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ぽんしゅうさんのあらすじ: 更新順

★3河口(1961/日)終戦後、李枝(岡田茉莉子)は残された家族を養いながら家を出たい一心で、老実業家の宮原(滝沢修)の妾になった。それから3年、宮原の老醜に見切りをつけた李枝は宮原の美術顧問をしていた館林(山村聡)の勧めで画廊を持つことにした。運転資金を得るため会社社長の角井(東野英治郎)と関係を持ちながら、貿易商の三崎(杉浦直樹)とも不倫を始める李枝。実質的に画廊を切り盛りする館林は絵画にしか興味のない男で、そんな李枝の男関係には無頓着。黙認するどころか金づるとしてドライに活用するのだった。そんなおり、李枝は館林から建築家の司(田村高廣)を紹介されたのだった。原作は井上靖。(88分/カラー/シネマスコープ)[投票]
★4孤狼の血(2018/日)昭和が終わろうとする1988年。暴対法成立前の広島県のある都市。暴力団系金融会社の社員が失踪した。殺人事件とにらんだマル暴の刑事・大上(役所広司)は、新人の日岡(松坂桃李)を連れて捜査に乗り出す。大上は捜査のためなら手段を選ばず暴力団とも癒着したヤクザ顔負けの悪徳警官だった。なかば署内も黙認する大上の強引な捜査に巻き込まれ、日岡は唖然としながらも従うのだった。同じころ五十子(いらこ)会長(石橋蓮司)率いる巨大暴力団を後ろ盾に、地元の加古村組(嶋田久作/竹野内豊)が、若頭の一之瀬(江口洋介)が仕切る尾谷組のシマを荒らし始めていた。柚月裕子の警察小説(日本推理作家協会賞)の映画化。(126分)[投票]
★3いちごブロンド(1941/米)ある日曜日、歯科医院を開業したビフ(ジェームズ・キャグニー)は、親友のニコラス(ジョージ・トビアス)と時間をつぶしていた。これから、妻(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と散歩に出かけようとしたそのとき急患が入る。はじめは診察を渋っていたビフだが、患者が市会議員のヒューゴ(ジャック・カーソン)だと知って二つ返事で引き受けることに。10年前、ビフとヒューゴは“いちごブロンド”と呼ばれていた街の美人娘バージニア(リタ・ヘイワース)を奪い合ったライバルだった。ビフは、そのとき受けた仕打ちの恨みを晴らすつもりなのだ!ラオール・ウォルシュ監督のロマンチック・コメディ。(モノクロ/スタンダード/99分)[投票]
★2レオパルドマン 豹男(1943/米)ニューメキシコの国境の町。ナイトクラブでは、なんとか名を上げて世に出たい歌手たちが競い合っていた。そんななかのひとり、キーキー(マーゴ)を売り出すために宣伝マンのジェリー(デニス・オキーフ)が準備した黒豹が逃げ出してしまった。警察による懸命の捜査もかなわず、ついに少女が豹の餌食となってしまう。さらに、第二、第三の犠牲者が・・・・。襲われるのは何故か女性ばかり。それは、あたかも連続殺人事件の様相を呈しはじめるのだった。ジャック・ターナー監督のスリラーサスペンス。(モノクロ/スタンダード/66分)[投票]
★4ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017/スウェーデン=独=仏=デンマーク)現代アート美術館の学芸員クリスティアン(クレス・バング)は人道的で洗練されたインテリだ。次回の展示も“全ての人間は対等になる”をコンセプトにした作品「ザ・スクエア」を準備中。そんなとき、街中で親切心から女性を救ったところ携帯電話を盗まれてしまった。GPS機能で犯人の住む集合住宅を見つけたクリスティアンは、いささか乱暴な手段で携帯電話をとり戻すのだが、これが後々思わぬトラブルに発展。さらにクリスティアンに思いがけない出来事が次々と起きるなか、ついに展示会のPR動画が反社会的だと大炎上してしまった。個人と社会の善意とエゴイズムのギャップをブラックな笑いで突きつけるカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。(151分)[投票(1)]
