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tredairさんのあらすじ: 更新順

★5ヴォイス・オブ・ヘドウィグ(2006/米)LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィアの略称)の青少年を保護するための非営利団体「ヘトリック・マーティン・インスティテュート」の研究機関として発足し、2003年には正式な高校として新たに開校された「ハーヴェイ・ミルク・ハイスクール」。そこに通う4人の生徒たちの姿を追いつつ、同時にその高校のためのチャリティアルバム「WIG IN A BOX」(『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のトリビュートアルバム)の制作に奔走するプロデューサーや協力ミュージシャン等の様子をもとらえた二重構造のドキュメンタリー。101分。[投票]
★4吐きだめのヒーロー(1987/米)1969年、アメリカ。バンで旅するヒッピー夫婦がチンピラたちのトラブルに巻き込まれ殺害されてしまう。逃げのびた彼らの幼い息子はホームレスの女リアに拾われ、Wild thing(なぜか邦訳だとワイルドマンに…)と呼ばれ成長。育ての親であるリアが亡くなった後は、両親を殺害したチンピラ(現在は出世して裏の大ボス)が牛耳るスラム街で、伝説の主として隠遁生活を送っている。「お前、Wild thingを知ってるか?」「すげー、強いんだろ?」「てゆーか、とんでもなくおっかねぇらしいぞ」「歯向かうと簡単にヤられちゃうって聞いたぜ!?」「でも最近この街に越してきた白人女を救ったって噂もあるぜ?」無法地帯のヒーローファンタジー、92分。[投票]
★3花芯の刺青 熟れた壺(1976/日)人形師だった夫と死に別れたみち代(谷ナオミ)は、連れ子のたか子とともに二人きりで暮らしている。たか子ももう二十歳、なかなか複雑なお年頃だ。みち代は夫の職を継ぎ人形師を生業としているが、颯爽と青春を謳歌するたか子とは違い、あくまで地味な、亡き夫への操に関しても全くゆるぎのない毎日だ。が、しかし。ある日みち代は人形問屋の貝島に騙され料亭で犯されてしまい、あろうことか自宅にまでやって来た彼に再び犯されそうになっている姿を、たか子に目撃されてしまう。しかもショックを受け家を飛び出したたか子が遭遇した交通事故の加害者は、他でもない、みち代の初恋の相手であり初めての相手でもあった男の落とし子だったのだ…。[投票]
★5ピクシーズ ラウド・クァイエット・ラウド(2006/米)1980年代の後期から90年代初期にかけ活躍し、数枚のアルバムを残しただけで突然解散したオルタナバンド、PIXIES。本作は彼らが(これまた)いきなり再結成し大規模ツアーでファンをわかせた2004年の記録。なんだけれども残念ながらフジロックもジャパンツアーも入ってないの。でもケリーはちゃんと出てるわよ、BREEDERSファンにもオススメよ、な85分。[投票]
★5アクメッド王子の冒険(1926/独)世界初?の長篇影絵アニメーション。おなじみ千一夜物語から「飛ぶ馬」や「アラジンと魔法のランプ」「シンドバッドの冒険」等の有名なエピソードやモチーフ、キャラをとりだしオリジナル度満点にリミックスした65分。映画史的にも芸術的にも淀川語録的にも重要な作品とされつつサイレントということもあり滅多に上映されることのない幻作となっていたが、1999年にドイツで映像の修復が、続いて英国でオリジナル楽譜によるオケの収録がなされる。とはいえここまではまだ欧州でのDVD流通ベース、知る人ぞ知る。とゆーわけで2005年、日本の発案で遂に劇場用ステレオサウンド版ニュープリントが作成、満を持しての一般フィルム上映が開始される。[投票]
★4ディックの奇妙な日々(1986/米)ヒット作はあるものの長いスランプに陥っているSF作家、ディック。あんなこんな理由から間借りすることになった家には、やたらと「カモーン!」な女主人&その娘がいて何かと彼を誘惑してくる。おまけに最愛のダイアンときたらイマイチつれないし編集者からは作品のダメだしばかりだし…。フィリップ・K・ディックが大好きだというゲイリー・ウォルコウが、制作はもちろん監督、脚本もこなした86分のファンタジー。1987年のアメリカン・フィルム・フェスティバル、グランプリ受賞作品。[投票]
