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tredairさんのあらすじ: 投票数順

★5カリガリ博士(1919/独)ふたりの男が並んで腰をかけている。そこに一人の女がフラフラ歩いてくる。美しいがかなり病んでる。視線も定まっていないし動きも異様。どう見てもアヤシイ。そんな彼女を指し示し、男の一人が話しだす。「実はオレ、彼女の婚約者なんだけどね…。」そして、彼らが体験したオソロシイ話が、何もかもが奇妙に歪む不思議な町の映像とともに再現されていく…。サイレントの古典にしてホラーの原型でもあるという狂気の殺人鬼モノ。夜祭り、見せ物小屋、香具師、眠り男、予言、連続殺人、影、おびえる女、拘束衣、精神病院、心の闇、催眠術、古い文献…。本来はもっと短い作品だったが、検閲を恐れた制作者が上記のシーンとエピローグを付け加えさせたとのこと。ドイツ表現主義について→ [more][投票(16)]
★5アンダルシアの犬(1928/仏)くわえ煙草のひとりの男(ルイス・ブニュエル)が剃刀を研ぐ場面からはじまる、悪夢のようなイメージ連鎖の数々。シュールで不可思議な世界を堪能する魅惑の17分、モノクロ。ブニュエルとダリが一緒にクリスマスを過ごしていた時に、ダリが「昨夜、掌をうようよしている蟻の夢を見たんだ。」と語り、ブニュエルが「何だって? 私は誰かの眼球を切った夢を見たんだ。」と応えたことから企画が始まったとのこと。何の討論もなく仲良く6日間で書きあげたというシナリオは「頭に浮かぶ第一番目のイメージを拾いあげ、反対に、文明や教育から連想されるものすべてを機械的に排除しつつ完成されたもの。」であるらしい。[投票(9)]
★4欲望のあいまいな対象(1977/仏=スペイン)「コンチータという名の女」に夢中になり、さんざんふりまわされる老紳士、ワチウ。金品をプレゼントしたり家族に援助したり家を買い与えたりととにかく尽くし、国境をも越えて彼女を追いかける。けれども、マチウの懸命の努力にも関わらず、「コンチータという名の女」は彼をさんざん挑発しつつも最終的には彼を徹底的に拒絶し続ける…。ブニュエル曰わく「欲望のあいまいな対象とは女性でも性でも精神でもなく、彼の欲求不満である。それが彼の欲望をより刺激するのだ。」この映画は(ブニュエルによると徹底的に計算しつくしたらしい)配役の妙味に最大のおもしろさがあるので、よーく注意して見てください。104分。[投票(6)]
★4キッズ・リターン Kids Return(1996/日)いつの時代かと言われるとちょっと困るような設定の、どうやら下町。高校生のマサルとシンジは今日も仲良くバカばっか。どっちかと言うと兄貴分のマサル、一見おとなしそうなシンジ。周りには漫才師を目指すコンビや喫茶店の女にいれあげてる奴、どうしようもないダメダメ不良グループなんかもいて、みんなそれなりに青春している。でも、本当にやりたいことはみつからないマサルとシンジ。なんだかプスプスくすぶりっぱなしの日々。そんなある日、ひょんなことをきっかけにふたりはボクシングと出会い、ジムに通いはじめるが…。北野武の映画らしく、ちゃんといつもの「スネに傷を持つ人々」も登場する108分。[投票(5)]
★2ある日どこかで(1980/米)脚本家デビューを飾ったその日、見知らぬ老女から意味ありげな 「帰ってきて」という言葉とともに時計を渡された主人公リチャード・コリアー。その8年後、彼はたまたま訪れたホテルで見た古い肖像画の女優、エリーズ・マッケナに恋をする。彼女の人生をたどるうちに、その肖像画は以前会った老女の若き日の姿であることを知るリチャード。彼は「時の流れを越えて」というタイムトラベルについての本を著したジャック・フィニー教授を訪ね、その教えに従いタイムトラベルに挑む…。宿命的な恋を描いた103分の切ないファンタジー。この映画の舞台となったホテルには映画を記念した碑もあるそうで、米国を中心に「ある日どこかで」ファンのための団体もあるとのこと。[投票(5)]
