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[あらすじ] ユナイテッド93(2006/仏=英=米)

2001年9月11日、朝。サンフランシスコ行きのユナイテッド航空93便はニューアーク空港を飛び立った。機内は穏やかな、いつもと変わらぬ雰囲気だった。その一方で、地上の管制センターではある異変を察知していた。93便より先に離陸した数機が針路を外れている…。やがてそれらの機がニューヨークの高層ビルに相次ぎ激突したことが伝わった頃、その93便でもまた事件が起ころうとしていた…。[111分/カラー/シネマスコープ]
Yasu

**ネタバレ注意**
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ニューヨークおよびワシントンDCを襲った「9.11」の同時多発テロ事件に巻き込まれた、ユナイテッド航空93便の実話を映画化。これ以前に同じ題材で製作された『The Flight that Fought Back』という再現ドラマ、および『Flight 93』というTV映画に続くもの。

「9.11」では93便を含めて4機の航空機がハイジャックされ、犯人たちの操縦する2機がニューヨークのワールドトレードセンタービルに、1機がワシントンDCの国防総省に突入した。93便も犯人たちの設定した目標(ホワイトハウスもしくは連邦議事堂だったとされている)へ突入すると思われたが、結局ペンシルヴェニア州のシャンクスヴィル郊外に墜落。犯人を含む乗客・乗員44名全員が死亡した。

後にボイスレコーダーの解析により、墜落の一因は93便を乗っ取ったハイジャック犯たちに乗客・乗員たちが反撃し、機を解放しようと試みたためということが分かった(本作では乗客たちがコクピットへの突入を果たすが、実際には突入が成功する前に機が墜落したらしい)。

彼ら乗客・乗員の勇気を称えて93便の墜落現場には慰霊碑が建設され、また93便が出発したニュージャージー州のニューアーク国際空港は、この事件以降ニューアーク・リバティー国際空港と改称された。

93便の場合、多くの乗客・乗員が地上の家族らに電話をし、最後の会話を交わしていた(他のハイジャック機ではほとんどなかった)ことで、墜落直前の機内の様子がある程度明らかになっている。本作の製作にあたって、乗客・乗員40名の遺族たちが協力し、犠牲者たちの人となりを、服装・読んでいた本・聴いていた音楽に至るまで製作陣に伝えた。監督はこれを乗客・乗員役の俳優の演出に役立てたという。

もっとも「93便は米軍機に撃墜されたのであり、ハイジャック犯と乗客の攻防の末に墜落したのではない(あるいはそもそも墜落などしていない)」という意見の人々もわずかながら存在する。これらの人々は、そもそも高度数千メートルの上空からは携帯電話が通じない、墜落現場から離れた地点からも機の残骸が見つかっている、などの論拠をもとに、この話は陰謀を隠すための“作られた美談”であると主張している。

ちなみに「93」の便名は、その後ユナイテッド航空のフライトナンバーからは消えている。なお、ユナイテッド航空はこの作品の製作に支援・協力をしていない。

(評価:★2)

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