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tredairさんのあらすじ: 投票数順

★5ラスト・オブ・イングランド(1987/英)あらすじも何も監督自らが「ストーリーはありません。ちょっとしたラヴストーリーはありますが。セリフもない。1920年代の後半に誰かが無声映画にこれを持ち込んで、以来、映画は拘束されるようになってしまった。」と語る物語のない(けれど饒舌な詩を内包した)映画。すでにAIDSにおかされていた監督自身の現在の姿と、彼の祖父母が家庭用ビデオで撮影したという20年代末の中流家庭の様子、ロンドン郊外等の廃墟やそこをさまよう青年、そして、ちっともハッピーじゃない近未来の暴力的イメージ。サイモン・ターナーの音楽とともに様々な美が押し寄せ通り過ぎてゆく、めくるめく87分。この象徴的なタイトルは「ヴィクトリアン・バリューズ」から「ザ・デッド・シー」、「G.B.H(内容に問題あり、という意味らしい)」と変遷した結果、決定したものとのこと。[投票(1)]
★5キツツキはいない(1984/豪)日常のふとした瞬間に頭に思い浮かぶような、とりとめのない想像や奇妙な連想。それらをオムニバスとして映像化した、モノクロ12分30秒の実験的作品。当時のジェーン・カンピオンはルイス・ブニュエルに傾倒していたそうで、原題の「PASSIONLESS MOMENT」とは、心理学用語で「無為の瞬間」という意味であるらしい。同時上映の「ピール」は、少年がオレンジの皮を窓から投げ捨てたことをきっかけに、家族一人一人の内面があらわになってゆく作品(カラー、9分)。「彼女の時間割」は、かなり不幸な家庭環境にある、ちっとも可愛くない60年代の多感な少女たちをあたたかい視線で描いた作品(モノクロ、27分)。[投票(1)]
★3ディープ・インパクト(1998/米)14歳のリオ・ビーダマンは意中のサラと一緒に天体観測をしていて、彗星らしきものを発見する。報告を受けた天文学者ウルフ博士がその軌道を調べると、それは地球に向かって接近しており、しかも滅亡させるほどの巨大なものであるらしい…。 リオ&サラをはじめ、大統領やテレビキャスターのジェニーとその家族、宇宙飛行士たちなどが織りなす、運命の日を前にしての様々な人間ドラマ。同時期に公開された『アルマゲドン』と何かと比較されがちな121分。*こちらはブルース・ウィリスが出演していない方です。[投票(1)]
★5if もしも…(1969/英)イギリスの、とある伝統的な全寮制私立校。 校則が厳しく、指導官や監督生がかなり幅をきかせている。そのような環境の中で不満を募らせる反逆分子のミック・トラビス。親友のジョニー・ナイトリー&ウォーレスとたむろする部屋の壁には多くの戦争写真が飾られ、彼らはそこでこっそり酒を飲んでは喫煙する…。『八月の鯨』のリンゼイ・アンダーソンがイギリス時代?に撮った、『時計じかけのオレンジ』で有名なマルコム・マクダウェル主演の青春映画、112分。カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。[投票(1)]
★4嵐が丘(1953/メキシコ)エミリ・ブロンテによる怒濤の恋愛小説「嵐が丘」を、名前から舞台からラテン色に染めあげ(ヒースクリフとキャサリンはアレハンドロとカタリナに、ヒースの丘はメキシコの砂漠に、といった基本事項はもちろん、細部に渡るラテン風味にもご注目!)、かつ、登場人物の暴力的なほどの愛や憎しみ、葛藤をさらに増強させた86分。「すべてを破壊させる狂気の愛」を撮りたかったブニュエルにとって、ウィリアム・ワイラー版はどうもお気に召さなかったらしい…。自分のものを撮り終えた数年後に鑑賞し、「私の映画の方が小説の精神という観点からすれば、ずっと出来がよいと思う。」と豪語している。[投票(1)]
★5忘れられた人々(1950/メキシコ)メキシコシティのスラム街を舞台とした、愛に飢えた貧しい少年たちの救いようのない物語。「現実に忠実な映画」を撮りたかったブニュエルは、すでに撮影時から「それを良しとしないメキシコ人スタッフ」ともめたらしく、当地での公開後にはマスコミからもずいぶん叩かれたらしい。「お前は、33条(好ましくない外国人を国外追放する条項)適用だ。メキシコを侮辱しに来たガチュウピン(スペイン本国生まれのスパニッシュに対する蔑称)め!」とまで言われ、その波はメキシコだけでは留まらなかったとのこと。が、最終的にはカンヌ映画祭最優秀監督賞と国際批評家賞を得て国際舞台への復帰を果たす、記念碑的作品となる。現在においても強烈な、負け犬たちの81分。[投票(1)]