★4昼顔(1966/仏)青年医師であるやさしい夫を愛してはいるが肉体的なヨロコビにおいては満足していない妻、セヴェリエーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。しばしば性的妄想に耽っていた彼女は、ある日、女友だちから高級売春宿の存在を教えられる。やがてセヴェリエーヌは「昼顔」という名でそこで働きはじめ(もちろん夫にはナイショでーす)、その上品で貞淑な美貌のため、たちまち人気者となっていくが…。ブニュエルがドヌーヴとコンビを組んだ第1作、100分。最初、ブニュエルを理解できなかったドヌーヴは「何故こんなことをしなければならないのか分からない。」とスタッフに漏らしていたそうで、「ブニュエルが命じたとおりに振る舞うことです。」と説き伏せられたとのこと…。[投票(5)]
★5すべてが狂ってる(1960/日)戦争で父を亡くした次郎は、保険の外交員と重機メーカーお偉いさんの愛人という二足の草鞋でがんばって彼を育てる母とふたり暮らし。母の誕生日だからという理由で女の子とのデートさえソデにしちゃうぐらい「ママ大好き!」な次郎は、だからこそ、その愛人のお偉いさんが大嫌い。戦後のたいへんな時期を乗りきるためにはそうせざるをえなかったのだ、という母の話にも耳を貸さず、「彼の会社が作った兵器がオレの父ちゃんを殺したんだ!」と若者らしい少々アレな怒りを炸裂させ、欲望や希望、絶望が生々しく渦巻く享楽の街へと飛び出してゆく…。いつの時代にもある世代間の断絶と当時の若者風俗を鮮やかに切りとった71分。モノクロ。 [more][投票(4)]
★5銀河(1968/仏=伊)サンチァゴ・デ・コンポステラへの巡礼の道をたどる二人の男、ピエールとジャン。二人のロードムービー(と言ってしまってよいのかどうか少々迷うところだが…、捨聖さんのreviewをご参照ください)を主軸に、様々なキリスト教的エピソードが次々と繰り出される。それらのエピソードは異端派のものが中心だが、例えば「持っていないものは何も与えられないだろう。持っているものは、増やされるだろう。」といった有名な福音書のコトバでさえも、ブニュエルにかかるとかなり高度なギャグとなってしまう…。カソリック圏に生まれ育ったブニュエルの、とんでもないパンク魂が炸裂する102分。[投票(4)]
★4ヒア・マイ・ソング(1991/英=アイルランド)イギリス・リバプールの小さなミュージックホール。若きコンサートプロモーターのミッキーは、脱税で現在はお尋ね者の幻のオペラ歌手、ジョゼフ・ロックの復活コンサートを企画する。けれども当日やって来たロックはニセモノで、そのために、彼は仕事もプライドも恋人も失ってしまう。本物のロックを探すため、そして失った全てを取り戻すため、ミッキーは故郷のアイルランドへあてどない旅に出る…。 [more][投票(3)]
★3恋人までの距離〈ディスタンス〉(1995/米)遠距離恋愛していた恋人に会いにマドリードまでやって来たがどうもふられてしまった「アメリカ男」と、ブダペストの祖母に会いに行った帰りの「フランス女」が電車の中で偶然に出会い、ともにウィーンで途中下車して時間制限付きのランデヴーを楽しむ…。全編ほぼふたりの会話のみで構成された102分。つまり主演のふたりは出ずっぱりなので、イーサン・ホークジュリー・デルピーファンにはたまらない作品となっている。とも言える。米国映画ながらヨーロッパ濃度が高く、ロマの占い師なども登場する。[投票(3)]
