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町田さんのあらすじ: 更新順

★4野獣都市(1970/日)大学で工学を専攻していた有間(黒沢)はバイト先の銃砲店で知り合った企業家・石浜(三國)に鉄砲と運転の腕を買われ彼のお抱えとなる。石浜は戦時中の麻薬の闇取引から身を起した男で、これをネタに昔の仲間岩野(小松)から度々強請られていたが、岩野と取引現場に付いて来たやくざを有馬が射殺したことから二人の主従関係は一層強いものとなる。左翼運動盛んな大学を辞めた有馬は会社に訪れた岩野の娘を尾行し強請のネタを奪取するが運悪くやくざ花谷組(大滝)に捕まりリンチされる。石浜の工作で有馬は救出されるがその矢先、石浜の工場が何者かに爆破された。途方に呉れた石浜は会社の再生を娘・美津子(高橋)の政略結婚に懸けるが…。 大藪春彦の原作を主に大映で活躍していた石松愛弘が脚色、東宝アクションの中堅・福田純が監督した。<東宝/88分/カラー/スコープ>[投票]
★5野獣死すべし(1959/日)伊達邦彦。<人物>防衛大学院生。頭脳明晰、語学堪能。長身でスポーツは万能。特にボクシングと射撃の腕は抜群。機械にも滅法強い。同じ女とは三度以上交渉しない。嫌いなものは貧乏とセンチメンタリズム。目標は徹底した合理主義精神に従い「完全犯罪」を遂行、アメリカに脱出すること。<行動>大学から持ち出した22口径で帰宅途中の刑事を射殺、警察手帳と手錠を強奪する。それを使い今度は闇カジノのボスから現金約八百万円を恐喝。警察無線を傍受して捕まる気配は全くなし。偶然酒場に同席した若手刑事の追求も難なく退けて最後の計画「入学金強奪」に取り掛かる。 早大同人誌から「宝石」に転載された大藪春彦の同名原作を白坂依志夫が脚色、これが三作目となる若手の須川栄三が監督した。<東宝/95分/白黒/スコープ>[投票]
★4みな殺しの歌 拳銃よさらば(1960/日)刑務所帰りの青年恭介(水原)は唯一の心の支えであった兄・耕三(平田)を何者かにひき殺され絶望する。兄嫁(島崎)の誘惑を嫌って街を徘徊する恭介は兄の財布に入っていたロッカー・キーからドイツ製拳銃ワルサーP38を手に入れ、耕三の親友でボクシングジムを経営する障害者の坪田(仲代)から一年前のピストル銀行強盗事件について聞き出す。奪った金は千五百万円。犯人は七人。耕三も坪田も、耕三が死んだ日に耕三を電話で呼び出した田辺(丹波)という男もメンバーの一人であった。拳銃の力に魅了された恭介は兄の復讐を決意する。 寺山修司の脚本家デビュー作。原作は大藪春彦で『野獣死すべし』に続いて須川栄三が監督した。<東宝/90分/白黒/スコープ>[投票]
★4足にさわった女(1960/日)大阪府警のスリ担当刑事(ハナ肇)は休暇で東京へ向かっていた。列車内で「女の悪党に美人はいない」と編集担当者(田宮二郎)に自説を披露する人気作家・五無康祐(船越英二)を見かけた刑事は、「職業経験上、美人の悪党だっている」と横から口を出して口論になってしまう。そんなとき刑事は顔見知りの美人スリ(京マチ子)が同じ列車に偶然乗り合わせているのを発見。このスリを作家に引き合わせて、自分の説が正しいことを証明しようと考える。澤田撫松の原作小説を和田夏十と市川崑が脚色・映画化した52年東宝モノクロ版のリメイク作品。(大映/100分/カラー/スコープ) [more][投票]