★4心と体と(2017/ハンガリー)ハンガリー、ブダペストの食肉処理場。品質管理者としてマーリア(アレクサンドラ・ボルベーイ)という若い女性が採用され務め始めた。ひときは目を引く美しい女性だが、病的なほど人づき合いが苦手で仲間と打ち解けようとしない。さらに、規則に厳しく同僚たちを呆れさせてしまう。みかねた総務部長のエンドレ(ゲーザ・モルチャーニ)が声をかけるが話は噛み合わず拒絶されてしまう。やがて二人は、ある事件をきっかけに、毎夜、雪の森のなかで雌鹿と雄鹿になって同じ夢を共有していることに気づく。人との接し方が分からない女と一人暮らしの孤独な中年男の不器用なファンタジーロマンス。ベルリン国際映画祭 金熊賞。 (116分)[投票]
★4早春(1970/英=独)ロンドンの下町。学校をやめてしまった15歳のマイク(ジョン・モルダー・ブラウン)は街の公衆浴場に就職した。接客係りの先輩スーザン(ジェーン・アッシャー)は、婚約者(クリストファー・サンドフォード)がありながら浴場の付属プールの水泳コーチ(カール・ミヒャエル・フォークラー)とも付き合う自由奔放なブロンド娘。年下で女性経験のないのマイクに対しても小馬鹿にした態度をとるのだった。しかし、マイクはそんなスーザンにどんどん惹かれ、募る想いはエスカレートしていく。ポーランド政府の検閲により海外に活動拠点を移した後、イギリスとドイツで製作されたイェジー・スコリモフスキ監督作。(92分)[投票]
★5三里塚のイカロス(2017/日)1966年、成田市三里塚の空港建設が発表された。何も知らされていなかった地元農民たちは反対同盟を結成し国家を相手に徹底抗戦に入る。当時、隆盛期にあった学生運動の活動家たちも支援のために次々に闘争に参戦。いやおうなしに当事者にされた農民とちがい、彼は自ら進んで闘争に身を投じた若者たちだった。あれから50年。農民活動家の嫁となった女子大生たち。10代で半身不随となった元活動家。管制塔占拠事件の詳細を語る襲撃メンバー。後に路線対立を起こした中核派の元幹部。そして用地買収を担当した空港公団職員。移りゆく時代のなか、それぞれに迷い苦悩した半生を語るドキュメンタリー。毎日映画コンクール ドキュメンタリー映画賞。(138分)[投票]
★4標的の島 風(かじ)かたか(2017/日)“かじかたか”とは「風よけ(防波堤)」の意味。2015年、防衛省は宮古島、石垣島へのミサイル基地建設と自衛隊配備を発表。この西南諸島の要塞化は、日本の最前線として敵の侵攻に備えるためのアメリカの軍事戦略の一環でもある。敵の「標的の島」となってしまう宮古ではSNSなどを通じて小さな子を持つ母親たちが市役所に説明を求め、石垣の地区代表たちは防衛省の説明会で賛否を戦わせる。それは、激しい反対活動のなか進められる辺野古や高江の新基地建設と同じ運命をたどる予感を漂わせる。離島の新たな市民運動。辺野古や高江の機動隊との攻防。各島々の伝統行事を重ねながら沖縄の苦渋を訴えるドキュメンタリー。キネマ旬文化映画部門 第2位 (119分)[投票]
★5ハッピーエンド(2017/仏=独=オーストリア)13歳のエヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン)は母とそりが合わず、離婚した父トマ(マチュー・カソヴィッツ)の元に引き取られることになった。家業を継がず医者になった父には、再婚した若い妻(ローラ・ファーリンデン)と幼い息子がいた。家業の建築業は、85歳の家長ジョルジュ(ジャン・ルイ・トランティニャン)に代わり娘のアンヌ(イザベル・ユペール)が社長として取り仕切り、彼女の息子(フランツ・ロゴフスキ)に専務をまかせていた。そんな三世代が同居するブルジョワ一族の冷え切った感情の通わない関係がやがて露見し始めるのだった。父の愛情を知らずに育ったエヴもまた一家を醒めた目で見ていた。(107分) [投票]