★3五人少女天国行(1991/中国=香港)因習にがんじがらめになった農村部に暮らす仲良し少女5人組が「嫁入り前に首を吊れば白い鳥になって"少女の花園"へ行き幸せになれる。」という口寄せの巫女の言葉から集団自殺を決意する。その集団自殺に行きつくまでの5人それぞれの物語をオムニバス風につづった作品で、美少女が次々と登場しては悲惨な現実に直面していく…。漢字が並んでいるのでうっかりだまされそうになるが、実はコレは邦題で原題ではないという98分。[投票(1)]
★3ハモンハモン(1992/スペイン)おぼっちゃまであるホセ・ルイスの子を妊娠した娼婦の娘シルビア。二人をどうにか引き離そうと、ホセ・ルイスの母コンチータは、シルビアを誘惑するよう色男のラウルを雇う…。複数の男女が入り乱れる愛欲悲喜劇。なぜかヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞受賞。ペネロペ・クルスのデビュー作でもある93分。[投票(1)]
★5ヴォイス・オブ・ヘドウィグ(2006/米)LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィアの略称)の青少年を保護するための非営利団体「ヘトリック・マーティン・インスティテュート」の研究機関として発足し、2003年には正式な高校として新たに開校された「ハーヴェイ・ミルク・ハイスクール」。そこに通う4人の生徒たちの姿を追いつつ、同時にその高校のためのチャリティアルバム「WIG IN A BOX」(『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のトリビュートアルバム)の制作に奔走するプロデューサーや協力ミュージシャン等の様子をもとらえた二重構造のドキュメンタリー。101分。[投票]
★4吐きだめのヒーロー(1987/米)1969年、アメリカ。バンで旅するヒッピー夫婦がチンピラたちのトラブルに巻き込まれ殺害されてしまう。逃げのびた彼らの幼い息子はホームレスの女リアに拾われ、Wild thing(なぜか邦訳だとワイルドマンに…)と呼ばれ成長。育ての親であるリアが亡くなった後は、両親を殺害したチンピラ(現在は出世して裏の大ボス)が牛耳るスラム街で、伝説の主として隠遁生活を送っている。「お前、Wild thingを知ってるか?」「すげー、強いんだろ?」「てゆーか、とんでもなくおっかねぇらしいぞ」「歯向かうと簡単にヤられちゃうって聞いたぜ!?」「でも最近この街に越してきた白人女を救ったって噂もあるぜ?」無法地帯のヒーローファンタジー、92分。[投票]
★3花芯の刺青 熟れた壺(1976/日)人形師だった夫と死に別れたみち代(谷ナオミ)は、連れ子のたか子とともに二人きりで暮らしている。たか子ももう二十歳、なかなか複雑なお年頃だ。みち代は夫の職を継ぎ人形師を生業としているが、颯爽と青春を謳歌するたか子とは違い、あくまで地味な、亡き夫への操に関しても全くゆるぎのない毎日だ。が、しかし。ある日みち代は人形問屋の貝島に騙され料亭で犯されてしまい、あろうことか自宅にまでやって来た彼に再び犯されそうになっている姿を、たか子に目撃されてしまう。しかもショックを受け家を飛び出したたか子が遭遇した交通事故の加害者は、他でもない、みち代の初恋の相手であり初めての相手でもあった男の落とし子だったのだ…。[投票]
★5ピクシーズ ラウド・クァイエット・ラウド(2006/米)1980年代の後期から90年代初期にかけ活躍し、数枚のアルバムを残しただけで突然解散したオルタナバンド、PIXIES。本作は彼らが(これまた)いきなり再結成し大規模ツアーでファンをわかせた2004年の記録。なんだけれども残念ながらフジロックもジャパンツアーも入ってないの。でもケリーはちゃんと出てるわよ、BREEDERSファンにもオススメよ、な85分。[投票]