★4恋山彦(総集篇)(1937/日)大平の元禄九年。信州伊那蔵山に居を構える平家の直流・小源太(阪妻)は、三弦の名器「山彦」を携え江戸から逃れてきた娘・お品(花柳小菊)を保護する。聞けば彼女の父は将軍家の要求した無理難題を断り斬殺されたという。間もなくして起こった小競り合いに勝利した伊那勢であったが時の将軍徳川吉綱と大老柳沢吉保は強引に蔵山の森林伐採を開始、これに激怒した小源太は懇願するお品を伴い江戸城へ乗り込んだ。 自社プロを潰し再起を掛けるマキノ正博と阪東妻三郎が日活で再会した最初の作品。現在見れるは当初「風雲の巻」「乾坤の巻」として連続公開された二編を再編集統合し’54年に公開されたダイジェスト版。原作は吉川英治の連載小説。<日活京都/103分/色黒/スタンダード>[投票]
★3博徒外人部隊(1971/日)現代の横浜。長い獄中生活の末すっかり落ちぶれてしまった組の再建を図るため、郡司(鶴田)は僅かに残った仲間(安藤昇、小池朝雄、室田、曽根晴美、由利徹)を引き連れて本土復活して間もない権力の空白地・沖縄へと渡る。郡司らは地元ヤクザとの抗争を繰り返しながら次第に勢力を拡大、地元の大物・与那原(若山)の知遇も得てようやく安定期に入るがそれも束の間、かつての宿敵で今や大勢力となった大東会(内田朝雄、中丸忠雄)が鳴り物入りで乗り込んで来るのであった。 鶴田浩二主演「博徒シリーズ」第九作とも云われるが内容は全く別物。監督深作欣二の『仁義なき戦い』以前の代表作の一つ。 <東映東京/93分/カラー/スコープ>[投票]
★3病は気から 病院へ行こう2(1992/日)雪の降るクリスマスの晩、ある新設のホスピス病棟で一人の女性が亡くなるところから物語は始る。 話は数年前に遡る。急性アルコール中毒で病院に担ぎ込まれた美容師の安雲裕子(小泉)は吐瀉物に血液が混入していたことから末期の胃癌を発見され病名を告げられぬまま入院する。担当医で病院長の長男片倉一郎(真田)は見識技術は抜群だが冷徹な営利主義者で一分一秒でも延命することに執念を燃やしす男。一方の次男(三上)保は兄とは正反対の考えを持ち建設中のホスピス病棟(PCU*)の陣頭指揮を自ら取っていた。数ヵ月が経った頃、抗癌剤の副作用で髪の抜け始めた裕子がショックの余り採った行動とは…。 生と死の尊厳を「明るく」見つめた監督:滝田洋二郎・脚本:一色伸幸のコンビ作品。<フジテレビ=メリエス/110分/カラー/ヴィスタ> [more][投票]
★5盗まれた欲情(1958/日)大阪河内地方でドサ廻りを続ける貧乏一座に「真の演劇」を求めて入門したインテリ演劇青年・信吉(長門裕之)は都会の大学で学んだ理論に基づく新アイデアを次々提案するが、鷹揚だが少しアタマの古い座長(滝沢修)にいつも体よくなだめ空かされてしまう。信吉は座長の次女千草に惚れられているが、信吉自身は亭主持ちの長女・千鳥(南田洋子)の方に想いを寄せている。理想と現実のギャップ、敵わぬ恋に頭を悩ましながらそれでも信吉は頑張り続ける…。 これがデビュー作となる今村昌平が僧侶作家今東光原作の『テント劇場』を映画化。 <日活/92分/白黒/スコープ>[投票]
★3双生児(1999/日)明治末期。大病院の跡取息子・大徳寺雪雄(本木)とその記憶喪失の美しい妻りん(りょう)は相次ぐ両親(筒井康隆・藤村志保)の怪死に戦慄する。しかしそれは復讐鬼と化した何者かのマガマガシイ大計画のほんの序章にしか過ぎなかった。 江戸川乱歩の短編『双生児〜ある死刑囚が教誨師にうちあけた話』を脚色した塚本晋也監督のメジャー第二作。 <セディックインターナショナル=丸紅(東宝)/84分/カラー/ヴィスタ>[投票]
