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ぽんしゅうさんのあらすじ: 点数順

★4あちらにいる鬼(2022/日)1966年。気鋭の作家として注目されていた長内みはる(寺島しのぶ)は講演旅行で一緒になった戦後派文学の旗手白木篤郎(豊川悦司)が放つ"男の色気”に胸騒ぎを覚えた。気持ちを抑えきれないみはるが、口実を作って訪れた白木の家には幼い娘と妊娠中の妻笙子(広末涼子)の姿があった。しばらくすると今度は白木が、みはるが若い男(高良健吾)と同棲している瀟洒な家に突然やってきた。やがて二人は深い関係になるが、女性にだらしない白木に、みはるの心は揺れる。そんな二人の関係を知りながらも笙子は淡々と良き妻であり続けるのだった。父親である井上光晴瀬戸内晴美の不倫をもとにした井上荒野の同名小説の映画化。(139分)[投票]
★4アフター・ヤン(2021/米)近未来。ジェイク(コリン・ファレル)とカイラ(ジョディ・ターナー・スミス)夫婦は中国系の養女ミカ(マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ)のシッターとして購入した"長男”のAIロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)ともに暮らしていた。ところが突然ヤンが故障し動かなくなり落胆したミカは学校へも通えなくなってしまう。修理に奔走するうちにジェイクは、ヤンに法律では禁止さていた記憶メモリーが内蔵されていたことを知り、そこに残されていた若い女性(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の断片映像を頼りにヤンの記憶をたどる。それは「テクノ」のと呼ばれるAIロボットの無意識(遺伝子)にせまることでもあった。(96分)[投票]
★4教育と愛国(2022/日)2006年の第一次安倍政権の「教育基本法改正」に端を発し、淡々としかし確実に進められ今(2021年)へと至る“教育への政治介入”の実態を追ったドキュメンタリー。大手教科書出版社を倒産へと追い込んだ教科書検定制度。自虐史観の排除を唱える教科書の「慰安婦」「南京虐殺」「沖縄集団自決」の記述問題。さらに菅政権下で断行された「日本学術会議任命拒否問題」まで教育への政治の侵食が、教科書編集者と執筆者、自虐史観提唱学者と賛同右派、現場教師、自治体首長たちのインタービューや記者会見での言動によって検証されていく。毎日放送で長年教育問題に取り組む斉加尚代のギャラクシー賞大受賞番組に追加取材を加え再構成した劇場版。(107分) [投票]
★4夜明けまでバス停で(2022/日)アラフォーの三知子(板谷由夏)は細々と自作アクセサリーを売りながら、夜は居酒屋のパート店員として生計を立ている。チェーン店の跡取りで傲慢なマネージャーの大河原(三浦貴大)と、彼に従順な若い正社員店長の千晴(大西礼芳)はパート(片岡礼子/ルビー・モレノ/土居志央梨)たちからうとまれていた。そして2020年春、コロナ禍が世間を襲い緊急事態宣言を受け店は休業。店員たちは一方的に解雇されてしまう。路頭に迷った三知子は、いつしかホームレス老人(柄本明/根岸季衣)たちの輪のなかにいた。2020年に起きた女性ホームレス撲殺事件に着想を得て自己責任世代の覚醒を描くラディカルなポリティカルドラマ。(91分) [投票]
★4秘密の森の、その向こう(2021/仏)祖母が亡くなり8歳の少女ネリー(ジョセフィーヌ・サンス)は、両親と共に遺品整理のため母マリオン(ニナ・ミュリス)が少女時代を過ごした森の中の実家を訪れた。思い出の品々を前に、いたたまれなくなったのか母が突然いなくなってしまう。父(ステファヌ・ヴァルペンヌ)と母の帰りを待つネリーは、かつて母が遊んだ森を散策するうちに同じ年頃の少女(ガブリエル・サンス)と出会う。少女は母と同じ“マリオン”とう名で、訪ねた家は“祖母の家”だった。そして“マリオン”のお母さんは若き日の祖母(マルゴ・アバスカル)だった。演技経験のない双子姉妹を起用したセリーヌ・シアマ監督による母娘三代の惜別の物語。(73分)[投票]