★5ザ・ブランク・ジェネレーション(1976/米)1976年のCBGBやマクシズ・カンサス・シティでのギグを集めたドキュメンタリー。全編これニューヨーク・パンクス。リチャード・ヘルとジョニー・サンダースが一緒に演奏している様はコレでしか見られない、と鳥居賀句は語っている。てゆーか、このジャンルには鳥居賀句しかいないの?16ミリ、モノクロ、60分。[投票]
★4春桜 ジャパネスク(1993/日)桜の大樹をトラックの荷台に積み、その木々を移植するための場を探し旅する男。彼はある日、桜模様の着物を身にまとった美しい盲目の女と出会う。自分と同様「桜を追う旅の途中だ。」と話すその女を拾い一緒に旅を続けるうち、男はだんだん彼女の妖気にはまってゆくのだが…。全編これでもか!と言うほど桜の意匠で埋め尽くされた、清順にしては珍しいオールロケ作品。2003年の一般公開までは、かつてラフォーレ原宿で開催されたという「鈴木清順展」でのみの公開であったとのこと。風吹ジュン&伊武雅刀フリークには(出ずっぱりなので)たぶんたまらないであろう、80分のビデオ作品。[投票]
★5弘高青春物語(1992/日)キーワードは「旧官立弘前高等学校」、それのみ。清順も以前そこで学んだことがあるという同校の記録や同窓生たちの(熟成発酵された)思い出を、その頃の世相も交え奇想天外に甦らせたジャンル不問のビデオ作品。同窓会のために制作されたというややプライベートなものでもあるため、ある意味、清順ワールドの根幹となる素の部分も堪能できるかも。な、恋も友情もケンカもリビドーも怪談も戦争も革命もイデオロギーも芸術もつまった、当時の若者たちが見聞きし体験した青春の全てがある56分。[投票(1)]
★4ロックンロール(1973/英)ロンドンのサッカー場に10万人の観客を集めた、ひたすらヒット曲連発のライヴドキュメンタリー。米国から英国へ大移動した The kings of Rock'n'Rollによるパフォーマンス合戦:チャック・ベリーのダックウォーク、ジェリー・リールイスのパンピンピアノ、リトル・リチャードのストリップショーなどなど。ゲストとしてミック・ジャガーも登場します。[投票]
★5帽子箱を持った少女(1927/露)郊外の家に祖父と一緒に住み、帽子を作ってはモスクワの店へおさめて暮らすナターシャ。そんなナターシャにぞっこんの鉄道員フォーゲロフ。モスクワへ向かう途中の汽車でナターシャと知りあう、苦学生のイリヤ。それだけでもややこしいことになりそうなのに、納品先の帽子店経営夫婦、イレン夫妻とのちょっとした騒動もあって…。バルネットの初の長編にしてサイレント時代の代表作でもある68分のコメディ。主演のアンナ・ステンはこの作品で大成功をおさめ、ドイツ映画のオファーを受けた後、最終的にはハリウッドへ渡ったとのこと。[投票]
★5青い青い海(1935/露)大嵐のカスピ海。難破した船が打ち寄せた小さな島。その島の漁師たち(コルホーズの人びと)から助けられた、船の機関士アルーシャとユスフ。もともとそこのコルホーズへ派遣されるはずだったアルーシャとユスフは、そのまま小島で働きはじめる。やがてその若き青年たちは、美しい娘マーシャと出会い、ふたりそろって彼女に一目惚れ。無二の親友同士だったふたりは、いつしか恋のライバルとなってしまう…。ゴダールに「女は女である」を撮らせるきっかけともなったという、のびやかな青春映画71分。ヒロインを演じるエレーナ・クジミナは、当時バルネットの妻であったそうだ。[投票]
★4スサーナ(1950/メキシコ)ある嵐の夜、女子刑務所から脱走した一人の若く美しい女、スサーナ。彼女は農場を経営する、信心深い仲よし一家にまんまと入り込み、「純真」という意味を持つその名には全くふさわしくない行為を繰り広げてゆく…。ブニュエルはこの物語を「とても道徳的だ。」と言い、「たぶん、観客は物語の特に終わりの部分を、真剣に考えるだろう。」とまで語っているが、それが本心かどうかは判断しかねるそんな映画。ぜひ、ご自分で見て判断してください…。[投票]
