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[あらすじ] ショート・カッツ(1993/米)

R・カーヴァーの9の短編小説と一つの詩から、22人(だいたいね)の群像劇として、アルトマン風味で大胆にコラージュをした、カーヴァー原作というより、カーヴァー原案のもはやオリジナル映画。 舞台はカーヴァの南部、東部世界からアルトマンハリウッド的ロサンゼルスへ移し、原作には無い映画的な演じる者、見せる者らを作りだした。そして、単に短編を合わせたのではなく、複雑にそれらの人々と物語が絡み合う。まさに現代のアメリカ郊外に住まう人々の群像劇。冒頭で、害虫駆除のために農薬を散布するヘリがロスを飛び回る。このヘリの旋回で示すものは
ALPACA

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけの解説です。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まさしく虚構の映画のはじまり。とでも、この農薬散布をする内側が虚構の街の中の話だよ。と宣言するかのようでもある。この映画の全編を通して、本物と虚構の、「愛と生と死」が、繰り返し、輻輳して描かれる。

・テレフォンセックスのアルバイトをしている妻と、その演技に惹かれてしまう夫。・妻が画家の姉のところでヌードモデルをしていて、そこへ姉の夫が現れる。という話で興奮する夫。・ピエロの女の車を停めさせて口説く警官。・メイクアップ・アーティスチトは自分が作った裸体に興奮。・プールで自殺の真似をして浮かぶ娘。・車にはねられ、普通に歩いたあとに、倒れる少年。・川で釣りをしているところで死体を発見する。・メイクアップアーチストは、死体を作る。などなどなど。。

そして、ラストでロサンゼルスの大地震という災害で終わらせる群像映画のパターン。それは、虚構の境界が解け、登場人物たちが本物の「愛と生と死」に向かい合わなければならなった境界でもあるはずだ。

(評価:★5)

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