★5アクメッド王子の冒険(1926/独)世界初?の長篇影絵アニメーション。おなじみ千一夜物語から「飛ぶ馬」や「アラジンと魔法のランプ」「シンドバッドの冒険」等の有名なエピソードやモチーフ、キャラをとりだしオリジナル度満点にリミックスした65分。映画史的にも芸術的にも淀川語録的にも重要な作品とされつつサイレントということもあり滅多に上映されることのない幻作となっていたが、1999年にドイツで映像の修復が、続いて英国でオリジナル楽譜によるオケの収録がなされる。とはいえここまではまだ欧州でのDVD流通ベース、知る人ぞ知る。とゆーわけで2005年、日本の発案で遂に劇場用ステレオサウンド版ニュープリントが作成、満を持しての一般フィルム上映が開始される。[投票]
★4ディックの奇妙な日々(1986/米)ヒット作はあるものの長いスランプに陥っているSF作家、ディック。あんなこんな理由から間借りすることになった家には、やたらと「カモーン!」な女主人&その娘がいて何かと彼を誘惑してくる。おまけに最愛のダイアンときたらイマイチつれないし編集者からは作品のダメだしばかりだし…。フィリップ・K・ディックが大好きだというゲイリー・ウォルコウが、制作はもちろん監督、脚本もこなした86分のファンタジー。1987年のアメリカン・フィルム・フェスティバル、グランプリ受賞作品。[投票]
★5ザ・ブランク・ジェネレーション(1976/米)1976年のCBGBやマクシズ・カンサス・シティでのギグを集めたドキュメンタリー。全編これニューヨーク・パンクス。リチャード・ヘルとジョニー・サンダースが一緒に演奏している様はコレでしか見られない、と鳥居賀句は語っている。てゆーか、このジャンルには鳥居賀句しかいないの?16ミリ、モノクロ、60分。[投票]
★4春桜 ジャパネスク(1993/日)桜の大樹をトラックの荷台に積み、その木々を移植するための場を探し旅する男。彼はある日、桜模様の着物を身にまとった美しい盲目の女と出会う。自分と同様「桜を追う旅の途中だ。」と話すその女を拾い一緒に旅を続けるうち、男はだんだん彼女の妖気にはまってゆくのだが…。全編これでもか!と言うほど桜の意匠で埋め尽くされた、清順にしては珍しいオールロケ作品。2003年の一般公開までは、かつてラフォーレ原宿で開催されたという「鈴木清順展」でのみの公開であったとのこと。風吹ジュン&伊武雅刀フリークには(出ずっぱりなので)たぶんたまらないであろう、80分のビデオ作品。[投票]
★4ロックンロール(1973/英)ロンドンのサッカー場に10万人の観客を集めた、ひたすらヒット曲連発のライヴドキュメンタリー。米国から英国へ大移動した The kings of Rock'n'Rollによるパフォーマンス合戦:チャック・ベリーのダックウォーク、ジェリー・リールイスのパンピンピアノ、リトル・リチャードのストリップショーなどなど。ゲストとしてミック・ジャガーも登場します。[投票]
★5帽子箱を持った少女(1927/露)郊外の家に祖父と一緒に住み、帽子を作ってはモスクワの店へおさめて暮らすナターシャ。そんなナターシャにぞっこんの鉄道員フォーゲロフ。モスクワへ向かう途中の汽車でナターシャと知りあう、苦学生のイリヤ。それだけでもややこしいことになりそうなのに、納品先の帽子店経営夫婦、イレン夫妻とのちょっとした騒動もあって…。バルネットの初の長編にしてサイレント時代の代表作でもある68分のコメディ。主演のアンナ・ステンはこの作品で大成功をおさめ、ドイツ映画のオファーを受けた後、最終的にはハリウッドへ渡ったとのこと。[投票]
★5青い青い海(1935/露)大嵐のカスピ海。難破した船が打ち寄せた小さな島。その島の漁師たち(コルホーズの人びと)から助けられた、船の機関士アルーシャとユスフ。もともとそこのコルホーズへ派遣されるはずだったアルーシャとユスフは、そのまま小島で働きはじめる。やがてその若き青年たちは、美しい娘マーシャと出会い、ふたりそろって彼女に一目惚れ。無二の親友同士だったふたりは、いつしか恋のライバルとなってしまう…。ゴダールに「女は女である」を撮らせるきっかけともなったという、のびやかな青春映画71分。ヒロインを演じるエレーナ・クジミナは、当時バルネットの妻であったそうだ。[投票]
★4スサーナ(1950/メキシコ)ある嵐の夜、女子刑務所から脱走した一人の若く美しい女、スサーナ。彼女は農場を経営する、信心深い仲よし一家にまんまと入り込み、「純真」という意味を持つその名には全くふさわしくない行為を繰り広げてゆく…。ブニュエルはこの物語を「とても道徳的だ。」と言い、「たぶん、観客は物語の特に終わりの部分を、真剣に考えるだろう。」とまで語っているが、それが本心かどうかは判断しかねるそんな映画。ぜひ、ご自分で見て判断してください…。[投票]