★5モンド(1996/仏)ル・クレジオの「海を見たことがなかった少年〜モンドほか子供たちの物語」を映像化した作品。 南仏の小さな町に、ある日どこかから不思議な少年がやって来る。彼には家族も住む家もなく、けれどそのぶん自由を満喫し、やはり一般社会からはちょっとずつはみだした人々に受け入れられ町になじんでゆく…。 聖歌やアラブ音楽もこだまする、謎めいたファンタジー、80分。 実際のホームレスや綱渡り芸人が重要な(自分自身の)役を演じるこの映画では、主人公を演じる少年自身も、監督がメトロで見つけた強制送還すれすれのルーマニア系ロマだったとのこと。[投票(3)]
★5ベイビー・イッツ・ユー(1983/米)労働者階級で札付きの不良少年、イタリア系のシークは、転校先の廊下ですれ違った中産階級の優等生、ユダヤ系のジルに恋をする。やがて彼の熱心なアプローチに情をほだされたジルは…。新進のインディーズ監督だったジョン・セイルズが初めてメジャーで撮ったほろ苦い青春ドラマ。とは言え、結局はこの映画の編集権で配給会社ともめたことから、(最終的には彼の意向が通ったものの)セイルズはその後、再びインディーズ道へ戻ることとなる。ロザンナ・アークエットの初主演作でもある105分。流れるテーマはもちろん、シュレルズの「Baby It's You」。<これはビートルズのオリジナルではないっ![投票(3)]
★5アタラント号(1934/仏)セーヌをひたすら上り下りするだけの船、艀(はしけ)。若き船長であるジャンは村娘のジュリエットと結婚したばかり。ラヴラヴなふたりの新婚生活は順調なように思えたが、やがてジュリエットは艀での単調な生活に飽きだし…。短編も含みたった4本の作品を残し、29才で夭逝したジャン・ヴィゴ。彼の遺作にして代表作でもあるこの映画は、(その前作がアナーキー過ぎると公開禁止を受けたことなどから)配給会社により初めは24分も短縮され、タイトルも当時のヒット曲「流れゆく艀」に変更されるという憂き目にあう。が、1990年、イギリスでひょっこり元のフィルムが見つかったことにより、その年のカンヌ映画祭でみごとに復元公開。絶賛される。公開までのいきさつ付き、101分。[投票(3)]
★5自転車吐息(1990/日)新聞配達をしながら浪人生活をする史郎と圭太。受験勉強よりも高校時代に撮りはじめた8ミリを完成することにご執心な史郎に対し、圭太は三浪というプレッシャーに押しつぶされそう。そんな彼らのもとに、今は東京で暮らす圭太の元恋人、京子がしばらく帰省するという噂が…。監督による主演はもちろん、家族まで総動員して撮りあげたといういかにもな(ややワンマンぎみ)自主映画。「俺」という旗を持って疾走する、マッチ一本の灯りで見渡せる93分の青春碑。「終わりだ。嘘ももうつくな。精算してくれ!君の青春を!」監督の意向ということで永らくビデオ化されていなかったが、気が変わったのか2001年にはDVD化までされたとのこと。89年度PFFグランプリ受賞のスカラシップ作。[投票(3)]
★5オルフェ(1950/仏)竪琴の名手オルフェウスは美しいエウリュディケと結婚。けれどもある日、彼女は毒蛇にかまれ死亡。オルフェウスは冥界へ彼女を迎えに行き、その竪琴の音色で黄泉の国の王ハデスの心を動かす。ところが彼女を再び地上に連れ戻すための唯一の条件「地上に着くまでのあいだ決して後ろを振り向かないこと」を破ったため失敗し、悲しみのあまり発狂して死に至る。…という琴座(ヴェガ)にまつわる有名なギリシヤ神話を、思いっきりコクトー流に脚色した作品。オルフェは現代のカフェにたむろする詩人で、身重の妻ユリディスよりも黄泉の国の美しい女王にご執心。冥界への入り口は鏡、鍵は手袋、死に神はオートバイに乗って暴走。冥界では(なんと!)裁判まで開かれている…、といった112分。[投票(3)]