★4浮雲日記(1952/日)明治22年。外務大臣大隈重信公暗殺直後の色めき立った銀座の町に九州から一人の書生がやって来た。名は春信介(重光)。剣術・柔術・空手の達人で弁も立ちその上美男子である。といってもまだ若い。春は玉手の仙吉(森繁)なる詐欺師に騙され牛肉屋で身包みはがされそうになる。それを救ったのが女主人お竜(花柳)であった。春はお竜の好意で雑用係として働くことになり二人は急速に恋情を深めて行く。しかしそれも束の間。春は飛鳥山の花見で江口男爵令嬢・環(宮城)の危機を救ったことから男爵家に書生兼用心棒として招かれる。 富田常雄の地方新聞連載小説をマキノ雅弘が映画化。<滝村プロ(東宝)/97分/白黒/スタンダード>[投票]
★5警察日記(1955/日)会津(福島県)磐梯山のふもとの田舎町にある警察署員たち(三島、森繁、三國、殿山、宍戸他)と貧しいが為に犯罪に手を染めてしまった人々との交流を描く社会派人情喜劇。監督は久松静児。 <日活/111分/白黒/スタンダード> [more][投票(1)]
★4暖簾(1958/日)大阪の老舗昆布商の商魂を親子二代に渡って綴った山崎豊子の作家デビュー作を川島雄三が映画化。主演森繁久彌が二役を演じている。 船場の老舗昆布商「浪花屋」(中村鴈治郎)から暖簾別けを許された叩き上げの奉公人・吾平(森繁)はその条件として本家筋の娘・千代(山田五十鈴)と本意でない祝言を挙げる。「何事堪忍」。吾平は幼馴染のお松(乙羽)への気持ちを引きずりながらも、利発で働き者の千代と二人三脚で店を盛り立てていくが…。<東京映画(東宝)/123分/白黒/スコープ> [more][投票(1)]
★4証人の椅子(1965/日)S28年11月徳島市で起きた「徳島ラジオ商殺し事件」に取材した開高健『片隅の迷路』を独立プロの山本薩夫が映画化。 徳島市警が遺族らの証言に基づく外部犯捜索に行き詰まったのを受け徳島地検は内部犯説に切り替え捜査を再開、住み込みの少年二人を拘引し重要証言を得て被害者の内妻・富士茂子(奈良岡朋子)を殺人の容疑で逮捕した。検察の執拗な取調べの結果茂子は自白をするが公判では一転、無罪を主張し続けた。しかし裁判所の下した判決は有罪・懲役13年というものであった。これに義憤を感じた茂子の親類浜田流二(福田豊土)は独自の捜査を開始する。 <山本プロ=大映/103分/白黒/スコープ> [more][投票(2)]
★4人間(1962/日)女流作家野上弥生子が郷里臼杵(大分県)で実際に起こった漂流事件をモデルに書いた小説『海神丸』(大正11年)を新藤兼人が戦後に置き換え脚色、自ら監督も務めた作品。 金毘羅様を崇拝する亀五郎(殿山)が梶を獲る小型漁船「海神丸」はお盆休み返上の航行中突然の大嵐に見舞われ漂流する。乗り合わせたのは漁師八蔵(佐藤)、助手三吉(山本)、五郎助(乙羽)との計四人。始めはノホホンを決め込んだ彼らであったが在り合せの水や食糧が減少するに連れその関係は緊迫する。<近代映画協会=ATG/117分/白黒/スコープ>[投票]