★4この庭に死す(1955/仏=メキシコ)ダイヤモンドを埋蔵する南米某国某村には、一攫千金を夢見る男たちや彼らを相手とする商売人や山師がたんまり。が、ある日、政府軍が鉱山の独占政策を宣言したことで村中は騒然となり…。流れ者のシャーク、商売女のジン、ジンにぞっこんの老やもめカスタンと口の不自由なその娘マリア、カリスマ性のかけらもないリサルディ神父などなど。この先の彼らの運命は、はてさてどうなってゆくのでしょうか。ブニュエルの話によると、後半いきなりサバイバルに突入するこの映画は、「裏・皆殺しの天使」でもあるそうです。[投票]
★2Kissing ジェシカ(2001/米)熱心なユダヤ教徒の家に育ったジェシカ・スタインは、最近どうも恋に行き詰まっている。完全に思いを断ち切れずにいるモト彼は(なんと)職場の上司だし、出会う男たちときたらもう、とんでもない奴らばっかり。だからといって家族が勧めてくるお見合にもうんざりだし素敵な人と知りあったと思えばすでに売約済みだし…。そんなある日、ジェシカは新聞の恋人募集記事に、大好きなリルケの詩を引用したものを発見する。 主演のジェニファー・ウェストフェルトヘザー・ジャーゲンセンは、自らが演じることを前提に共同脚本を執筆したとのこと。21世紀版スタローン?!なふたりによる、96分のニューヨーク恋物語。 [more][投票(1)]
★5サン・ソレイユ(1982/仏)世界中を旅するカメラマンから受けとった手紙。それを朗読する女性の声と、そのカメラマンが目撃した映像の記憶。その映像は時空間さえも越え、過去や未来、南の象徴としてのアフリカや東の象徴としての日本などを通し、西洋の現在を顕わにしてゆく。タイトルの「サン・ソレイユ」とは「日の光もなく」という意味で、ムソルグスキーの歌曲から引用したもの。オリジナルの仏語版以外にも、英語版、独語版、そして日本語版があり、それぞれナレーション(つまり手紙の読み手)が違っている。ちなみに日本語版は池田理代子が担当しているが、たまさか彼女をテレビで見かけた監督による直々のご指名だったとのこと。ロンドン映画祭BFI賞受賞。100分。[投票]
★5昇天峠(1951/メキシコ)制作者でもあるアルトラギーレが、妻のマリア・ルイサとともにアカプルコからシワタネホへ旅行した際の体験をもとにした作品。メキシコの、教会さえないような田舎町に住む三人兄弟の末っ子オリベリオが、母の願いを叶えようとバスで町を目指し戻ってくるまでの珍道中。かなり密度の濃いバス旅行の様子なのだが、ブニュエルは後に「現実はこんなに"濃密である"はずがない。」とも語っている。また、この映画は途中で資金が尽きたため、(ブニュエル的には)最後まで撮り終えた気がしていないとのこと。なぜかカンヌ映画祭最優秀前衛映画賞受賞。[投票]
★4ストリート・オブ・ノー・リターン(1989/仏=ポルトガル=米)フランスにおいては「戦後アメリカの三大巨匠の一人」とも称されているらしいサミュエル・フラーの遺作。黒人と白人の人種対立が激化する架空の港町を舞台に、数年前の事件が原因でホームレスとなった元・大人気シンガーが繰り広げる愛と復讐の物語。シルエットと声のみでフラー本人も出演している他、看護婦役として妻が、唯一の子役として実の娘が出演しているという、ある意味で二重の「ファミリー」が登場するアクション活劇メロドラマ。 フラー曰わく「メロドラマとはアクションのあるドラマのことだ。」とのこと。[投票(1)]
★4ビッグ・タイム(1988/米)劇場で働く男としてのドラマ部分と、トム・ウェイツ本人としてのライヴ場面を巧みに融合させた不思議な音楽映画。ライヴ場面には観客がいっさい映っていないのだが、それは「映画が撮影された当時の年月」をフィルムに残さないための策だったとか。[投票]
★5美しき冒険旅行(1971/英)オーストラリアの砂漠の真ん中で、突然自ら命を絶つ父親。取り残されてしまった都会育ちの少女とその弟は、飢えや渇きとたたかいながら町を目指す。やがて目の前にアボリジニの少年が現れ…。撮影監督出身のニコラス・ローグによる、美しくも残酷な映像&物語。なお、この映画でデビューしたアボリジニの少年、デビッド・ガルピリルは、アボリジニの伝統的な踊りや楽器(ディジェリドゥというらしい)の優れた継承者でもあるとのこと。アボリジニを演じる役者としても活躍し続けている彼は、『クロコダイル・ダンディー』や『裸足の1500マイル』等にも出演している。[投票]