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[あらすじ] 野のユリ(1963/米)

気ままな旅をしていたスミス(シドニー・ポワチエ)は旅の途中で出会った尼僧たちに一杯の水を求めた。たったそれだけのはずだった。尼僧たちは東欧からベルリンの壁を命懸けで越えて来て、この荒れた地に教会を建てようとしていたのだ。そして彼こそ神が遣わした使徒だと言う。懸命に否定するスミスだったが、強引な院長に押し切られて教会の建設を引き受けてしまう事になった。金も材料も人手も無い状況に町の人々は否定的だったのだが、彼の孤軍奮闘する姿に町の人々も心動かされていく。この年のアカデミー主演男優賞をアフリカ系アメリカ人として初めて獲得した記念碑的な作品でもある。
sawa:38

人種偏見と差別が厳しかったこの時代で、黒人がオスカーをしかも主演男優賞を手にするなどとはどれほど画期的な出来事であったか。

シドニー・ポワチエは、次のようにコメントしている。「今まで努力してきた何万人もの黒人俳優全員への賞だ」と。それほどまでに、この賞の持つ意味は大きかった。

後に2002年のアカデミー賞ではR・レッドフォードとともに「アカデミー名誉賞」をも受賞することになる。余談ではあるが、この年はハル・ベリーが黒人女優初の主演女優賞を取り、デンゼル・ワシントンがシドニー・ポワチエ以来の主演男優賞を取った。そのいずれもが本作品を基準にしての冠がついている点に注目せざるを得ない。

また、さらに余談ではあるが、私生活のシドニー・ポワチエは故国バハマの外交大使として日本に駐在し好評を得た、だが問題なのは妻に迎えたのがあの『冒険者たち』のレティシアことジョアンナ・シムカスである。愛しのレティシアは今も彼の妻である・・・

(評価:★5)

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このあらすじを気に入った人達 (6 人)にくじゃが ゆーこ and One thing tredair ガブリエルアン・カットグラ ガンダルフ YO--CHAN

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