| ★5 | ファザー、サン(2003/露＝独＝伊＝オランダ) | 海の見える古びたアパートの最上階に父（シチェティーニン）と息子のアレクセイ（ネイムイシェフ）は二人で暮らしている。父は軍人だったが若くして一線を退き、息子は父に憧れ軍隊を目指す。アレクセイは恋人（ザスーヒナ）と父との間で葛藤していた…。ある日、軍隊時代の父の友人の息子（ラヴロフ）が二人のもとを訪ねて来る。2003年度カンヌ国際映画祭批評家連盟賞受賞。場所も時も限定せずにソクーロフが綴る親子愛を軸に広がる物語。（カラー 84分） | [投票] |
| ★5 | 友だちの恋人(1987/仏) | 舞台はパリ郊外。市の職員のブランシュ（ショーレ）と学生のレア（ルノワール）は偶然出会い、たちまち意気投合。レアにブランシュはプールで泳ぎをコーチする程。ある日、ブランシュはレアの彼氏ファビアン（ヴィラール）と、その男友達のアレクサンドル（フランソワ・エリック・ゲンドロン）を紹介される。ブランシュはアレクサンドルのことが気になるが、なかなか言い出せない。そんな折り、レアはファビアンに内緒で別の男友達と出かけてしまう。暇を持て余すファビアンはブランシュをサーフィンに誘い、アレクサンドルに魅かれながらもファビアンの誘いにブランシュは応じてしまい…。4人の男女の複雑な恋するひと夏をエスプリたっぷりに描いたロメールの秀作。（カラー 102分） | [投票] |
| ★5 | ブラザー・フロム・アナザー・プラネット(1984/米) | NYに辿り着く一人の謎の男（モートン）。彼は言葉は話さないが触れただけで傷を治したり壊れたものを修理する不思議なパワーを持っていた。いつしかハーレムに住み着いた男は"ブラザー"と呼ばれ近隣の住民と親しくなり、修理人として糧を得る。そんな或る日、不可思議な二人組の男（デイヴィッド・ストラザーン、セイルズ）が、突然現れる、彼等はハーレム中を嗅ぎ回りブラザーを探しまわる。ブラザーと二人組は、いったい何者なのか？。そしてブラザーの運命は？。80’sが濃縮されたセイルズ監督のセンスが光るヒューマン・SF・サスペンスの傑作。（カラー 110分） | [投票] |
| ★5 | 人生は長く静かな河(1988/仏) | ナースのジョゼット（カトリーヌ・イジェル）は15年間、愛人として尽くした医師のマヴィアル(ジェラン)が、やもめになったので当然、籍を入れてくれるものと思っていた。しかし、一向にその気配を見せない医師にカッとし12年前に起こした赤ちゃんの取り違え事件を暴露する。なんとブルジョワ家庭で育てられた少女バーナデット（ヴァレリー・ラランド）と、貧しく奔放な家庭に育つ少年モモ（マジメル）が取り違えられた二人だと云う。双方の家庭それぞれにショックと怒りが巻き起こる。とりあえず交流を持つことにし、バーナデットの両親は娘を手元に残しつつモモまで面倒を見ると提案するも、事態はややこしいことに…。（カラー 91分） | [投票] |
| ★5 | わんぱく離婚同盟(1991/仏) | フランスの郊外の小学校。ジュリアン（ディラン）のクラスにトマ（セール）という少年が転校してくる。彼の両親は離婚を繰り返しており家庭環境は複雑。トマとジュリアンは仲良くなるが、そんな折りジュリアンの両親にも離婚の危機が訪れる。早速それを嗅ぎ付けたジュリアンのライバルが、ジュリアンの父親の浮気写真を証拠に脅しをかける。かくして親の離婚している子供VS親の結婚している子供たちで抗争が始まる。さらにジュリアンの恋なども絡ませてストーリーはシニカル&ユーモラスに展開。親の離婚問題を子供たちの問題に発展させるドライな作風はさすがフレンチ。クリストファー・ランバートが製作に名を連ねる隠れた名作。個性豊かな子役たちがイイ。 | [投票] |
| ★5 | 木曜組曲(2002/日) | 4年前にミステリアスな薬物死を遂げた女流作家・重松時子（浅丘ルリ子）。彼女を偲び毎年、彼女の邸宅に集う5人の女たち。今年の偲ぶ会は、一通の奇妙なメッセージ付きの花が届けられたことから揺れ動く。それそれが胸に抱えていた時子の死に関する疑惑の影。彼女の死の真相はいったい何だったのか？。物書きである彼女たちの二転三転する推理が、その度に銘々を翻弄する。やがて各々が限界に達した時に、真実の扉が少しづつ開きはじめる…。恩田陸のベストセラー小説を浅丘筆頭に、鈴木京香、原田美枝子ら豪華キャスティングで映画化。（カラー/113分） | [投票] |
