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[あらすじ] エレニの旅(2004/ギリシャ=仏=伊)

1919年。革命によってロシアを追われ、先祖の地ギリシャにやってきた難民たち。その中に孤児の少女・エレニはいた。難民たちの長・スピロス(ヴァシリス・コロヴォス)の養女として育てられ、成長したエレニ(アレクサンドラ・アイディニ)は、スピロスの息子・アレクシス(ニコス・プルサニディス)と恋に落ちた。やがて、その意に反してスピロスの妻に迎えられることになったエレニは、アレクシスとともに村を出る決意をする。しかしそれは、その先十数年にもわたって続く、悲しみの旅の始まりでもあった。[170分/カラー/ヨーロピアンヴィスタ]
Yasu

テオ・アンゲロプロスの長編12作目にして、彼が描くギリシャの現代史「トリロギア」(三部作)の第1部。

本来この作品は、「トリロギア」の名の通り、3つのエピソードによって20世紀をまるごと網羅したものになる予定だった。しかしそうすると上映時間が長大になり、後から構想をふくらませる余裕がなくなることから、最終的に3本の独立した作品に分割されることになった。本作はその第1部として「嘆きの草原」という原題がつけられ、1919年から1949年までを描いている。

物語の舞台となる村は、ギリシャ国内やウクライナ、ウズベキスタンなどにロケハンをしたものの適当な場所が見つからず、結局冬になって水の引いたケルキニ湖(テッサロニキの北約60km、アルバニアとの国境近くにある人造湖)の湖底に、100軒の家屋、教会、学校などを一から建設し、村を丸々ひとつ作り上げた(アンゲロプロス監督曰く「ギリシャ映画史上最大のオープンセットと思う」)。同様にテッサロニキ港にも200軒の家々からなるセットを作り、このふたつの“村”で出演者やスタッフが実際に生活しながら撮影を進めていった。

現在、ケルキニ湖のセットは完全に水没し、廃墟となっている。

(評価:★4)

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