[あらすじ] ソドムの市(1975/仏=伊)
忠告:興味本位で手に取った貴方。遺言状を読む、心の準備はできていますか? ―鬼才パゾリーニが、マルキ・ド・サドの禁断の書『ソドムの百二十日』を、第二次世界大戦末期の北イタリアを舞台にして描き切った遺作。ファシスト・権力者である公爵・司教・大統領・判事の4人が、村から「完璧」(ちょっとスキッ歯だけでも失格!)な少年少女を16人に厳選する「地獄の入口」からスタート。その選ばれし者達と、3人の語り婆と1人のピアニスト、男前の親衛兵若干名を引き連れ、郊外の屋敷にしけこみ…なっ、なんなんだ、この『ヘアスプレー』ばりのゴキブリドレスを着たオバハンは?ピアノの調べにのって語りだしたぞ!結婚?検便?ウゲッ…とうとう始まってしまった…以下、変態地獄、糞尿地獄、血の地獄と四部構成からなる、ダンテも慄く阿鼻叫喚地獄絵図。
さて、そこの貴方。この壮絶なパゾリーニの遺言状を読む覚悟はできていますか?―
あまりの残酷な描写ゆえに、ほとんどの国では成人指定、オーストラリアやニュージーランドでは発禁扱い。あまりに直球勝負的な表現であるため、見落とされがちなメタファーを掬い取る好意的な批評もあれば、そのエゲツなさに徹底的にプロテストする批評もあり、とにもかくにも「問題作」であることは間違いない。
作品自体だけでもそうなのに、さらに、ネガフィルム盗難事件に、本作撮影後、パゾリーニが海辺で青年に撲殺されるという事件(『パゾリーニ・スキャンダル』で脚色されつつも映画化されている)など、その付随するエピソードも相当なショッキング。
尚、ネットサーフィン中見つけたサイトで、本作に関する実に面白い解説がなされているので、興味がおありの方は是非ご覧ください。ただし、ネタバレありです。→
http://www2.justnet.ne.jp/~guillo/pppstudy/ppp/esalo01.htm
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