★4皆殺しの天使(1962/メキシコ)エンリケ・ノビレと妻のルシアは、オペラ帰りの名士たち約20名を自宅の晩餐会へと招く。が、まるで何か悪い予兆でもあったかのように、彼らが屋敷に到着する頃には、執事のフリオを除くすべての使用人は逃げ出してしまっている…。それでも和やかに歓談し食事をとる一同。ところがその後、なぜか誰ひとり客間から出られなくなってしまい、また、外からも誰ひとり屋敷に入れなくなってしまう…。極限状態におかれた客たちの悲しくもありおかしくもある醜態や、外で大騒ぎする人々の様子をたのしむ不条理型パニックムービー。95分。「皆殺しの天使」というタイトルは聖書の黙示録に出てくるもので、もともとは友人が違う作品に使おうとしていたものをブニュエルが先にパクったそう。とは言え、きちんと使用許可を求める手紙を書き「聖書の言葉に使用権も何もあるかね。」という返事をもらったそうなのでどうぞご安心ください。[投票(3)]
★323 トゥエンティースリー(1998/独)右翼系新聞社に勤める父と、ちょっとレフティな息子カールは対立している。そんなカールの愛読書は、内容を知った父(プレゼントしたのも彼なんだけどね)に「危険だ!」と取り上げられそうになったカルトSF「イルミナートゥス」。<陰の世界こそが真実の世界を操っている>というその物語を現実と混同した彼は、自分のコンピュータに小説に出てくるコンピュータと同じ名を付け、ハッキング道を究めていく。そして、ファンの集い「イルミナートゥス・オフ」をきっかけに立派なハッカー(しかもジャンキー)となった彼は、いつしか東西対立の諜報活動に巻き込まれ…。小説のキーとなる「23」という数字にとりつかれた青年の、実話ベースな96分。[投票(2)]
★5会議は踊る(1931/独)時は1814年、ロシア遠征の失敗をきっかけにナポレオンが失脚し、エルバ島へと流されていた頃。混乱しきっていた欧州の秩序を回復するためにとウィーン会議が開かれ、その議長を担うオーストリア外相のメッテルニヒは、少しでも自国に有利な会議にしようと様々な策略を謀る。一方、そんなメッテルニヒが繰り出す謀略を交わすためにと、ロシア皇帝アレクサンダーは自分の影武者を連れて来墺。そして、彼の来維を祝うパレード中に起きたちょっとした事件を通し、生粋のウイーン娘クリステルと知り合う…。主題歌の「ただ一度だけ」が有名なドイツのオペレッタ、84分。もともとは「會議は踊る」という表記だったらしいブラックな笑いにも満ちたロマンス。 [more][投票(2)]
★4陽炎座(1981/日)大正時代の東京。病院へ見舞いに行く途中だという品子と石段で出会った劇作家の松崎は、その後も何度か偶然としてはできすぎの出会いを重ね恋におちる。 やがて、その品子は自分のパトロンである玉脇の後妻だと知り、また、やはり石段で遭遇したイネが、すでにその時は死んでいたはずの玉脇の先妻であることも知る。 品子の恋文に導かれて金沢へ向かった松崎は、和田というアナーキストに出会い、人形を通して裏返しの世界を教えられる…。 じゅうぶんエンターテイメントだと思っていた『ツィゴイネルワイゼン』を難解だ芸術だと評された清順が(やや立腹し)「本当に難解で芸術的な作品を撮ってやる!」と挑んだという説もある139分。[投票(2)]
★4ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972/仏)セネシャル夫妻の夕食に招かれたミランダ共和国大使、セビノ夫妻、フロレンセの4人。けれども日程の間違いからセネシャル家では何の支度もされていなく、一同はレストランへ。けれどここでも…。別の日も、あくる日も、そのまた次の日も、どうにも気持ちよく食事をとれないブルジョアたち。そしてそこに、麻薬取引や現実と夢のあいまいな境界線までもが交差してきて…。あの手この手の「食べられない理由」の中には、ブニュエル自らもしくは友人が実際に体験した例もあるという。脈絡もなく夢の話をしたくなる(copyright:太陽と戦慄様)102分。[投票(2)]