★4さかなのこ(2022/日)魚のことで頭がいっぱい。勉強はいまひとつ。ちょっと変わった小学生ミー坊(西村瑞季)を、お母さん(井川遥)は否定せず“やりたいこと”はすべて叶えてくれた。高校生になっても魚のこと以外には目もくれずマイペースのミー坊(のん)に、地元のツッパリ(磯村優斗/岡山天音)たちもタジタジ。そのなかに幼馴染のヒヨ(設楽優弥)もいた・・。やがて一人暮らしを始めたミー坊は、魚関係の仕事を探すが要領が悪くてどれも続かない。そんな日々を過ごすうち、昔からミー坊のことを知ってくれている仲間と再会し、自分を必要とする人たちとつながり始めるのだった。タレントで魚類学者のさかなクンの自叙伝を翻案映画化。(139分)[投票]
★4三姉妹(2020/韓国)故郷を離れソウルで暮らす三姉妹はそれぞれ心に闇を抱えていた。裕福な教授夫人の次女ミヨン(ムン・ソリ)は敬虔な信者として宗教に傾倒し周囲や家族を支配し完璧な女として振る舞っている。後妻として夫と高校生の連れ子と暮らす劇作家の三女ミオク(チャン・ユンジュ)は「普通の家庭」の築き方が分からず酒に溺れ破天荒な言動で周囲を困惑させていた。そんな二人は小さな生花店に嫁ぎ自己肯定感が低く夫や娘にうとまれながら借金を繰り返す長女のヒスク(キム・ソニョン)を蔑んでいた。幼少期に姉妹は母と弟とともに父親の理不尽な暴力にさらされ、互いに被害者と庇護者、そして傍観者として負った複雑な心の傷を抱えていた。(115分) [投票]
★4時代革命(2021/香港)2019年の香港。犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案に反対し「改正案完全撤回」「普通選挙の導入」などを五大要求を掲げ約180日間に渡り展開された大規模デモを記録したドキュメンタリー。立法会占拠に端を発した抵抗運動は自殺に訴える抗議者の出現により10〜30代の男女を中心に自主管理のもと香港の人口の約3割を占める約200万人(主催側発表)が参加するまでに拡大した。市街地や地下鉄駅、香港中文大学の封鎖とうねりが広がるなか暴力行為や謀略も辞さない香港警察の対応はエスカレートし香港理工大学の攻防へと至る。ついに2020年、より強圧的な香港国家安全維持法が施行され、200万人の民意は封殺されてしまう。(152分) [more][投票]
★4アウトサイダー(1981/ハンガリー)精神病院の看護師アンドラーシュ(アンドラーシュ・サボー)は、バイオリン奏者としてもいい腕を待っていた。夜ごと酒場で仲間たちと騒ぎ興に乗じて見事な演奏を披露していた。しかし、音楽で身を立てる意志があるわけではなく生活者としては不適格。自分の子供を産んだ恋人の元を去り酒の失敗で看護師の職も失ってしまう。次に見つけたケーブル工場の職は単調で辛いものだった。相変わらず仲間や兄とつるんでだらしのない生活を続けていたアンドラーシュは、酒場で知り合った女性カタ(ヨラーン・フォドル)と結婚するのだが・・・。当時の体制よりのハンガリー映画に反発して撮ったというタル・ベーラ監督の長編第2作。(カラー/128分)[投票]
★4ダムネーション/天罰(1988/ハンガリー)鉱石を運ぶゴンドラが軋みながら延々と連なり中空を流れていく寂れた鉱山町。中年男カーレル(ツェーケリ・B・ミクロシュ)は、不倫相手のクラブ歌手(テメッシ・ヘーディ)とのよりを戻そうとしつこく迫るが追い返され、夫(ギェルギ・ツェルハルミ)からも二度と妻に近づくなと警告される。そんなとき、女が歌うクラブの店主(パウエル・ギュラ)から小包を運ぶだけで金になる怪しい仕事を紹介されたカーレルは、夫に仕事を任せてその間にまた歌手を口説こうとする。そんなカーレルにクローク係の女(テメッシ・ヘーディ)は「あの女は魔女よ・・・」と警告する。憂鬱な気配のなか破滅へ向かう男女の腐れ縁が描かれる。(白黒/121分) [more][投票]