| ★5 | ひき裂かれた盛装(1967/日) | 倫子（大楠）は富豪令嬢。父（小沢）の決めた婚約者である財閥の御曹子とドライブに出かけた際に、そこで佐倉（成田）と言う男に出会い惹かれる。しかしこの佐倉と言う男は倫子の父の愛人である高級料亭のマダム・かおり（藤村）と関係のある便利屋だった。倫子の父の正体を知り倫子に近付く佐倉。佐倉の危険な魅力にどんどん惹かれだす倫子。やがて、かおりが功名に張り巡らす陰謀も絡み物語は複雑に転じ出す。果たして倫子の想いは？佐倉との関係は？かおりの思惑は？。黒岩重吾の原作の錯綜するストーリーが痛快なサスペンス作品。 | [投票] |
| ★5 | のんきな姉さん(2002/日) | 安寿子（梶原）は有能なOL。クリスマスのある日、彼女宛に彼女の会社に1冊の本が届く。それは彼女の弟・寿司夫（塩田）からのものだった。
残業で人の居ないオフィスにて、弟の書いた小説を読み進めてゆくうちに、そこに描かれる人物たちに自分と弟の関係を垣間見て動揺する安寿子。その時、突然に彼女の携帯電話が鳴る。それは寿司夫からの電話だった。彼は安寿子に自殺を仄めかす。彼女は無造作に電話を切るが…。PFFにて史上最年少入賞を果たした経歴を持つ七里監督の長編デビュー作。3つの作品から原作はヒントを得ている。 | [投票] |
| ★5 | 二十歳の死(1991/仏) | 二十歳のパトリックが自殺を図り、彼は病院で生死の境を彷徨っている。彼のことを聞き付け彼の家に親戚が集う。両親、兄弟，従姉妹たちが、それぞれに直接的では無いながらパスカルのことを思い時間を過ごす。淡々と52分間に情景を刻み込んだデプレシャン監督の傑作。 | [投票] |
| ★5 | クーリンチェ少年殺人事件(1991/台湾) | 少年スー（チェン）は夜間中学に通っている。彼はミン（ヤン）と言う少女と出会い、密かに恋い焦がれる。しかし彼女はスーも関わりのある不良グループのリーダーの彼女だった。ある日、スーは、転校してきた司令官の息子のマーにミンと二人で因縁を付けられていたのを救われ、3人は仲良くなってゆく。やがて不良グループと敵対する軍のグループの抗争に少年たちは巻き込まれてゆく…。60年代ののどかな一方で複雑な台湾の当時の文化的背景や少年たちの無軌道な青春を実在の事件をモチーフに描いたヤン監督の意欲作。 | [投票] |
| ★4 | ホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼-(2002/仏＝独＝ルーマニア) | ナチスの親衛隊であるクルト中尉（トゥクール）は化学の分野で才があり、自身が関わっていた薬物や研究が正しく使われていると信じていた。しかし訪れたポーランドの強制収容施設にてユダヤ人虐殺を目の当たりにし呆然とする。非人道的な行為を見過ごせず良心の呵責に苛まれたクルトは、カソリック教会に駆け込むが、司教は虐殺など流布しているデマだと取り合おうともしない。しかし居合わせた修道士リカルド（カソヴィッツ）だけはクルトの話に真摯に耳を傾け、黙っては居られずに共に立ち上がるのだった…。『Z』、『ミッシング』などで著名な社会派コスタ=ガヴラス監督がついにホロコーストをテーマに挑んだ意欲作。（カラー 126分） | [投票(2)] |
| ★4 | 記憶の旅人(1999/米) | 病院で昏睡から覚醒した少年バー二ー（イライジャ・ウッド）は記憶喪失の状態だった。彼はホスピス病棟に混じり独り治療を受けている。しだいに入院している他の患者たちと友情を深めてゆくバー二ー。そして彼は友人になった少年（ジョー・ペリーノ）の妹（レイチェル・リー・クック）に自然に惹かれ出して行く。友情や恋する日々の中でしだいに記憶を取り戻してゆくバー二ー。やがて彼は信じがたい真実へと辿り着いて行く…。ロバート・コーミア原作の感傷的なミステリー仕立ての青春ストーリー。 | [投票(1)] |
| ★4 | シンデレラ(1950/米) | シンデレラは父親ととても幸福に暮らしていた。ある日、継母と二人の姉がやって来る。やがて、優しかった父親が亡くなると継母の態度は豹変し、シンデレラを召し使いのように扱うようになる。しかし、心の優しいシンデレラは困難にも負けず、小鳥やネズミたちと仲良く暮らし、美しい娘に成長する。その頃、お城で王子の妃を選ぶパーティーが催され国中の娘が招待される。二人の義姉たち同様、期待に胸を膨らますシンデレラ。しかし…。世界中で有名なぺローの原作童話をディズニーが、夢いっぱいに映画化。数々の珠玉のナンバーとグラデーションをベースとした映像が美しい長編アニメーションの傑作。（カラー/74分） | [投票(1)] |