★4素敵なダイナマイトスキャンダル(2018/日)エロ雑誌の編集者・末井(柄本佑)は、母親(尾野真千子)が不倫相手とダイナマイト心中するという壮絶で不思議な体験をしていた。高校卒業後、就職した大阪の工場を3ヵ月で逃げ出し川崎の父(村上淳)のもとに転がり込む。デザイン専門学校に通い出したころ後に妻となる牧子(前田敦子)と知り合い就職した会社で看板描きの仕事を始めるのだった。その後、アダルト雑誌にたずさわり1977年に「ウイークエンドスーパー」を創刊。さらに「写真時代」の編集長としてカメラマンの荒木(菊地成孔)さんらと組んで発禁と創刊を繰り返し80年代のサブカルチャーを牽引していくのだった。原作は編集者、作家、サックス奏者の末井昭の自伝。(138分)[投票]
★3blank13(2017/日)13年前に家族を残して蒸発した父(リリー・フランキー)の消息が判明した。しかし、ガンに侵され余命は3ヵ月。ギャンブル好きで謝金まみれ。いつも取り立屋に追われていた父に、妻の洋子(神野三鈴)と長男のヨシユキ(斎藤工)は会おうとはしなかった。だが、父の優しさの記憶が微かに残っていた次男のコウジ(高橋一生)は、恋人のサオリ(松岡茉優)にも背中を押され入院先を訪ねてみるのだった。そして、あっけなく父はこの世を去り、長男のヨシユキが義務感だけで催したささやか葬儀に父の13年間を知る者たちが集まってきた。彼らが語る父の“ブランク”とは・・・・。斎藤工の初長編監督作。(70分)[投票]
★4脅迫(1966/日)出世のためなら専務にゴマをすり恥知らずなことも平気でする。社内でそんな陰口をたかかれるサラリーマン部長の三沢(三國連太郎)。彼の一家がつつましく暮らす郊外の一軒家に、突然、脱走犯の川西(西村晃)とサブ(室田日出男)が押し入り立てこもる。策略家で冷静な西川は、妻の弘子(春川ますみ)と息子(保積ペペ)を人質に、三沢を意のままに動かして逃走用の資金を作ろうと画策し始めるのだった。短気で粗暴なサブに監視され、恐怖におののく妻と息子は、何も抵抗できない三沢の不甲斐なさに不安を覚えながらも成すすべもなかった。深作欣二のサスペンス。(シネマスコープ/モノクロ/84分)[投票]
★2鉄と鉛 STEEL & LEAD(1997/日)元刑事の探偵(渡瀬恒彦)が探し当てた男が、依頼人の女(白島靖代)によって射殺されてしまった。殺されたのは暴力団組長(平泉成)の息子だった。怒り狂った組長は、22時間の猶予をあたえた後にお前を殺すと探偵に宣言する。残された時間を、一度は断った女子高校生(酒井彩名)の疾走した兄・洋一(宮崎光倫)さがしに使うことにし、探偵は情報屋(佐藤蛾次郎)から聞き出した洋一の仲間・金光(岸本祐二)のアジトへ向かう。そんな探偵の最後の仕事に、見張り役のヤクザ矢能(成瀬正孝)も付き合ううちに、いつしか男同士の友情が芽生え始めるのだった。劇画作家きうちかずひろが脚本も担当した監督第2作。(97分)[投票]
★3クソ野郎と美しき世界(2018/日)稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾の新ファンクラブ・プロジェクト「新しい地図」製作のオムニバス。■ピアニストを撃つな! (園子温監督)・・凶暴なマッドドッグ(浅野忠信)の愛人フジコ(馬場ふみか)と恋に落ちてしまったピアニスト・ゴロー(稲垣)の運命は。■慎吾ちゃんと歌喰いの巻 (山内ケンジ監督)・・突然歌えなくなった歌手たちと、歌うことをやめた慎吾(香取)は。■光へ、航(わた)る (太田光監督)・・息子を亡くしたヤクザ者オサム(草なぎ)と女房(尾野真千子)は、あるものを探していた。■新しい詩(うた) (児玉裕一監督)・・クソ野郎が集うダンスホールで繰り広げられる狂騒の輪のなかに。(105分)[投票]