★4血は太陽よりも赤い(1966/日)受験勉強に明け暮れる味気ない日々を過ごしていた高校生のヒロシ(大塚和彦)は、友人たちの誘いに乗ってハメ外して遊びまわって家へ戻った。製薬会社の人事課に勤めて、母子家庭の家計を支える兄(笠間雪男)は、そんなヒロシを激しく叱責するが義姉は意味ありげにその場をとりなすのだった。一方、会社で組合対策を担当する兄は、組合員たちの人望を集める中島を解雇するよう経営陣に命令されていた。そしてターゲットとなった中島の一人娘エツコ(若原珠美)はヒロシの同級生だった。醜い大人社会の現実を前にした若者の暴走と反逆を描く大谷義明こと足立正生脚本による若松孝二監督の青春映画。(パートカラー/80分/成人映画)[投票]
★4性犯罪(1967/日)行動セックス学を信奉する大学生の伊丹(吉澤健)は性の実践を通して小説を書こうとしていた。ハンサムな容姿で同級生の8割と寝た噂される伊丹。今日もピンク映画に通い詰める青年やブス扱いされた娼婦に付きまとい研究にいそしんでいた。その伊丹の部屋に同級生の絹子(高月美夜)が訪ね来た。伊丹とは逆に性の真理を古今の文献に求め論文を書こうとしていた絹子の恋人平松(瓜生良介)のことで相談があるという。そんなことおかまいなしで伊丹はさっそく絹子と実践に・・。初めて快感を知った絹子は夏休みを伊丹と海辺のコテージで過ごすことにする。性本能と観念の滑稽を描く若松孝二のヌーベルバーグ風喜劇。(72分/パートカラー/成人映画)[投票]
★4逆情(1964/日)静岡の石廊崎。ドライブで訪れた夫婦が目を離したすきに、幼い息子が海岸の絶壁から転落し崖の途中に引っかかってしまった。助けようした夫(寺島幹夫)もまた崖下へ転落。妻(扇町京子)は、あり合わせのシートや自分の服でロープを作って引き上げようとするが失敗。助けを求めて下着姿で原野を駆け抜けやっと見つけた人家で、護送途中に脱走した殺人犯と出くわしてしまう。追い詰められた妻は脱走犯とある取引をするのだった。打ち寄せる荒波にさらされた息子と夫を救うために奔走する妻の懸命な姿を描く若松孝二監督のサスペンスアクション。(モノクロ/73分/成人映画)[投票]
★4聖少女拷問(1980/日)昭和9年。凶作に襲われた東北地方では大勢の娘たちが女郎として身売りされた。15歳のおみつ(島明海)もそんな娘のひとりだった。運命を受け入れ“幸せ”は忘れ、日々客たちに身をまかせるおみつ。一方、同じ年頃で仲の良いおしの(水紀ゆき子)は客として通ってきた若い丁稚(宮田諭)と相思相愛の仲になり叶わぬ将来の夢を描いていた。そして、おみつには同じ百姓出身だが軍組織のなかで歪んだ出世欲を植え付けられた傲慢で暴力的な若い下士官(下元史朗)が通ってくるようになった。四季は移ろいおみつが17歳となった年、二・二六事件が起き日本軍は南京へ侵攻するのだった。若松孝二の反権威主義女性映画。(カラー/64分/成人映画)[投票]
★4ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021/ハンガリー=独=仏=伊)権威を欲しいままに船員たちの上に君臨する船長ヤコブ(ハイス・ナバー)は、あなたに欠けているのは妻だと指摘され結婚を決意。寄港先のカフェで、最初に入ってきた女性と結婚すると決めたヤコブは、美しく若いリジー(レア・セイドゥー)に求婚するのだった。この唐突な申し出をリジーはあっさり受け入れ結婚生活が始まった。ヤコブの航海中に友人たちと気ままな交際を始めたリジーの前に得体の知れない若い男デダン(ルイ・ガレル)が現れる。はたしてリジーは貞節な妻なのか不実な悪女なのか。ヤコブの心は乱れ人生が大きく変わり始めるのだった。『私の20世紀』『心と体と』のハンガリーの異才イルディコ・エニエディ監督作。(169分) [投票]