★3飼育(1961/日)太平洋戦争末期、ある貧しい山村に一機の米軍機が墜落する。唯一の生存者である黒人兵は村人達の山狩りに遭い捕縛、村広場の木杭に縛り付けられ彼等の奇異の視線に晒される。村一番の権力者(三國連太郎)は好奇心と下心から黒人兵の処分を保留、お上の沙汰が下るまで樫小屋に抑留する旨を村人達に告げるがこの判断が村に大きな波紋をおこす。 芥川賞を受賞した大江健三郎の同名短編を松竹を退社したばかりの大島渚が映画化。<バレスフィルム/105分/白黒/スコープ>[投票]
★4バージンブルース(1974/日)予備校の悪友との集団万引きがバレ警察に追われる身となったまみ(秋吉)とちあき(清水)は、怪し過ぎるくらい怪しい中年実業家(自称、実際は早稲田通りのラーメン屋店主)平田(長門)に金をせびり、岡山の実家を目指して汽車に乗る。しかし実家には既に警察の手が廻っていてちあきと別れたまみと平田には往く当てがなくなってしまう。 野坂昭如(本人も特出、あの歌を披露)の同名曲を元に藤田敏八が撮り上げた青春ロードムービーで秋吉久美子主演三部作の最終章。<日活/99分/カラー/ワイド>[投票]
★3阿波の踊子(1941/日)阿波徳島。7年前、悪代官に公金横領の汚名を着せられ阿波踊りの日に磔に処せられた海賊の居た港町。町にはその弟なる人物が今年こそ舞い戻って兄の復讐を果たすのだ、という噂が実しやかに流れ、これに怯えた代官は先手必勝とばかりに流れ者どもを虱潰しに召し取る決意。お光(高峰秀子)の働く旅籠屋に逗留中の髯、尺八、人形の三先生が真っ先に怪しまれ牢に繋がれた頃、一人の侍(長谷川一夫)がフラリと町にやって来た。 マキノ正博が盟友山上伊太郎と組み(*原作・脚本の観世光太はマキノと山上の共同筆名)撮り上げた通算119作目。 <東宝/97分/白黒/スタンダード>[投票]
★3江戸の悪太郎(1939/日)江戸下町で寺子屋を開いている貧乏だが心優しい浪人・島崎三四郎(嵐寛十郎)は、生徒の一人が連れてきた浪乃(轟夕起子)という孤児の面倒を看ることになる。浪乃は男の子の形はしているが実際は訳有りの家出娘で、しかし島崎がそれに気付く気配は一行に見えない。最近、下町界隈では怪しげな宗教が流行し藁にもすがろうという貧乏人たちを余計に苦しめていた。 偉人マキノ正博の第110回監督作品。 <日活京都/約80分/白黒/スタンダード>[投票]
★4日本侠客伝(1964/日)明治時代の東京深川。ここで古くから運送業を営む木場政一家は、振興の沖山商会(親分:安部徹)の執拗な攻撃に悩まされていた。沖山は人足を脅迫して引き抜いたり、価格破壊によって市場を独占した後で値を吊り上げるなど悪行三昧。そんな時、出征先から”辰巳の長吉”(高倉健)が帰還、子頭となった彼は仲間(田村高廣、松方弘樹ら)や客分の清次(中村錦之助)らと協力して木場政の建て直しを図る。 東映任侠路線の中核を担った人気シリーズの記念すべき第一作目で、監督は巨匠マキノ雅裕が務めた。 <東映京都/98分/カラー/スコープ> [more][投票(1)]
★4網走番外地 大雪原の対決(1966/日)吹雪舞う網走刑務所。木材運搬中の事故に見せかけ白熊(内田良平)が脱獄、看守(関山耕治)はこの責任の一切を肺病持ちの秀夫(砂塚秀夫)に押し付けて苛め殺す。これに怒った橘真一(高倉健)は半年後の釈放を待ち、秀夫の無実を証明し看守に復讐することを決意する。 石井輝男が手掛けた人気シリーズの第七作目にあたり最高傑作の誉れも高い一篇。由利徹最高傑作。<東映東京/90分/カラー/スコープ>[投票]