奄美大島。16歳の界人（村上虹郎）と同級生の杏子（吉永淳）は互いに好意をいだくカップルだ。島のユタ(霊媒師)である杏子の母（松田美由紀）は、病気で死期が近いため退院して夫(杉本哲太)と杏子のもとで最期をむかえようとしていた。そんな母を前にして、杏子は「生と死」の意味を上手く実感できないでいた。一方、両親が離婚している界人は、母親(渡辺真起子)が新しい恋人を持つことに苛立ち、東京で暮らす父(村上淳)に会いに行くが心の霧は晴れないままだった。ときに優しく美しく、ときに荒らしく厳しい島の自然のなかで、若い2人は「死」と「生」、そして「性」の意味を懸命に探り、つかみ取っていくのだった。(120分)