★4あなたの顔の前に(2021/韓国)ずっとアメリカで暮らしていた元女優のサンオク(イ・ヘヨン)が急に韓国に戻ってきた。久々に妹のジョンオク(チョ・ユニ)と再会して彼女のマンションに身を寄せていた。その日の午後に会食の予定がある姉を誘って妹は街を散策する。マンション建設が進みさま変わりする風景もあり、昔のままの姿を残す場所もある。そして午後、会食相手の映画監督ジェウォン(クォン・ヘヒョ)から、昔からファンだったあなたに、ぜひ自分の映画に出て欲しいと誘われる。初めはとり合わないサンオクだったが、酒がすすみ酔いが回るうちに心が揺れ始めるのだった。捨てたはずの故郷に舞い戻った中年女性の葛藤を描くホン・サンス脚本・監督作。(85分)[投票]
★4現代っ子(1963/日)交通警官の父が突然殉職し市村一家はバラバラに暮らすことになった。母親の正子(菅井きん)は海運会社社長の石田(小沢栄太郎)邸の住み込み家政婦として高校生のチコ(中山千夏)と身を寄せる。石田家の次男健(前野霜一郎)は、同級生でしっかり者のチコと意気投合。一方、叔父(桂小金治)の家の居候となった責任感の強い長男やすし(鈴木ヤスシ)と何ごとにもドライな中学生の次男好夫(市川好朗)だが、叔母(新井麗子)の風当たりが強くてどうにも居心地が悪いのだった。逆境のなかを力強く生きる十代の子供たちの姿をユーモアを交えながら描く社会派ホームドラマ。原作は倉本聡企画/脚本の連続テレビドラマ。(白黒/95分)[投票]
★4殺したのは誰だ(1957/日)初老の域にさしかかった中古外車のセールスマン栄吉(菅井一郎〕は売り上げが伸びず社長(大森義夫)への借金がかさんでいた。苦労して進めていた商談も手段を選ばない若手セールスマン中川(西村晃)に出し抜かれてしまう。私生活では妻に先立たれ、愛人の由利江(山根寿子)がひとりでやり繰りする場末の飲み屋に転がり込んでいた。キャバレー勤めの娘の克子(渡辺美佐子)の生活も乱れ、大学生の息子次郎(小林旭)は怪しげないバイトに手を染めていた。そんな栄吉に保険金詐欺の話が持ちかけられるのだが。戦後復興に乗り遅れた男たちの顛末を描く新藤兼人脚本、中平康監督の日活フィルムノワール。(スタンダード/白黒/91分)[投票]
★4恋は光(2022/日)恋する女たちが放つ“光”が実際に見えてしまう大学生の西条(神尾楓珠)。自分でもコントロールできないそんな現象に悩み、人との距離が上手く取れない彼の唯一の理解者が、同じ大学に通う幼馴染の北代(西野七瀬)だった。西城はある日、文学書を読みあさり「恋の定義」を探し求める風変わりな女子大生東雲さん(平祐奈)と出会って不思議な感情がわき起こる。興味津々で仲介を西条に頼んだが・・・。そんな三人の様子を見ていた他人の男を奪うことに猛然と燃える女、宿木(馬場ふみか)が急接近してくるのでした。秋★枝の同名コミックスを『殺さない彼と死なない彼女』の小林啓一監督が実写化した哲学風学園ラブコメ。(111分) [投票]
★4夜を走る(2021/日)郊外の鉄屑解体工場。40歳で女性経験もない気弱な秋本(足立智充)は仲間や営業先からも軽んじられ、無理なノルマを押し付ける上司の本郷(高橋務)のパワハラまがいの扱も素直に受け入れるような男だった。一方、年下だが妻子持ちの谷口(玉置玲央)は、強い者にはへつらい弱者には上から目線で立ち回る狡猾者。二人は工場を訪れをた新人営業の理沙(玉井らん)を飲みに誘い、夜遅くまで連れまわしたすえにトラブルを引き起こしてしまう。秋本は失踪し谷口は上司の本郷に尻拭いをさせようと企てるのだが事態は思わぬ方向に転がり始める。身勝手で醜悪な男たちの顛末を描くクライムサスペンス。監督・脚本は『教誨師』の佐向大。(125分)[投票]