★3虫女(1972/韓国)愛人の子として育ったミョンジャ(チョン・キェヨン)は、父親の死で経済的な後ろ盾をなくしホステスとして働き始めた。店のママは処女のミョンジャを高く売ろうと、資産家の客キム(ナムグン・ウォン)に引き合わせた。会社社長で気の強い妻(ユン・ヨジョン)に頭が上がらず性的に不能だったキムは、若いミョンジャを得て男の自信を回復させる。そこで、ただの浮気相手て終わりたくないミョンジャは、キム一家の団らんに乗り込み愛人として認めるよう本妻に要求。ところが、その上をいく強気の本妻はミョンジャに住まいと毎月の手当を与え、夫の健康管理をするよう命じて二人を自分の支配下に置いてしまうのだった。(116分)[投票]
★4祖谷物語 おくのひと(2013/日)徳島県の祖谷。急峻な斜面に民家が点在する山里だ。その奥深い地で、鹿を撃ち、木を伐り、畑を耕し暮らす男(田中泯)がいた。男は冬の山中で事故に合い九死に一生を得た赤ん坊を拾う。その娘、春菜(武田梨奈)も今は高校生になり、男を「おじい」と慕い家事や畑仕事をこなし、電気もガスもない山奥の家から毎日急斜面を長時間歩いて町の学校に通う生活をしていた。そんな山奥に、東京から工藤(大西信満)が流れ着くようにやってきた。工藤は、おじいと春菜の暮らしをみて、自分も自給自足の生活を始める。しかし、地元の土木作業員で山の生活に見切りをつけようとしていた青年アキラ(村上仁史)は工藤に批判的な態度で接する。(169分)[投票]
★4BPM ビート・パー・ミニット(2017/仏)1990年代初頭のパリ。エイズがまだ死の病だった時代。HIV感染者や予防への政府や製薬会社の対応の遅さ、さらに世間の根強い偏見に抗議する市民団体アクト・アップが結成された。感染者やその家族ら参加者は、疑似家族的な結束で結びつき活動は民主的に運営されていた。そんななかでもショーン(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)の実力行使も辞さない行動は世間の注目を集めるが、その過激さに批判的な仲間たちもいた。やがてショーンは陰性の活動仲間ナタン(アーノード・ヴァロワ)と愛し合うようになる。抗議や啓蒙活動を通してHIV感染者たちの葛藤を描く群像劇。BPMとは心拍数や音楽のテンポを表す単位。カンヌ国際映画祭グランプリ(143分)[投票]
★4ラッキー(2017/米)アメリカ南部の田舎町。90歳で一人暮らしのラッキー(ハリー・ディーン・スタントン)の一日が始まる。ベッドを出てラジオをつけてタバコを一服。ヨガの後はジョー(バリー・シャバカ・ヘンリー)の食堂でパズルをして時間をつぶし、牛乳を買ってお気に入りのTV番組に間に合うように帰宅。夜はいつもの酒場で顔なじみたちと過ごす。これがラッキーの日課だ。ところが、ある朝異変に襲われる。それ以来、判で押したような生活に小さな出来事が続き、ついに友人(デヴィッド・リンチ)の遺言の相談にのっていた弁護士(ロン・リビングストン)と口論になってしまう。俳優ジョン・キャロル・リンチの初監督作でH・D・スタントンの遺作。(88分)[投票]
★3苦い銭(2016/仏=香港)中国の衣類縫製工場で働く労働者たちのドキュメンタリー。浙江省の織里(ジィリー)には、1万8千社の個人経営の縫製工場が集まり全国の子供服の8割を生産する。住民の8割は農村からの出稼ぎ労働者で30万人に達するという。雲南省から20時間かけてやってきた16歳の少女と18歳の少年。25歳の女は小さな雑貨店を始めた32歳の夫と喧嘩が絶えない。街の男たちに誘われるが怖くて遊びに行けない19歳の娘たち。気が小さいのにマルチ商法に興味を示す30代の男と、酒びたりで仕事が手につない中年男。自分の技術の未熟さを自嘲しながら職場を転々と変える男。そんな人々の心情が連作小説のようにつづられる。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門脚本賞。(163分)[投票]