建築作業員として覇気の失せた日々を送る鉄（徳井義実）は、１７歳のころには族の頭を張った男であった。当時、離散集合を繰り返した関東一円の暴走族は「神叉」として一応の連帯を見せたのだが、狂犬の渡辺（中村達也）の実弟の死を契機にした内部抗争から、カリスマ総長の夏目（北村一輝）の死に至る事件を機に縮小解散へと向かい、今では、かつての仲間たちも各々の生活に追われていた。しかし、五十嵐（村上淳）だけは渡辺への耐え難い恐怖感に苛まれ、その矛先が電器屋家業を営む横田（阿部サダヲ）へ向かう…。田中宏のヒット漫画を映画化した熊切和嘉劇場映画監督第１２作。