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[あらすじ] エロス+虐殺(1970/日)

大正時代の革命活動家・大杉栄、そして彼を取り巻く2人の女たち…女権論者の神近市子と革命家の伊藤野枝。この3人の愛憎のもつれから、神近が大杉を刺傷するという「日蔭茶屋事件」が1916年に起こった。196X年の現代においてこの事件を研究する女子学生・永子(伊井利子)は「この事件はこう展開していたかもしれない」という“別の可能性”について考える。そんな永子の日常と並行して、大杉(細川俊之)、神近をモデルとする女性・正岡逸子(楠侑子)、そして野枝(岡田茉莉子)の姿が描かれ、やがてこの2つの物語が、白昼夢のように時空が入り交じって進行する。[164分/モノクロ/シネマスコープ]
Yasu

「日蔭茶屋事件」は実際に起こった事件で、結婚制度を否定していた大杉栄が、妻がありながら神近市子を愛人に持ち、後になってさらに伊藤野枝とも同様の関係になったことから起こった事件とされている。神近はこの事件で2年間服役した後に社会活動家に転身し、やがて国会議員になって売春禁止法の成立などに力を注いだ。

本作製作時、存命だった神近は「この映画はプライバシーを侵害し、名誉を傷つけるものである」として上映差し止めを求める訴訟を起こした。神近に敬意を持っていたのが本作の製作動機であった吉田喜重監督は、問題とされたシーンを大幅にカットして譲歩したものの、神近が作品そのものまで否定する立場を取ったため、最終的には裁判で争わざるを得なくなった。なお、結局裁判では神近側の申し立ては却下されている。

(評価:★3)

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