰もいなくて拍子抜け、更に内容の方もがっかりしたんだとか。その理由の一つに33年版のストップモーションのコングが最高と思っていたかららしい(『バッドテイスト』のメイキングにはストップモーションで撮影を試みた作品が紹介されている)。そのコングだが、今回は『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムと同様の手法で、これまた同じくアンディ・サーキスが演じたものをモーション・キャプチャでとりこんだものを元にしている。
本作の音楽は当初ハワード・ショアが担当することになっていた(なのでカメオ出演してますね)。ところが公開2ヶ月前になって方向性の違いからジェームズ・ニュートン・ハワードに変更となった。他にも、上映時間を急遽20分延長することになり、監督が自腹を切って追加予算を捻出した。このように製作は公開ギリギリの11月末まで続いたという。その影響なのか特報にはあった例のセリフ「Screaming! Scream for your life!」は削られてしまったし、水中から迫るピラニアドンもいない。
ところで、クモガニについては33年版『キング・コング』のあらすじを参照してもらうとして、そのシーンをしっかりと盛り込んでいるあたりはさすがである。そのクモガニだが、最近になって発売された米版DVDにはそれに関する特典映像があるようだ(商品紹介にそのようなことが書いてあるが、未確認)。他にも特典満載でそちらの日本版の発売も待たれる。今回のリメイクがきっかけでそのようなDVDが発売され、それを観ることで改めてオリジナルの魅力に気づいてくれるなら、こんな嬉しいことはないと語るピータージャクソン。あくまでもオリジナル版へのリスペクト精神によって作られた本作である。
2005.12.14公開、2005.12.17日本公開。(参考:テレビブロス 05.12.10号など)
---- 以下、案の定発売された「デラックス・エクステンデッド・エディション」をもとに追記。
劇中には監督秘蔵のコング・コレクションがいくつか使われている。原住民の矛と盾、太鼓、ガス弾等々。劇中では詳しく見えないのでわからないが、ドリスコルがデナムに渡した脚本が33年版の草稿だったりと細かいところにもこだわって作られている。また、ラストの「美女が野獣を殺した云々」は通りすがりの老婆フェイ・レイのセリフとして想定していたという。残念ながら撮影前に亡くなり実現しなかった。
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