TV演出家・脚本家出身であるポール・ハギスの劇場用作品監督第1作。アカデミー賞作品賞・脚本賞・編集賞の3部門受賞。

ハギス監督は、以前自らカージャックに遭ったことをきっかけに、物事を「加害者の視点」から取り上げるとどうなるか、という点に注目した。その結果生まれた本作の脚本を読んだ俳優たちはこぞって出演を熱望し、とりわけサンドラ・ブロックは、自ら現場までの飛行機チケットを買って撮影に参加するほどであった。

主な登場人物は以下の通り。

●悪の道に走った弟を溺愛する母親に愛されないという悩みを抱える黒人刑事グレアム（ドン・チードル）。

●アンソニー（クリス・ルダクリス・ブリッジス）とピーター（ラレンツ・テイト）の黒人二人組強盗に車を奪われる、判事リック（ブレンダン・フレイザー）とその妻ジーン（サンドラ・ブロック）。

●人種差別主義者の警官ライアン（マット・ディロン）に不快な取り調べを受ける、黒人のTV演出家キャメロン（テレンス・ハワード）とその妻クリスティン（サンディ・ニュートン）。それをただじっと見守るだけの同僚の警官ハンソン（ライアン・フィリップ）。

●ヒスパニック系であるがために客に信用されず、それでも家族のために黙々と仕事をする錠前屋ダニエル（マイケル・ペーニャ）。

●中東系である自分たちに、9.11以来風当たりが強まっているのを感じ、銃で自衛しようとするペルシャ人商店主ファルハド（ショーン・トーブ）。