| ★4 | ハイランダー 悪魔の戦士(1986/米) | 16世紀のスコットランド。コナー（ランバート）率いる一族が、黒騎士と呼ばれるクルガン（ブラウン）率いる一族と戦う。やがて不思議な力を手に入れたコナーは、それが元で村を追われる。そんな彼の前にラミレス（コネリー）という男が現れ．驚愕の事実をコナーに告げる…。そして舞台は現代のN.Y.。鑑識課員のブレンダ（ハート）は、不気味な殺人事件の捜査に加わっていた。事故現場に太古の太刀の破片を見つけた彼女は捜査をするうち一人の古物商の男に出会う。やがて彼女まで事件に巻き込まれ…。時空を越えた運命に導かれるファンタジー冒険譚。（カラー/117分） | [投票(1)] |
| ★4 | ドクター(1991/米) | 心臓外科医のジャック（ウィリアム・ハート）は医者という職業を割り切って考える主義。患者に感情を抱き接する医者に軽蔑すら抱いている。稼いだお金を贅沢に使い家族のことを顧みないワンマンな性格でもあった。しかし或る日、彼は体に違和感を覚える。医者であった彼は患者の立場へ急転し不安と戸惑いに苛まれる。そんな折り重病の患者ジューン（エリザベス・パーキンス）と出会った彼は彼女を通し今まで見えていなかったものを見つけ出して行くのだった。医者という職業をテーマにヒューマンに描く秀作。 | [投票(1)] |
| ★4 | ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ(2009/英＝カナダ) | 舞台は50年代のリバプール。厳格な叔母ミミ（スコット・トーマス）の元で、育つジョン（ジョンソン）は、無軌道に青春を送っている。或る日、ついに実母（マリー・ダフ）の所在を突き止め、ミミに内緒で訪ねる。厳しい叔母とは異なる陽気で明るい母のキャラクターに、たちまち魅了されて行くジョン。やがて母の元に入り浸るうちに、音楽好きの母からバンジョーの手ほどきを受け…。誰もが知ってるビートルズのカリスマ、ジョン・レノンの知られざる数奇な少年時代を描いた佳品。（カラー98分） | [投票] |
| ★4 | 夏時間の庭(2008/仏) | パリの郊外。著名な画家である大叔父の作品やコレクションと共に、母エレーヌ（スコブ）は今も生家に住んでいた。母の誕生日を祝う為に、久しぶりに集う子供達（ベルリング、ビノシュ、レニエ）とその家族。自然の溢れる庭を駆け回る幼い孫達と犬。料理を囲みワインを楽しむ大人達と流れる夏の濃密な空気。けれど、それも束の間、時は瞬く間に過ぎる。エレーヌは密やかに自分の死後の財産処分を長男（ベルリング）に、指示をする。生まれ育った思い出の家や、芸術的なコレクションの売却等、考える事も出来ない子供達であるが…。（カラー 102分） | [投票] |
| ★4 | デッドリンガー(2005/仏＝ベルギー) | カメラマンのマチアス（マジメル）は臨月の妻（レニエ）と、幼い息子（ラクロワ）と3人で幸せに暮らしていた。そんなある日、一通の手紙が届く。それはマチアスの母が亡くなったという知らせであった。自分は孤児だと思っていたマチアスは混乱する。母の遺産の手続きの為、弁護士のもとを訪れたマチアスはそこで自分と瓜二つのトマ（マジメル）と出会い驚愕する。やがてマチアスは幼少期の記憶の欠落に気付き、しだいに悪夢にうなされる様になり…。"双子"がキーワードのフレンチ・スリラー。（カラー 98分） | [投票] |
| ★4 | ファイナル・デッドコースター(2006/米) | マッキンレー高校の生徒たちは卒業記念に夜の遊園地を訪れていた。生徒の一人ウェンディ（ウィンステッド）はステディなジェイソン（モス）や、ケヴィン（メリマン）ら友人グループと遊園地の目玉であるジェットコースターに乗ることにする。しかしデジタルカメラでスナップを撮影していたウェンディは、はしゃぐ友人たちを尻目に、ひとり嫌な予感に苛まれる。刻一刻とジェットコースターの発車時間が迫る中、ウェンディの頭の中を驚愕なフラッシュバックが去来する。彼らを待ち受ける運命とは？。不吉な運命に左右されるメガヒット・ホラームービーの第三弾。（カラー 93分） | [投票] |
| ★4 | 計画性の無い犯罪(1989/米) | 名うての犯罪者フランク（バーンセン）の招集のもと、彼の住む田舎町に、その道のプロである4人の男たち（フィリップス、グウィン、ブラデスほか）が集まる。ところが、いざフランクの家に辿り着くと、とうの本人の姿が無い。フランクの不在で疑心暗鬼の高まる4人。しかしフランクの荷物から、ある犯罪計画を知り、結束が高まる。一方、フランクはフランクで家に不在の事情が有り…。ユーモアたっぷりのアメリカらしいコメディ。（カラー 101分） | [投票] |
