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[あらすじ] サイコ(1960/米)

アリゾナ州フェニックス。不動産屋に勤めるOLマリオン(ジャネット・リー)は恋人のサム(ジョン・ギャビン)と昼休みを利用した情事の余韻に浸っていた。二人は結婚を誓い合ってはいたが、金銭的な問題があって実現出来ないでいる。彼女が事務所に戻ると、そこに社長が取引相手を連れて帰ってくる。4万ドルの取引が成立したのだ。社長にその現金を銀行に預けるように言われたマリオンはしかし、恋人と一緒になるためにそのお金を横領してしまう。そして彼の住むカルフォルニアへと車を走らせる。その途中疲労から車内で仮眠をしたために警官に尋問を受け慌てながらも何とかその場を濁したマリオンはやがて社会と隔絶したかのごとくポツンと聳え立つベイツ・モーテルを見つけ、そこに一泊することにする。そこには年老いた母親と二人暮しの若い管理人ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)がいた…
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけの解説です。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







●ヒッチ映画の中では純粋なショッカーとして極めて異質な存在として聳え立つ。

●この映画のおかげでアメリカのモーテルに泊まれなくなった人、シャワー中に後ろが気になる人など影響を受けた人は計り知れない。

●原作は、実在の連続殺人鬼エド・ゲインにヒントを得たロバート・ブロックの同名小説。ヒッチ映画としては原作に忠実な映画化。ヒッチは彼の原作のどこに興味を持ったかという問いに対して一言、「シャワー・シーンの唐突さ」だと答えている。

●PsychoはもともとPsychopath(性格異常者、精神病質者)を縮めた言い方だが、当時はそれほど一般的な言葉ではなかったらしい。その後この手の亜流を生み出すきっかけとなった。

●ヒッチは本作を、1955年から始まったテレビ・シリーズでの早撮り技術を利用して40日ほどで撮り上げたらしい。そのうちの一週間をわずか45秒のあのシャワーシーンに費やした。

●そのシャワー・シーンだが、アンソニー・パーキンスはそのときブロードウェイで舞台に立っており、あれは代役が演じたそうである。

●上映されるまでストーリーが極秘裏に撮影され、上映開始後の入場を禁止した。

●ベイツ・モーテルをドラキュラの古城になぞらえる人もいる。

●タイトル・デザインは『北北西に進路を取れ』等のソウル・バスが担当。

●シャワー・シーンを模したかのごとき弦楽器の不協和音を響かせるのはこちらも常連、バーナード・ハーマン

アンソニー・パーキンスはこの映画に出演したために、それ以降この役柄にとらわれる羽目になってしまった。ちなみに続編は2本作られたが(『サイコ2』、『サイコ3/怨霊の囁き』)、3では開き直って?監督も担当している。

●監督本人のみならず、娘のパトリシア・ヒッチコックも『見知らぬ乗客』に続きジャネット・リーの同僚役で出演。予告編にもヒッチ自身が出演、サイコの世界へわれわれをエスコートしてくれる。

ガス・バン・サント監督が何を思ったかほぼなぞっただけのリメイクを1998年に作っている。

(評価:★5)

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このあらすじを気に入った人達 (5 人)kawa よだか 水那岐 いくけん KADAGIO

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